いや~、来ちゃいましたアンドラ公国!昨日までバルセロナ遠征を行っていた横浜F・マリノスU12が参加する大会を観戦しようと、このピレネー山脈の山中に佇む小国にやって来ました。
アンドラ公国は僅か468㎢(日本の金沢市とほぼ一緒)、人口およそ7万人。公用語はカタルーニャ語で、主な産業はスキー、スノボー、トレッキングや免税品目当てに訪れる環境客を対象とした観光業と言うスペインとフランスを分けるピレネー山脈の中腹にある小さな国。
行って見ると、実に山並みが美しく、山頂に雪を抱いた山々も見え、実に風光明媚なところでした。
そして、もう5月末だと言うのに、何とも一時雪もちらつくほどの寒さ。晴天だったものの、気温は5度と言う気候でした。
さて、そんな中、マリノスプライマリーが参加した大会は、2001年生まれの12チームが集まった国際大会。 出場チームは以下の通りです。
【グループA】
アンドラ公国選抜
レアル・ソシエダ
ビジャレアル
スラヴィア・プラハ(チェコ)
【グループB】
エスパニョール
ジェイダ州選抜
横浜F・マリノス(日本)
オサスナ
【グループC】
バレンシア
サラゴサ
アスレチッククルブ・ビルバオ
ハイドゥク・スプリット(クロアチア)
マリノスは初戦、オサスナと対戦、昨日までの練習試合の敗戦を振り切るかのように、粘り強く、また、自分達らしさを発揮するようになっていたマリノスは、キャプテンのフリーキックで先制するも、追いつかれるいや~な展開も、終盤に見事なパスワークで2点を追加し、見事スペインの強豪を3-1で破る事に成功しました。今遠征での嬉しい初勝利です!!!
続くグループリーグ2試合目は昨日大敗を喫したエスパニョール。
しかし、一夜明け、大会に向けて照準を合わせて来たマリノスは一味違います。
試合巧者のエスパニョールに対し、ハードワークと粘り強さで対抗するマリノスは、なかなかエスパニョールに決定機を作り出させません。特に、センターバックのキャプテンは、持ち味の体の強さを活かし、相手のセンターフォワードとのマッチアップも負けていません。カバーリングも良く、相手の攻撃をことごとくストップ。
攻撃でも、中盤で相手の鋭いプレスを何度かかわし、ゴール前に迫るシーンも見せますが、なかなか決定的なチャンスを掴む事が出来ません。
そんな中、マリノスボールでエスパニョール陣内に侵入した際、中盤でボールをカットされ、そのままカウンターを受けると、そのままゴールを決められてしまいます。自分達のチャンスと思いきや、一瞬にして自分達のチャンスにしてしまい、そしてゴールに結びつける強かさと巧さ。遂に、均衡は破れました。その後、果敢に攻め込むマリノス。一時、マリノスを自陣に引かせる程、相手陣内に侵入したシーンもありましたが、12分ハーフはあっという間、惜しくも、0-1で敗れる結果となりました。
しかし、負けはしたものの、エスパニョールを相手に、昨日の経験を経て、頼もしく戦っていたマリノスの姿がそこにはありました。この僅かな期間の中で、彼らは素晴らしい経験をし、そして、着実に成長している様子が伺えます。
さぁ、そしてグループリーグ3試合目。相手はジェイダ州選抜。何と昨年の同大会で優勝したのは、このジェイダ選抜、侮る訳には行きません。この試合に勝てば、グループの2位以上が決まり、決勝トーナメントに進出する事が出来る重要な試合です。ジェイダ州選抜はエスパニョールとオサスナと対戦し、2敗を喫しています。
体格に勝るジェイダ州選抜。しかし、マリノスは優位に試合を進め、巧みにボールを運び、繋ぎ、チャンスを構築します。中に、外にとボールを散らし、外からのクロスを中央で合わせ、坊主頭の小兵君が見事な先制ゴールを叩き込みます。
その後は一進一退の攻防が続き、緊迫した展開が続きます。
一時、ジェイダ州選抜は決定的なチャンスを掴むも、ゴールはオフサイドの判定で救われます。
すると後半、ドリブルで駆け上がったセンターバックのキャプテンが、左サイドから見事なループシュートの“ゴラッソ”を決め、リードを広げます。終盤にもう1点を加えたマリノスは、3-0の勝利!!!全勝したエスパニョールに続いて、2位で決勝トーナメントベスト8に進出しました!!!
そして、昼食休みを経て、午後からは決勝トーナメント。
ベスト8でマリノスが対戦するのは、別のグループを2位通過したアスレチッククルブ・ビルバオ。言わずと知れた超名門です。
午前中、集中力高く、地に足の着いた戦いぶりを見せていたマリノス。
休憩明けのこの試合、立ち上がりがポイントだと思って見ていましたが、その懸念が、残念ながら現実となってしまいます。
小柄な日本人少年達が、フィジカルの差を補う為にも、ハードワーク、球際の厳しさは必要不可欠。しかし、どことなくフワリとスタートを切ってしまったこの試合、ビルバオは、次々とマリノスゴールを攻めたてます。そして、先制点を奪われると、今後は相手ディフェンダーにドリブルで中央突破を許し、そのままゴールを決められてしまいます。危険を察知し、ファールしてでも止めなければと言う場面で、ただ何となく追いかけ、“味方も追いかけているから、誰かが止めるだろう”と言う気の緩みが、失点に繋がってしまったシーンでした。
その後、ようやく目が覚めたように攻勢に出るマリノス。何度もビルバオゴールに襲い掛かり、1点をもぎ取りますが、時既に遅し。1-2で敗れる結果となりました。終盤の頑張り、気持ちを最初から発揮していれば。。。やれる力があるのに、それを最初からガンガン出せない。もっともやってはいけない、もっとも悔しさの残る形で、準決勝進出を逃す事になりました。