暑い!今日は特に暑い!町の温度計は35度!!!恐らく、ピッチ上は40度近い体感温度では無いでしょうか!?
がしかし、子供達は元気です!強い日差しに負けないぐらい、少年達は今日もハツラツとボールを追い掛けます。
午前中は、昨日と同様、トレーニング。4つのグループに分かれ、4種類のメニューを、20~25分置きに交代でこなすと言う、David Fernandez監督得意の手法によって、今日もメリハリのある練習が行われました。
各メニューの所には、1~2人のコーチが配置され、トレーニングを指揮します。
スペインで行われている練習メニューは、特に上のレベルになればなるほどそうですが、どれもが、意味と意義が分かりやすい。そして、やはり、“試合の為の練習”である事が大前提。その為、“あっ、これは試合のこういうシチュエーションを想定しての練習だな”と言う事がしっかりと想定されている。これは当たり前と言えば当たり前なのだが、“本当に試合で使えるトレーニング”と言うレベルまで洗練された練習メニューを行っている現場が、日本では少ない気がする。
試合になれば、スピード感、緊迫感、激しさ、プレスの速さ、テンション、、、何もかもが、普段の練習とは明らかに状況、条件が異なる。普段の練習で上手い事こなしている選手が、試合になると、その半分も力を出せないのは、練習と試合の強度のレベルが違うからだ。スペインの練習時間は、大抵90分が相場だ。日本では、2時間、多いところでは3時間何て言う話も聞く。が、試合と同じ、強度、激しさで短い時間帯を集中して中身濃くやれていれば、長さは問題では無いし、そもそも、そうしたテンションで3時間も出来る訳がない。
さて、話をキャンプに戻しましょう。
この日の練習では、そうした試合のシチュエーションを意識し、また、強度も求められた上、より良いステップに辿り着く為には、頑張らなければ、ハッスルしなければ進めないと言う工夫も見られました。
その一つは、小さなゴールを目指しての1vs 1の勝負。もしここでゴールを奪えれば、その後ろに設定された広いグラウンドに入って行って、センターリングを受け、大きなゴールに向けてシュートが打てる。小さなゴールで負けた方は、そのセンターリングシュートのディフェンスをしなければいけない。センターリングシュートで攻撃側に回りたければ、最初の1vs 1の勝負で勝たなければいけない。
そんなこんなで、1つ1つのメニューを楽しく、夢中でやっている内に、次のメニューへ移る時間が来る。その繰り替えしで、メリハリを持って、ダラダラする事無く、あっと言う間に90分のトレーニングが経過して行きました。
サムライ少年達は、楽しみながらも、真剣にボールを追い掛けている姿が印象的でした。
練習後は、常に火照った体をクールダウンする為に、キャンプ場に備え付けられたプールでひと遊び!
このプールの時間も、少年達にとっては楽しみなひと時のようです。
YUMAやKIRIはあまり泳ぎは得意では無いようですが、それでも、皆楽しそうにバタバタしています。
昼食の頃、ここでアクシデントが起こります。
キャンプ場内で、サンダルで追いかけっこしていたYUMAが、転んで膝の部分を石で切ってしまったのです。その時はかすり傷程度かに見られたのですが、出血が予想よりも多かった為、急遽近くの病院で治療してもらう事に。
幸い、縫うまでは行かなかったのですが、今日の午後の試合はお預けとなってしまいました。
当の本人は、泣く事も無く、すっかりと痛みも治まったようで、ケロッとしていますが、、、
さて、午後はユーロ2012の第2日目です。
まずは“おにいちゃん大会”から。
まずはいきなり、SHUNNOSUKE擁するドイツvs KOSHIRO擁するオランダの直接対決です。ここまでの成績は、ドイツが2戦2勝で首位、一方のオランダは1試合を戦って1分けと言う成績です。
試合は、2勝で勢いにのるドイツが主導権を握ります。このチームの後方でどかっと君臨する守備の職人マルク・ベルニンスをベースに、攻撃陣では毎年キャンプに参加する実力者、ジローナ所属のフォルランなど、タレントが揃っています。そこに、周囲のバランスを考えながらプレー出来るSHUNNOSUKEも、上手くチームに機能するようになって来ました。
一方、オランダも存在感抜群のバルサ所属ジョルディを始め、なかなかのメンバーが揃っているのですが、やや前掛かりになってしまう傾向があり、相手の反撃を簡単に許してしまう弱点が見られます。KOSHIROも奮闘しますが、なかなか決定的な仕事をこなすまでは行きません。
そんな中、相手の守備陣の穴を突いてスペースに走り込んだSHUNNOSUKEが、自分の形に持ち込んで立て続けに2ゴールを決めます!
