スペインでの居場所探しの旅を始めて、2週間半。YASUKAZUは、苦しんでいる。来シーズン、Cadete(U15)リーグの最高学年となるYASUは、1部リーグを戦うBadalonaへの挑戦を試みたが、残念ながら、獲得に至らなかった。
そこで、続いてYASUが挑戦しているのが、強豪Gramanetだ。このチームは、来シーズン、2部リーグを戦うチーム。しかし、4部まである内の2部リーグなので、やはり、決して簡単では無い。
一昨日のグラマ初練習を経て、いきなり監督のDavidに、「難しい」と言う評価を受けてしまった。平凡な選手と見られてしまったようだ。YASUに練習の様子を尋ねてみると、「チーム全体が、シーズンの公式戦を終えた事もあって、皆流している感じ。僕も、それに合わせてしまった。」との事。
“例え周りが6分の力でプレーしていも、YASUは全力疾走、100%の力を発揮しなければ駄目だ。君の置かれている状況は、他のスペイン人達とは違う。君は、残るか着られるか、生きるか死ぬかのトライアウトに来ている。「周りが、、、」とか関係ない。自分だけ、浮いちゃうほど、ハッスルすりゃあいい。球際が軽いと評価されてしまっている。けど、球際を勇敢に戦えないと、スペイン人の監督からは、一気に興味を無くされてしまうぞ。1回1回の練習が勝負。後から後悔しないよう、自分を出し切れ!”
そうして、瀬戸際に追い込まれたYASUの2度目の練習がこの日、ありました。
7vs7のボールポゼションの練習では、オフの動きに相変わらず覇気が感じられず、ボールを呼び込む声も無く、淡々とやっているYASU。続いての、センターリングシュートでも、特に特筆すべきものは無し。
最後の10vs10のハーフコートでの紅白戦になって、ようやくYASUらしさを発揮しました。
右サイドでボールを持ったYASUは、持ち前のテクニックを駆使し、ひょいひょいと相手をかわして行きます。それまで、パッとしなかったYASUのプレーぶりを見て、周囲の仲間達も、「おぉ!やるじゃんおめえ!」と感嘆の声を上げます。
これでリズムを掴んだか、守備の際にも、体をぶつけて、ようやく戦い始めた風を見せたYASU。その後、真ん中にポジションを移してからは、再び消えてしまったのが、とても残念でした。ボールが足元に入った時には、それなりの仕事が出来るYASU。今後の課題は、自分がボールを持っていない時に、如何に巧みなポジションを取り、そしてボールを呼び込むか。オフの動きの改善が、急務です。
練習後、「今日はなかなか良かった。次の月曜日も、もう一回来てくれ。もう少し見たい。」Davidから、そういわれ、何とか首の皮一枚繋がりました。
良い時のYASUを如何にコンスタントに発揮し続けられるか。そして、それ以上に、Ganas(やる気オーラ)を放って、アグレッシブにプレー出来るか。彼の勝負どころとなるでしょう。
コメント