この日は2度目のエスパニョール・スクールリーグ。YUKIはZamoraチームの一員として、王者Argilesに挑みます。3-2-1の右MFとして先発したYUKI。しかし、フィジカルと個の力で勝るArgilesに対し、守勢に回ります。両者それぞれチャンスを掴むも、いずれもゴールポストに嫌われるなど、試合は0-0のまま、時間が過ぎて行きます。
YUKIは右サイドで得意の縦への突破から、クロスを入れるも、味方がなかなかものにする事が出来ません。すると、今度は自らの突破から45度の至近距離からのシュートを放つも、ボールは大きくクロスバーの上を越えて行きます。
一方、Argilesはエースのフリアンが次第にその実力を発揮し、前半を終えて1-2でArgilesがリードします。
後半もそのままピッチに立ったYUKIは、このままではまずいと思ったのか、そこから積極的なプレーを発揮しはじめます。相手のボールを果敢に奪い、また、大声でボールを「ヘイ!」と要求します。前半とはまるで人が変わったかのように、試合にのめり込み、戦うYUKIの姿がありました。
すると、右サイドをスピードで突破し、GKとの一対一で、蹴り込み、ゴールを決めます!!!
その後も、何度か右サイドの攻防を制し、再び放ったシュートはゴールポストに弾かれ、ノーゴール。
惜しい!!!
しかし、その気迫こもったプレーぶりは、頼もしい限りです!
がなんと、後半途中で、ホルメ・メナ監督はYUKIを引っ込めてしまいます。
すると、時を同じくして相手のエース、フリアンが大爆発、ハットトリックどころか、5点を決める暴れぶり、試合は2-7でZamoraは敗れてしまいました。
まるでスイッチが入ったようなYUKIの奮闘ぶりに、試合は最後までどうなるか分からなかっただけに、少し残念な采配ではありました。
しかし、これまでで一番気持ちが入っていたYUKIのプレーぶりに、今後の期待が持てました。
続いて2試合目、2部で優勝し、今節から1部に昇格したVicenteチームに入り、Glariaチームと対戦です。ここには、左サイドバックに体格のいい選手がいて、先週は彼とのマッチアップでなかなか勝てなかった相手。今度こその思いが募ります。
ベンチからスタートしたYUKIは、途中からピッチに入ります。がしかし、いきなり接触プレーで相手のヒザが左太腿の外側に入ってしまったか、ややびっこを引く様子を見せるYUKI。監督のアンヘルが、「YUKI、大丈夫かぁ!?」の声に、やや表情を歪めながら肯くYUKI。
しかし、明らかにその後、精彩を欠きます。後半も、積極的にボールに絡まず、来たパスは尽く相手左サイドバックにカットされてしまいます。依然として、時折びっこを引くYUKI。交代を要求しないながらも、ただピッチに立っている状態になっている姿を見て、監督も遂に交代を告げます。
試合は、2-4で敗れ、YUKIにとっては悔しく、不甲斐ない結果となってしまいました。
試合後、YUKI「交代はしたくなかった。痛かったけど、我慢出来る感じだったし、やっているうちに、痛みに慣れて来た。」
“痛いけど、我慢してプレーし続けようとした心意気は良かった。でも、厳しい話をするなら、ピッチに立つ以上は、相手に弱みを見せちゃ駄目だ。さっきは見ていて、痛々しいのが見え見えだった。あれでは、相手のサイドバックに弱みを見せてしまい、余裕を与えてしまっていた。やるからには、痛くても、我慢して、相手に悟られないように平気な顔をしていなきゃ駄目だ。そして、本当に痛くて駄目なのなら、チームに迷惑を掛けない為にも、潔く交代を要求する事も必要だ。”
そんなこんなで、4戦4敗と未だ勝利の味をスペインで味わっていないYUKI。しかし、今日のスイッチが入ったような姿を見せ続ければ、きっと勝利の喜びを掴み取れる時が来るはずです。
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