そんな“SHUN”の活躍もあり、試合はドイツが8vs3でオランダを退け、開幕から無傷の3連勝を上げる事に成功しました!
続いての試合はオランダvs スペイン。そう、南アフリカW杯決勝の再現です!(笑)
試合は乱打戦となります。
オランダはバルサ所属のエース、ジョルディが5得点を荒稼ぎする活躍を見せるも、スペインはデ・ラ・ペーニャ(仮称)が何と7ゴールを決める爆発ぶりを見せ、試合は6vs11でスペインが勝利しました。
オランダは3試合を戦って1分2敗と苦しい戦いを強いられています。何とか、リーグ戦最終節、対イタリア戦では初勝利を手にしてもらいたいところです。
一方、SHUNNOSUKE擁するドイツは、早くもリーグ最終節、対イタリア戦に臨みます。ここまではドイツが3戦3勝と絶好調!一方、2試合をこれまで消化しているイタリアは、2戦2敗と全くいいところがありません。
ところが、試合は思わぬ展開となって行きます。
どのチームにも、大抵1~2人のバルサやエスパニョールのカンテラの選手が揃い、ポテンシャルはあるのですが、チームが上手く噛み合うかどうかで、勝敗が分かれて来たこの大会。がしかし、ひとたび歯車が噛み合い始めると、これまでとは全く違うチームに変貌して来ます。また、3戦全勝のチーム相手に一泡吹かせてやろと言うハングリーなモチベーションもあったのでしょう。試合は、これまでの両者の戦いぶりが全く正反対かのように、イタリアが攻守に活気あるプレーを次々と繰り出して行きます。プレッシングも早く、SHUNNOSUKEも思ったようなプレーをなかなか許してもらえません。
守備の要マルクも奮闘するも、相手の猛攻を前に、遂に牙城が崩れてしまいます。
試合は、7vs3でイタリアが今大会初勝利!一方、ドイツは初黒星を喫してしまいました。
さて、続いては“ジュニア大会”へ行って見ましょう。
こちらは、どんなドラマが待っているのでしょうか!?
まずは、クロアチアvs ジャパン!
昨日は2戦2敗と苦しんだクロアチア。しかも、怪我でYUMAを欠く展開となってしまいます。その分、最年少のマスコット、SHOGO/Mが頑張らなければいけません。一方、対照的に、昨日は2戦2勝と快調なスタートを切ったジャパン。エースのパコとホセ、そして、RIKUとKEISUKEが中盤を支え、バランスの取れたチームを作り上げつつあります。今キャンプの紅一点、アナの存在も忘れてはいけません。試合は序盤からジャパンが攻勢に出ます。YUMA不在のクロアチアは、ボールの落ち着きどころが無く、なかなかボールを前に運ぶことが出来ません。そんなクロアチアの戸惑いぶりを尻目に次々と相手ゴールに襲い掛かるジャパン。ゴール前の混戦から、味方のシュートが相手の頭に当たってこぼれたボールにいち早く反応したRIKUは、これをしっかりと押し込んでゴール!今大会嬉しい初ゴールとなります!
試合は結局、6-1でジャパンの勝利となりました。
続いてはフランスvs イングランド。
ここまで共に1勝1敗の両チーム。全勝のジャパンを追う権利を掴むのは、果たしてどちらでしょうか!?
