あっという間の10日間、真夏の厳しい陽光の元、元気に走り続けた少年達の戦いも、いよいよ終わりを迎えようとしています。
最終日は、午前中はエキシビジョンの練習を行い、昼過ぎから最後の試合、そして、最後はエキシビジョンと閉幕式という流れで行われました。
【HIRO】2006
昨日、一足早く大会の試合を終えた2006年生まれの選手達。
この日はエキシビジョンの練習や途中、雨が降って来た事もあり、仲間と一緒にフリータイムを楽しんでいたHIRO。
得意の英語の他、覚えたばかりの日本語やスペイン語などを駆使し、それ以上に、少年達ならではのフィーリングで、10日間という濃厚な時間の中で、すっかり皆んなと楽しそうに過ごしていたHIROの姿が、そこにはありました。
AITOR監督からの言葉「最初は集中力の散漫ぶりに驚いたけど、だんだん慣れてきて、少しずつ集中出来るようになって行った。集中している時は、チームを勝利に導くセービングを何度も見せてくれた!味方からも信頼されていたし、他のチームからの引き合いもあった。笑。これからもっともっと頑張ってもらいたいね!」
HIRO「本当に楽しかった。でも疲れた。明日ママに会える!」ガッツポーズ、笑
【RAI】2004
ファイナルリーグで7位となり、5〜8位の4チームで行われるUEFAカップ(実質5〜8位順位決定リーグ)を最終日に戦う事になったRAI擁するPORTUGAL。準決勝の対戦相手はSelección MADRIDです。過去2度の対決ではいずれも敗れている相手。20分1本で行われたこの試合でも、0−2で敗れ、7〜8位決定戦に回る事になりました。
続く相手はAGUILAS。泣いても笑っても、これがワールドカップ・スクール大会の最後の試合です。過去の対戦成績は1分1敗。結果は、、、1−3で敗れる結果となりました。この為、ファイナルラウンドでは、PORUGALは8位という悔しい結果に終わる形となりました。
今日も1-2-3-1の最終ラインの一角に入る事となったRAI。最後の奮闘を期待して送り出しましたが、ここ2日間と印象はあまり変わりませんでした。チーム全体としても、勝てていない状況で、元気が無かったと言えるかもしれません。
ALEX監督「RAIは私生活ではナイスガイだった。だが、ピッチ上では典型的な”日本人”だった。小柄とか体格は関係なく、ボディーコンタクトや球際での戦いを恐れる事なく闘える選手になる事が、まずは重要だ。」
もはや、球際が緩い、ボディーコンタクトで逃げ腰になりがちな選手の事を皮肉にも、”日本人らしい”という表現の形容詞が出来上がってしまっている事は、見過ごせない現実です。監督は、嫌味を言った訳では無く、それが如実に日本の育成現場、いや、日本サッカー界全体を象徴しているのでは無いでしょうか!?世界が”えぐい”訳でも、世界が”激し過ぎる”訳でもありません。ボール一つを奪い合う厳しさが、日本は世界標準よりもかなり低いのです。こんな舐められた表現を許してしまって良いのでしょうか!?”日本人は闘えない”というレッテルを貼られたままで良いのでしょうか!?日本人はテクニックがある、という評価は、本当に厳しい局面、ハイプレッシャーの中でも有効なのでしょうか!?ピッチ上で何よりも必要な”闘う姿勢”を疑問視されがちな日本人は、サッカー選手としては世界ではまだまだ舐められているという現実を、もっと深刻に受け止め、劇的な改善をしていく必要があるでしょう。
もちろん、プロのレベルを見渡せば、岡崎や長友選手など、日本人選手の中でも、闘う姿勢で疑問の余地の無い選手はいます。でももし、育成年代でのこうしたレッテルが、逆に”日本人と言えば、技術や走力、俊敏性や献身性。そして、それ以上に、とにかく闘うよな!”という評価に変わった時、もっともっと世界的レベルの選手が沢山出てきて、もっともっと世界トップクラスに近づく日本サッカー界に成長しているのでは無いでしょうか!
RAI「速い選手やデカい選手が多くて、最初はビビっけど、段々慣れていけたので、日本に帰ったらガンガン行きたい。やっぱ、スペインはレベルが高い!」
"辛かった事を挙げると!?”
RAI「ちょっとホームシックになった事。自分の体力、フィジカルの無さを痛感した事。そして、言葉が伝わらなかった事。」
"楽しかった事は!?”
RAI「友達と単語を教え合った事。試合でゴールを決めた事。あとやっぱ、友達が沢山出来た事!」
"日本では通用したけど、こっちでは通用しなかった部分。もしくは、こっちでも通用した自信になった部分は!?”
RAI「ドリブルで抜く時のフェイントとか、なかなか上手くいかず、奪われた。プレーの判断とかは出来た部分もあった。」
"今後の目標は!?”
RAI「日本に帰って、スペインで学んだ事を友達に伝えたい。」
この夏、いつもとは違った体験をしたHIROとRAI。今回経験した辛かった事、悲しかった事、嬉しかった事、楽しかった事、そうした全ての体験が、きっと彼らを少しだけ逞しく成長させてくれた事でしょう。今回の経験が、彼らにとってかけがえのない記憶となって、2015年夏の思い出の1ページになってくれれば!
また何処かで、成長した2人に会える日を楽しみにして、今回の物語の幕を閉じる事に至します。
HIRO!RAI!AMIMO!!! QUE TENGÁIS MUCHA SUERTE !!!
HASTA LA VISTA!!!
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