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バルセロナ発
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目指せ!バルサの10番!
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【第7章】リーグ戦の巧妙(その1)
皆さん、こんにちは。バルセロナの植松です。
前回は、スペインの中でも高いレベルを誇るとされるカタルーニャ州の育成年代の環境、
システムをご紹介致しました。
以前、このメルマガで、“最良の指導者は、公式戦だ”という事を書きました。
今までトレーニングして来た事を相手もこっちも真剣、必死の舞台、すなわち公式戦で発揮してこそ、
練習の成果が出せたと言える訳であり、そういう本番の舞台で力を発揮出来る選手こそ、
本当に良い選手と言える訳です。
そして、真に良い選手となる為には、公式戦で良い仕事が出来る選手になる為には、
やはり多くの公式戦を経験し、切磋琢磨して成長するしかないと思っています。
だからこそ、“最良の指導者は公式戦”と言う訳です。
幾ら、周囲に優れた指導者の方がいたとしても、どんなに良い指導を受けたとしても、
それを実践する公式戦の舞台が無かったら、もしくは少なかったら意味がありません。
優れた指導者と最良の環境、舞台、システムが整ってこそ、相乗効果として、
良い選手が育って行くのだと思います。
さて、話を戻します。
スペインでは、5歳から公式戦を30試合戦う環境があるという話をしました。
良くこちらのフットボール関係者と日本の事情について話をするのですが、皆、異口同音に
「何!?日本では真剣勝負の場が沢山増えるのは12歳(小6)からなのか!?
それは遅過ぎる!」という返答が帰って来ます。
日本では、確かに小6になるまでは、殆ど公式戦らしき公式戦は無く、
地域によって様々でしょうが、その下の世代に関しては、月に1、2試合練習試合があれば良い
というのがまだまだ実情なのではないでしょうか。
ようやく12歳になる年に大会や公式戦が増えてくる日本。
一方、スペインの少年はその頃には皆、150試合近い公式戦の経験値を有しているのです。
“そんな小さい頃の経験なんて直ぐに追いついてしまう”と思う方は是非一度、
バルセロナに来て8歳や9歳の公式戦を見てみて下さい。
彼等は驚くほどフットボールを知っています。
早いプレス。その中で要求される正確なボールコントロールやパス。的確な判断、すなわち戦術眼。
激しく行くべき場面、リズムを落とすべき場面。試合展開や流れを読む力。
相手との駆け引き、、、
彼等は毎週毎週、毎試合毎試合、着実に様々な経験を重ねる事によって、
試合で良い仕事が出来る、試合で戦えるプレーヤーへと成長しているのです。
バルセロナに来た際には、是非下部組織の公式戦を見てみて下さい。
きっと、彼等のプレーぶりに驚く事でしょう。
それは、残念ながら日本ではまだなかなか見る事の出来ない光景だと思います。
そして思うわけです。そうした、幼少の頃に培った感覚、記憶こそが、後々に大きく影響するのでは無いかと。
彼等が幼稚園の年長から小学校高学年の間に得る体験は、
何にも変え難い重要な経験値になって行くのでは無いでしょうか。
外国語の習得に関してもそうですが、日本の公式戦を戦える舞台が小6の世代で整い始めるというは、
世界の中で定評のあるスペインの育成環境から見ると、遅過ぎると言わざるを得ません。
日本から来た上手い少年が、何故こちらに来た時に試合で消えてしまうのか。
それは単に、スペインの少年達が試合になった途端に一気にギアーをチェンジし、
それに対し、経験豊かな少年達に囲まれた時、日本の少年の経験不足が露呈してしまうという事なのだと思います。
次回もまだまだ「リーグ戦の巧妙」が続きます、、、
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