TAIGAの一週間強の冒険も、あっという間にフィナーレを迎える事になりました。往路はお父さんと共に熱を出しながらも頑張ってやって来たTAIGA。そして、お父さんが帰国してからも、一人で１週間、彼なりに頑張っていました。
多くの体験をし、多くの異文化に触れ、そして多くのフットボールの課題を見つけたTAIGA。今回の留学が、彼の今後に大きく寄与する事を、願っています！
最後に、TAIGAの感想を記して、彼の冒険の幕を閉じたいと思います。
頑張れ！！！TAIGA！！！
TAIGA「辛かった事は、言葉が理解できなくて練習が上手く出来なかった事です。自分で通用したと思うところは、パスです。通用しなかった事は、体の強さとドリブルです。でも、バルセロナの生活は楽しかったです！」
昨日のエスパニョールスクールの練習を経て、この日は、スクールリーグ戦に初参戦です。そして、これが、今回のTAIGAの留学の最後の活動となります。
この日は、２試合に参加させてもらいました。試合中のTAIGAは、いわゆる“日本病”が顔を出し、球際、ボールを呼ぶ声、体を張ったプレーなどで、物足りなさが見られます。普段、大人しいTAIGAですが、ピッチ上では、ボールを呼ばなければ、コミュニケーションを取らなければ、ボールを触る事は出来ません。せっかくフリーなポジションにいるのに、そこで声を張り上げてボールを呼び込んでもらえば、チャンスになるのに、「ヘイ！」の一言を出す事が出来ません。
また、折角チャンスでボールを受け、GKと一対一になった場面では、勝負をせず、味方にパスを出してしまう“人の好さ”を発揮してしまう場面も！監督からも、“TAIGA！そこは自分で打て！！！”と激が飛びます。また、攻守の切り替えで、攻から守への場面では特に、守備をおざなりにしてしまうのは、今後の課題と言えるでしょう。現代フットボールでは、攻撃的な選手も、しっかりと守備にも貢献出来る選手が、生き残って行く時代です。
この日は、２試合でプレー、１ゴールを決めたTAIGAでした。
さぁ、TAIGAの挑戦も、あっという間に終盤を迎えようとしています。この日は、Sant Andreuでの最後の練習です。昨日の頑張りが認められたのか、同じ２００４年のチームでも、もう一つのより強いチームでの練習が許可されました。
ところが、これがTAIGAには吉と出たとは言えません。周囲のレベルがぐぐっと上がったと言うのもありますが、少し慣れて来たメンバーとはまた違ったメンバーとなったと言う事もあり、TAIGAの遠慮癖が出てしまいます。
ピッチ上で、借りて来た猫のように大人しいTAIGA。しかし、普段は温厚な優しいお兄ちゃんで良しとしても、ピッチ上では、そんな人間性は何の役にも立ちません。むしろ、心は鬼となり、蛇となり、悪魔となって、ピッチ上で全力でファイトする戦士にならなければなりません。
そういう意味では、傍から見ていて、ピッチ上のTAIGAの姿は、“温過ぎる”と言わざるを得ないでしょう。しかし、これはTAIGA一人のせいでは無く、日本から来る殆ど全ての少年に当てはまる現象です。ピッチ外ではいい子ちゃんでも構いません。が、ピッチの中に入ったら、遠慮なんていう言葉は捨て去り、闘わなければなりません。
監督からも、“TAIGA、そこはもっと激しく行かなきゃ駄目だ！！！”と強い激が飛んでいました。
やはり、レベルが上がれば、当然、要求される事が多く、激しく、厳しくなります。
シュート練習で良いシュートを打っていたTAIGAでしたが、ミニゲームで、自分の打てる場面で味方にパスを選択してしまったシーンは、スペインでは、良しとはされません。
さぁ、この日は２度目のSant Andreuでの練習。僅か、１時間半弱の練習でしたが、TAIGAは練習後、肩を切って息をし、明らかに疲弊した様子でした。練習着も汗でびっしょり！
そうです、この日は、それ程、運動量が求められたトレーニングでした。
手を使って、ラグビーのパス回しのような形でウォーミングアップを行うと、ストレッチ後、ボールポゼションのトレーニング。小さなグリットの中で、２対２を行い、そこでは、ボールを奪われたチームは素早くボールを奪う厳しさが求められました。ボールを持っているチームは、同数の敵を相手に、ボールを奪われないよう、キープしたり、パス交換したり、ドリブルでかわしたりと、様々な判断、プレーが要求されてしました。
