さぁ、2人にとって、初の練習が始まりました。
練習参加する事になったのは、コルネヤと言うチーム。このクラブは、カタルーニャ州の中では、バルサ、エスパニョールに次ぐ、第3の座を争う複数の強豪クラブの内の一つ。すなわち、明日のバルサやエスパニョール入りを目指し、多くの強者達が集まって来るクラブなのです。
1999年生まれのYAMATOとKAITOは、コルネヤで1軍から6軍まである1999年生まれのチームの内、Alevin Cと言う2軍のチームで練習参加する事になりました。まずはここで力試し。ここで躍動出来れば、Alevin Aと言う1軍のチームでやれるチャンスもある一方で、ここで厳しいレベルだと判断されれば、3軍以下に回される事もあり得ます。スペインでは、8歳から、そうした厳しい淘汰に晒され、切磋琢磨しているのです。
ちなみに、Alevin Cには、RYUYAがプレーしているチームでもあります。
この日は、1時間半の練習の中で、ウォーミングアップの後、素早いパスワークからのセンターリングシュート。局面で7vs5となるボールポゼション。そして、最後は片側だけにゴールを付けての守備側と攻撃側に分かれての攻防がトレーニングされました。
そこでは、周りのパスワークのスピード、強いフィジカル、パススピードの速さ、そうした周囲の目まぐるしいスピード感に、戸惑う様子の2人の姿が。
ボールポゼションでは、足元に入ったボールを的確にコントロールし、ボールを受ける前に描いていたアイデアを素早く実戦しなければ、素早く寄せて来る相手にごっそりとボールを奪われてしまいます。そうした連続的にボールが目まぐるしく動くなか、初めてのチーム、初めての環境、言葉の壁(RYUYAがフォローしていましたが)等、様々な初もの尽くしの中で、思うようにプレー出来ない様子でした。
練習後、“どうだった!?”と聞くと、ややしょんぼりした様子で、
YAMATO「全然出来なかった。」
“自分の力の100の内、今日はどれくらいやれた!?」
YAMATO「50ぐらいかな」
「俺10、、、」KAITOはそう言って、薄っすらと悔し涙を浮かべていました。
“なんだなんだ!元気だそうぜ!まだ初日じゃないかぁ!誰だって、最初からバリバリやれないものだよ。まずは自分の100を全部出せるよう、また明日から頑張ろうぜ!”
帰りの車中で、“普段の日本でやっているレベルと比べ、今日のチームはどうだった!?”
YAMATO「こっちの方が全然上。」
“でも、これまでは、1つ上の6年生ともやっていたんだろ!?”
KAITO「でも、フィジカルとかも、こっちの方が強い。」
“そうかそうか、んじゃ、来た価値あるじゃん。上には上がいる事を体感する為に、フットボール世界一の国スペインでそれを体感しに来たんだから、それをさせてくれたお父さん、お母さんの為にも、これから2週間、全力で頑張ろうぜ!”
KAITO&YAMATO「はいっ」
スペインの洗礼とも言うべき、周囲のレベルの高さ、そして、自分の持ち味を出せなかった悔しさ。これから彼らが、これらの壁にどう立ち向かい、どうクリアーして行くのでしょうか。
彼らの戦いが今、始まりました!