僅か1週間と言うRYOYAの短期留学は、あっと言う間にその幕を閉じようとしています。
強豪コルネヤに3度、サン・アンドレウに1度の4回の貴重な練習。この日は、その最後の練習をコルネヤにて行いました。
そこでは、ロンド(鳥かご)や10vs10でのミニゲームなどが行われました。
ロンドでは、プレー中、監督が「Ya(ヤッ)」と言うと、突然ロンドを辞め、サイドラインの往復ダッシュをしなければなりません。そして、一番最後に戻って来た選手が4vs1の1人ディフェンダーをやらなければならないと言うルール。そこでの練習で気になったのは、RYOYAが常にダッシュで最下位となり、常にディフェンダーをやっている点でした。
練習後、RYOYAに“ダッシュが遅かったけど、スピードは持ってないの!?”と聞くと、「いえ、50mは6秒4ぐらいです。」との答え。
“んじゃ、全然遅くないじゃん。なんでさっきのロンドの時のダッシュでは、いつもビリだったの!?”
RYOYA「監督がYaって言う時は、僕がいつも一番遠い位置にいるんですよ。」
“でも、速いんだから、そこからごぼう抜きすればいいじゃん。”
RYOYA「確かにそうですね。」
“・・・・・”
そうなんです、RYOYA、優しいいいヤツなんです。人を蹴落とす事なんて微塵も思いつかないヤツなんです。
がしかし、フットボールの世界では、それではいけません。ピッチの上は、食うか食われるかの戦場、相手をなぎ倒してでもプレーする屈強さ、ハングリーさ、逞しさが必要です。
RYOYAの場合、彼の人柄がそのままプレーに出てしまっている。
“イニエスタも、普段は大人しい控えめな青年だけど、ピッチの上では、相手をあざ笑うかのようなえぐいプレーもする。図々しい程に積極的にプレーする。だから、性格を変える必要は無いけど、ピッチ上では、鬼に変貌しなければ駄目だ!”
さぁ、と言うわけで、RYOYAの短期留学は、その終幕を迎える事になりました。
“短い期間だったけど、今回の留学、率直な感想は!?”
RYOYA「最初は長いなぁ~と思っていたんですけど、言葉が分からないし、買い物もろくに出来なかったんで。でも、少しずつ慣れて来て、皆とも仲良くなれて、チームのメンバーとも、少しですけど、言葉のやりとりが出来るようになれて。最後は、あっと言う間に感じました。」
“こっちのやつらが勝っているなと思った点は!?”
RYOYA「日本だと、ゴール前でパスを選んでしまう場面でも、こっちのやつらはとにかく自分で行こうとする。自分で何とかしようとする。悪い場面でも直ぐにパスで逃げないで、自分で勝負しようとする。その点は、日本と全然違いますね。
それと、こっちの人達は、よくピッチ上で言い合いをしている。喧嘩してるのか!?って言うぐらい、言い合いをして、主張し合っている。でも、練習が終わったら、仲良くしている。そういう人と人との関係って言うか、これぐらい言い合っていいんだなって、少しいいなって思いました。日本だと、後の事を気にして、ついつい言わないでおいたりしてしまうんですけど、主張すべきところは、しっかり言い合うべきだなと。」
“なかなか普段と勝手が違った点、逆に、通用するなと自信を持てた部分はそれぞれある!?”
RYOYA「日本のプレスとこっちのプレスの質の違いだと思うんですけど、なかなかこっちではボールを持たせてもらえなかった。持ったらすぐにプレスが来るし、あっと言う間に囲んでくる。日本でも、プレスは来るには来るんですけど、緩いと言うか、もっと自分のプレーをさせてもらえる余裕があるけど、こっちは本当に厳しくアタックしてくるので、手こずりましたね。
自信を持てた点は、左サイドバックとして、対峙した選手にはあまり仕事をさせなかったと思います。」
と言う訳で、僅かな時間だったけれども、今回の短期留学が、彼の心の琴線に少しでも触れ、今後の糧になってくれることを願ってやみません。
地元の強豪高校でサッカーを続けるRYOYA。新高校1年生ながら、2年生、3年生を蹴落とす覚悟で、頑張って欲しいと思います。
頑張れ!RYOYA!!!