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バルセロナ発
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目指せ!バルサの10番!
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【第3章】“サッカー”が上手いとは!?
こんにちは、バルセロナの植松です。
前章の続き、すなわち、試合で輝くスペイン人と、試合で消えてしまう日本人の話です。
そもそも、優れたサッカー選手、良いサッカー選手とは、どのような選手の事を言うのでしょう!?
リフティングを1時間落とさないで突き続ける事が出来る選手でしょうか!?
コーンを置いてのジグザグドリブルがスピードがあり、柔らかくリズミカルに出来る選手でしょうか!?
リラックスした状態でロングパスが綺麗に蹴れる選手でしょうか!?
遊びの中でエラシコやラボーナ、またぎフェイントが綺麗に出来る選手でしょうか!?
スペインでは、例え10万回のリフティングが出来たとしても、
球を突いている最中に友達が邪魔をしようとするのを「邪魔すんなよ」と言った瞬間、
もはやそれは優れたサッカー選手でないことを意味します。
すなわち、それは、「10万回リフティングが出来る」人であって、サッカーが上手い選手では無いという訳です。
サッカーは相手に邪魔をし合うスポーツです。
“邪魔の無いリフティング”は、もはやその時点で、サッカーでは無いのです。
同様に、ボールを奪いに来る敵がいない、すなわちプレッシャーの無い状況で、
いくらコーンの間を巧みにすり抜けようとも、ノープレッシャーの中で良いボールを蹴ることが出来ても、
対人のない状況で様々なフェイントを駆使出来たとしても、
それは「対人ではなく、コーンを上手くドリブル出来る」人であり、
「プレッシャーの無い状況で綺麗にコントロールされたボールを蹴れる」人であり、
そして、「相手がいない状況でエラシコやラボーナ、またぎフェイントが出来る」人であって、
サッカーが上手い選手とは言わないのです。
あくまでもこれは例え話で、極端な表現をしましたが、大体言わんとしている事をお察し頂けると思います。
【サッカー = 試合】
すなわち、サッカーが上手い選手というのは、試合で活躍出来る、試合で良い仕事が出来る選手のことを指す訳です。
もちろん、リフティングを10万回出来ないよりは出来た方が楽しいし、
ジグザグドリブルもロングキックも、エラシコもラボーナもまたぎフェイントも、
練習で上手く出来るにこしたことはありません。
だけど、もしそれが試合で使えないのだとしたら、それは練習で上手くやっているだけであって、
サッカー(= 試合)には役に立っていないのです。
前章から何度も繰り返しているように、「日本人は皆上手い」んです。
だけど、それが練習での上手さになってしまっている。
実戦で、本番で、試合の場で活躍出来る為の上手さにまで達していないのです。
日本では十分に通用していた少年達が、バルセロナに来て途端にその力を発揮出来ないというのは、その為です。
日本から来た少年達にこちらに来ての感想を聞くと、よく、
「スペインの方が激しい」
「スペインの方が全てにおいて速い」
「日本では通用するプレーが通用しない」
「対人が強ぇ〜」
「ゲームになった途端、やつら変貌する」
という言葉を耳にします。
この間来た、ある地域のトレセンに選出される程の、日本ではかなり実力があるとされる中3の若者が、
スペイン1部リーグ所属のバルセロナ市にあるプロクラブ、エスパニョールというチームの下部組織(育成チーム)の
練習に参加しました。
県トレを超え、地域トレセンに選出される程の力を持つ彼でしたが、エスパニョールの同年代の中に混じって、
自分のやりたい事を殆どやらせてもらえず、
「何も出来なかった。こんなの初めて。もうサッカーしたくない」と
最初の練習後に呟いたのが今でも印象に残っています。
もちろん、今彼は、この時の悔しさをバネに、今まで以上に強い気持ちでサッカーボールを日々追いかけています。
サッカーが上手い選手になる為には、試合で良いプレー、良い仕事が出来る選手になる為には、何が必要なのでしょうか!?
スペインにあって、日本には欠けているものとは一体何なのでしょうか!?
次章へ続く、、、
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