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バルセロナ発
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目指せ!バルサの10番!
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【第10章】7歳から、誰もが公式戦30試合を戦える環境を!
皆さん、こんにちは。バルセロナの植松です。
今回でこのメルマガも第10章という事になりますが、第1章からここまでずっと一貫して伝えたかった事は唯一つ、
それは、公式戦の数をもっともっと増やそうと言う事です。
フットボール(サッカー)=公式戦 です。
本当に良い選手=公式戦で活躍出来る、良い仕事が出来る選手です。
そして、そういう選手になる為には、やはり公式戦の場数を踏むしか無い訳です。
ヨーロッパ内でもフットボール選手の育成環境に定評のあるスペイン。
彼等は、遅くとも7歳までには、リーグ戦に所属し、年間30試合の公式戦を戦い始めます。
そしてそれが、ユース世代まで毎年、毎年続いて行きます。
彼等は、最良の指導者である“公式戦”を毎年30試合以上戦いながら、学び、経験値を積んでいるのです。
日本とスペインの育成環境の最大の違いの一つが、公式戦の環境、すなわち“場数”だと思います。
日本が本当に「100年構想」の中で、世界のベスト10入りを目指すなら、
現日本代表監督の目指す「W杯ベスト4以上」を目指すなら、
まずは育成環境が世界レベルに追いつかなければ絵に書いた餅となってしまうでしょう。
環境とは、ざっと挙げれば“指導者”、“グラウンド”、“システム”、“周囲の選手のレベル”です。
昨今、最先端のヨーロッパや南米の指導方法、練習方法の情報が日本にも入って来て、
指導者の方達は熱心に研究しています。
ヨーロッパや南米に実際に足を運び、肌で感じ、学びに来ている指導者達も沢山います。
そうやって、日本の指導者の方達の指導レベルは着実に上がっていると思います。
しかし、幾ら良い指導者が出て来ても、システムが整っていなければもったいない話です。
幾ら良い指導を受けても、少年達がそれを実践する公式戦の舞台が少なかったら、威力半減だからです。
“グラウンド”と言うのは、天然芝や人工芝と言った、ボールを蹴る環境の事です。
スペインでは、少なくともカタルーニャ州では、土のグラウンドを見かける事の方が少なくなりました。
すなわち、ビッグクラブやリーガ1部のクラブでなくても、3部や4部のチームでも、
人工芝のグラウンドを持っており、そして、そのクラブの下部組織の少年達は、そこでボールを蹴る事が出来るのです。
しかし、「土のグラウンドを直ぐに人工芝に変えろ」と言うのは、そんな簡単な話ではないでしょう。
やはり、お金の掛かる事ですから。
がしかし、“システム”、すなわち年間30試合の公式戦を戦う環境を整えるのは、それ程難しくないと思います。
例えば、車で20〜30分、もしくは自転車で1時間の範囲に16チーム存在しないのだとしたら、
そのエリア内にある6チームで、ホーム&アウェイを2セットずつ戦えば、
それだけで各チーム20試合の公式戦を確保する事が出来ます。
最初の10試合を前期リーグ、その後のリーグ戦を後期リーグと分けて、シーズンの終わりには栄誉ある
前期と後期のそれぞれチャンピオンが戦うチャンピオンシップを設けても盛り上がるかもしれません。
前期に出遅れたチームが、後期は新たに快進撃をするかもしれません。
もしもう少しエリアを広げれば12チームが揃うのであれば、
全12チームによるホーム&アウェイの1シーズン各チーム22試合で戦うリーグ戦にしても良いですし、
6チームずつ1部と2部に分けて、上述したように、ホーム&アウェイの2セットを各カテゴリーがそれぞれ
実施しても良いでしょう。
そして、1部の6位と2部の1位が自動的に入れ替わり、また、1部の5位と2部の2位が入れ替え戦を行うのです。
これによって、どのチームも年間20試合以上が約束され、強豪チームは強豪チーム同士1部リーグで、
そうでないチームも同等レベルのチームと常に切磋琢磨して皆が20試合を戦える訳です。
そして、2部のチームは1部に上がろうという目標の下、1部のチームは2部に落ちまいと、
真剣にリーグ戦を戦って行くでしょう。
また、リーグ戦とは別に、○○市杯として、1部、2部のチームごちゃまぜにした
トーナメント戦を実施しても良いでしょう。
そして、こうした仕組みを小1の7歳の時点で整備すべきです。
世界に通用するサッカーレベルを誇る国にしたいのなら、12歳では遅過ぎます。
クラブチームがベースとなるスペインと比べ、日本には古くから学校の部活動と
リンクしたチームが伝統的に存在します。
日本では、クラブチームがまだまだ新参者的な位置付けでしょう。
それを全て壊してヨーロッパと同じにするのは不可能でしょう。
だから、組織の母体がクラブだろうと学校であろうと、それはどうでも良いのです。
要は、それらが合いまみれて、公式戦を戦えば良いのですから。
日本でもようやく、高校とクラブチームが合いまみれるプリンスリーグが整備されて来ました。
中学生年代でも、13歳リーグや14歳リーグを整備している地域もあります。
大いに結構な動向だと思います。
しかし、スペインの“7歳から”、“誰もが”、“年間30試合の公式戦”を戦える環境と比べると、
まだまだと言わざるを得ません。
一刻も早く育成年代の環境、とりわけ“システム”を世界のトップクラスに近づける事。
それこそが、日本サッカーの明るい未来に繋がるのだと思います。
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