MGF 現地レポート

個人留学2012春 YASUKAZU 【逆転】

この日はCardedeuと言う田舎町で６チームが集っての大会が行われ、グラマネットに練習参加中のYASUKAZUも参加しました。スペインでの滞在も１週間を切っているYASUにとっては、最後のアピールの場です。最初の練習で、「ちょっと厳しいなぁ」と言う評価を受けてしまっていたYASU。しかし、そこから発奮し、２度目の練習で持ち味のドリブルやパス捌きを見せ、「もう少し見てみよう。」と最初の悪い印象を覆したYASU。

この日の対戦相手はPREMIA DE DALT。YASUは１－４－２－３－１のトップ下で先発出場します。中盤の混戦の中では、シンプルに叩いて相手のプレスをかわす一方、スペースを見出した場面では、ドリブルで持ち上がるなど、状況に応じ、的確なプレーを見せるYASU。

すると、２列目から右サイドへ飛び出したYASUは、そのまま得意のドリブルで右サイドをえぐり、中央へ折り返すと、あとは走り込んだ味方が押し込むだけ。YASU、見事に先制点をお膳立てします。

これだけでは終わりません。今度はボランチの選手からふわりと出されたDFの裏へのボールにディアゴナルランで左へ抜け出したYASUは、飛び出して来たGKを見ながら冷静に左足でゴールへ流し込み、追加点となるゴールを叩きこみます！！！

 

後半からは、MASATOUが登場し、トップ下へ入ると、YASUは１トップの位置へ。すると、この２人が息の合ったパス交換を見せ、次々とチャンスを構築します。

 

会場からも、「何だあの東洋人コンビは！？」とちょっとしたどよめきも沸いています。

 

しかし、その後の接触プレーでYASUが痛んで交代。幸い、打撲程度で、大事には至らない様子です。

 

“エース級”の活躍をしていたYASUの退場を機に、チームは守勢に転じ、ここからPREMIA DE DALTが怒涛の攻撃で３点を奪い、逆転します。

 

左サイドウイングに移動したMASATOUも奮闘し、何とか同点に追い付こうと懸命にプレーします。

すると、試合終了間際、フリーキックからのこぼれ球をグラマネットがものにし、同点に追い付きます。

そのまま試合は３－３。大会規定により、その後PK戦が行われ、５人目にMASATOUが蹴って決めるなど、グラマが勝利を収めます。

 

 

そして、試合後、何と嬉しい事に、監督のDavidから、「YASUKAZUを来シーズン、うちのチームの一員として受け入れたい」と言うオファーが飛び出しました。最初の練習での駄目だしからの、見事な逆転劇です！

喜ぶYASU！来シーズンは、Cadeteリーグの２部と言う、決して悪く無い舞台を掴み取る事に成功しました！

おめでとう！YASU！！！

来シーズンは、MASATOUとの日本人コンビで、大暴れしてもらいましょう！そして、恐らくバルサ、もしくはエスパニョールとの対戦もあるはず。楽しみなシーズンになりそうです！

Felicidades YASUKAZU !!!!!!!

 

個人留学2012春 YASUKAZU 【這い上がる】

スペインでの居場所探しの旅を始めて、２週間半。YASUKAZUは、苦しんでいる。来シーズン、Cadete（U１５）リーグの最高学年となるYASUは、１部リーグを戦うBadalonaへの挑戦を試みたが、残念ながら、獲得に至らなかった。

そこで、続いてYASUが挑戦しているのが、強豪Gramanetだ。このチームは、来シーズン、２部リーグを戦うチーム。しかし、４部まである内の２部リーグなので、やはり、決して簡単では無い。

一昨日のグラマ初練習を経て、いきなり監督のDavidに、「難しい」と言う評価を受けてしまった。平凡な選手と見られてしまったようだ。YASUに練習の様子を尋ねてみると、「チーム全体が、シーズンの公式戦を終えた事もあって、皆流している感じ。僕も、それに合わせてしまった。」との事。

“例え周りが６分の力でプレーしていも、YASUは全力疾走、１００％の力を発揮しなければ駄目だ。君の置かれている状況は、他のスペイン人達とは違う。君は、残るか着られるか、生きるか死ぬかのトライアウトに来ている。「周りが、、、」とか関係ない。自分だけ、浮いちゃうほど、ハッスルすりゃあいい。球際が軽いと評価されてしまっている。けど、球際を勇敢に戦えないと、スペイン人の監督からは、一気に興味を無くされてしまうぞ。１回１回の練習が勝負。後から後悔しないよう、自分を出し切れ！”

 

そうして、瀬戸際に追い込まれたYASUの２度目の練習がこの日、ありました。

７vs７のボールポゼションの練習では、オフの動きに相変わらず覇気が感じられず、ボールを呼び込む声も無く、淡々とやっているYASU。続いての、センターリングシュートでも、特に特筆すべきものは無し。

最後の１０vs１０のハーフコートでの紅白戦になって、ようやくYASUらしさを発揮しました。

右サイドでボールを持ったYASUは、持ち前のテクニックを駆使し、ひょいひょいと相手をかわして行きます。それまで、パッとしなかったYASUのプレーぶりを見て、周囲の仲間達も、「おぉ！やるじゃんおめえ！」と感嘆の声を上げます。

これでリズムを掴んだか、守備の際にも、体をぶつけて、ようやく戦い始めた風を見せたYASU。その後、真ん中にポジションを移してからは、再び消えてしまったのが、とても残念でした。ボールが足元に入った時には、それなりの仕事が出来るYASU。今後の課題は、自分がボールを持っていない時に、如何に巧みなポジションを取り、そしてボールを呼び込むか。オフの動きの改善が、急務です。

 

練習後、「今日はなかなか良かった。次の月曜日も、もう一回来てくれ。もう少し見たい。」Davidから、そういわれ、何とか首の皮一枚繋がりました。

良い時のYASUを如何にコンスタントに発揮し続けられるか。そして、それ以上に、Ganas（やる気オーラ）を放って、アグレッシブにプレー出来るか。彼の勝負どころとなるでしょう。

個人留学2012春 YASUKAZU 【自分の実力を知る為に】

新たな若者が、海を越えてやって来た。その名もYASUKAZU、９７年生まれの１５歳。早生まれの彼は、この春に中学校を卒業し、義務教育を終えた事で、かねてからの夢、フットボール大国スペインで挑戦する事の夢を、親から認められた。

今回は、その第一歩。自分の居場所を掴み取る為の挑戦だ。

明日から、Badalonaと言う強豪の練習に参加するYASUKAZU。

果たして、自分のドリブルは通用するのか！？相手をあざ笑うかのようなドリブルは、スペインの一線級の相手にも通用するのか！？また、２年前に来た時に味わった球際の攻防、相手ディフェンスの激しさに、対抗出来る術に磨きを掛けたのか！？

自分の実力を知る為の挑戦が、幕を切る！