その後、サーキットトレーニングが行われ、コーンをステップワークし、パスからセンターリング、もしくは１対１、もしくは中央でシュートなど、様々なバリエーションをこなしていました。
技術的にはSant Andreuのメンバーと大きく変わらないTAIGA。しかし、プレーリズム、激しさ、パワー、エネルギッシュさにおいて、他のメンバーから後れを取っています。それでも、言葉が良く分からない中で、必死に練習メニューを理解し、それに付いて行こうと言うTAIGAの姿が、そこにはありました。
そんな中、１対１からのシュート練習で、見事に相手をかわして豪快なシュートを決めたシーンでは、普段無表情なTAIGAの表情が、ニコリと豹変する一幕がありました。そして、このシュートを決めた直後から、TAIGAの動きが、明らかに好転しました。やはり、子供は成功体験が、自信に繋がって行きます！
練習後、２度目の練習と言う事もあり、その存在が認められたTAIGA。陽気なスペイン人達が、ロッカールームで、「Taaaaaiga !!! Taaaaaaiga !!!」ともてはやす一幕もありました。
そして、練習後、カンプノウへ移動し、チャンピオンズリーグ、バルサvsセルティック戦を観戦しました。
試合は、メッシこそ怪我で不在だったものの、その穴を埋めるべく、ネイマールがハットトリックの大活躍、試合もバルサが６－１で大勝し、TAIGAも大満足のカンプノウ初観戦となりました！！！
この日は、エスパニョールスクールでのトレーニング。ここでは、２００３年生まれの体格的にTAIGAよりも大きなお兄ちゃん達と、練習を行いました。
TAIGAは、基本的な技術はあるにもかかわらず、全く新しい環境で萎縮しているのか、やや大人し過ぎるきらいがあります。持っているものを出さず、声も出さず、球際も戦わない。
ピッチの上に立ったら、遠慮と言う言葉は不要です。どれだけ自分を全力でぶつけて行くか、どれだけ自分を表現出来るか。
一週間なんて、あっという間に過ぎてしまいます。少しでも、殻を破って挑戦するんだ！TAIGA！！！
また、新たな挑戦者が、バルセロナの街にやって来ました。その名もTAIGA。大阪から来た、早生まれの２００４年生まれ、小４の若者です。
既に、週末に、育成の公式戦を観戦したり、そこに居合わせた同世代の子達とボールを蹴って遊んだTAIGA。いよいよ、今日から僅か１週間とは言え、地元のチームでの練習参加に挑戦します。この若さで、これから一人、今まで見たことも体験した事もない世界に飛び込むわけです。そこから、色んなものを見て、体感して、成長して行って欲しいと思います。
この日、練習参加したのは、バルセロナにある強豪クラブの一つ、Sant Andreuです。
同じ２００４年生まれのチームですが、TAIGAは一番小さい。スペインは、日本人と同じくらいの背格好と言う印象を持たれがちですが、それは、偶々、バルサやスペイン代表の選手が小兵なだけであって、そもそもは、スペイン人の体格は、日本人のそれよりも大柄です。
そんな中、TAIGAは、対人では無い、プレッシャーの無い中で行われた練習はそつなくこなします。が、あしかし、課題はやはり、対人系になった時。ボールポゼションのトレーニングでは、ボールを持った相手に激しくチャージしてくるスペイン人の屈強なディフェンスに、あっさりとボールを奪われるTAIGAの姿が。また、味方がボールを持っている時に、ボールを貰うためのポジショニングにも難が。。。特に、周囲の選手の体格が勝る中、小柄なTAIGAは、一つ一つのボールコントロール、ボールの置き所、体をしっかり使ってガードする所など、局面局面で的確なプレーを選択しなければ、たちまちボールを奪われてしまいます。
果たして、TAIGAは短期間で、この感覚に慣れ、少しでも適応する事が出来るのでしょうか！？
いずれにせよ、初日と言う事もあり、やや大人しい感は否めないものの、練習への取り組みは非常に良かったと思います。