フランス陣営にはSHOGO/HとKOTARO、一方、イングランドにはKIRIが立ちはだかります。
試合は戦前の予想通り、拮抗した好試合が展開されます。
そんな中、際立ったプレーを発揮したのはSHOGO/H。徐々に、俊敏性のあるスピード溢れるプレーぶりを発揮したSHOGO/Hは、得意の縦へのドリブルで右サイドを攻略して行きます。そして、味方からのパスに絶好のタイミングで飛び出したSHOGO/Hは、昨日と同じ様な形、角度からゴール左隅へ見事なゴールを叩きこみます!一方、昨日のような決定機には恵まれなかったものの、しっかりと声を出して存在感を示していたのはKOTARO。殆どが自分よりも大きな相手に囲まれながらも、ガッツ溢れるプレーでハツラツと動き回っていました。
一方、KIRIには、実はこんないきさつがありました。
“KIRI、昨日の2試合は、ずっと右サイドバックをやっていたけど、自分のポジションなの!?”
KIRI「ううん。トップ下。」
“じゃぁ、トップ下やりたい!?”
KIRI「うん。」
“だったら、自分でチームメイトにそう主張してみな。キエロ(やりたい)メディア・プンタ(トップ下)って言えば、伝わるから。何にも言わないで黙ったままだと、ずっと右サイドバックになっちゃうよ。自分でやりたい事があったら、ちゃんと自分で伝えないと。”
KIRI「うん。」
さて、こんなやりとりの後、KIRIがチームメイトにどのように交渉したのかは分かりませんが、この試合で彼が陣取ったポジションは、、、何とセンターフォワードでした!(笑)
そんなKIRIは、前線で懸命にボールに絡み、攻撃の主役を演じるべく、奮闘します。がしかし、ジャパンの粘り強い守備を前に、なかなか効果的なプレーを繰り出す事が出来ません。
1点を争う好ゲームは、3 vs 2でフランスが接戦をものにしました!
さて、“ジュニア大会”はこれで一回りを終了し、ジャパンが3戦全勝の勝ち点9、これをフランスが6、イングランドが3で追う展開。クロアチアは残念ながら、まだ勝ち点を手にしていません。
“ジュニア大会”は2回戦総当たりリーグ制の為、ここからは、2周目に突入します。
まずは、フランス vs ジャパンの上位対決です。両者は開幕戦でも1vs2の接戦を演じており、優勝争いを占う大一番が、早くもここでやって来たと言う事が言えるでしょう。
フランスには、ここまで2ゴールと調子が上がって来たSHOGO/H、そして元気印KOTAROが、一方の無敵艦隊ジャパンには、先程の試合で嬉しい大会初ゴールを上げたRIKUと、ベトナムから挑戦しているKEISUKEが立ちはだかります。
試合は、チームのリーダー的な存在になり始めたSHOGO/Hを筆頭に、フランスが懸命に戦いを挑むものの、強烈な2トップ、パウとルイスを要するジャパンのカウンターは強烈です。体を張って守ろうとするKOTAROも、フィジカルで圧倒されてしまいます。
一方、徐々に、潜在能力を発揮し始めたのがRIKU。現在彼は、自分の携帯の待ち受け画面にあるものを掲載してしまったが為に、自業自得ながら、不甲斐ないあだ名を付けられてしまっていますが、そういう事も含めて、彼は徐々に自分を出し、楽しんでいる様子です。そして、それがプレーにも表れ始め、自分の“間合い”でプレー出来るようになって来ています。そうなると、益々前線の強力2トップが力を発揮し始めます。
試合は、3 vs 1でジャパンが勝利!優勝へ向けて、大きく、大きく前進しました!
さて、この日最後となったのはクロアチア vs イングランド。特にクロアチアは、何とか勝利の美酒を味わいたいところ。エース!?のYUMAが不在と言うハンディがあったにもかかわらず、チームは奮闘します。
YUMAの分までとばかりに最年少のSHOGO/Mは、自分よりも大きい相手にもひるまず、勇敢にチャレンジする姿は、見ていて感心させられます。
一方、なかなか表情からは感情の読み取り辛いKIRIも、ボールを追い掛ける姿からは、一生懸命さがしっかりと伝わって来ます。
炎天下の中、意地と意地をぶつけ合う両チーム。
白熱した好ゲームに、勝利の女神は非情になれなかったようです。2 vs 2の痛み分け。
クロアチアは、待望の勝ち点1を手に入れました。