開幕から4試合を1勝3敗と今ひとつ波に乗れないCornella Alevin D。特に前節はホームで終了間際まで2-1でリードしていたにもかかわらず、最後はロスタイムに逆転を許す悔やまれる敗戦。この日は試合前からお父さん、お母さん達が選手起用や戦術に関し、意見を戦わせています。
パウ父「先週の試合は最後の5分、完全に中盤を支配された。それなのに監督のハビはラインを下げるように指示していた。だけど、アレビン世代はGKが小さいから、ミドルシュートが即危険なピンチになる。結局、決勝点はミドルシュートが決まった結果だ。押し込まれていても、あそこはラインを上げて、中盤からもっと積極的にプレスを掛けさせ、FWを下げて中盤の人数を厚くしてでも、ミドルを打たせないよう、中盤を厚くすべきだった。」
アーロン母「うちの子は普段右ウイングなのに、あの時間帯に今シーズン初めてボランチをやらされた。本人もどう対処して良いか分からなかったみたい。ちょっと可哀相だったわ。」
アーロン父「父親だからこそ言いたいが、あそこは息子を下げてでも、チームにとってより良い選択をして欲しかったね。僕なら迷わずアーロンを下げていたよ。」
セノン父「ビクトルの右サイドバックは、いいねぇ。」
ビクトル父「本人はもっと前のポジションをやりたいみたいだけどね。」
パウ父「でも、監督がチームの中で最もビクトルが活きるポジションが右サイドバックと考えているんだろうね。実際にそう思うよ。彼は粘り強い守備が出来るし、良く走るし良く戦える。今や、チームに欠かせない存在になりつつあるよ。そう、バルサのアウベスみたいにね。」
UEMATSU “今日は日本の【ジュニアサッカーを応援しよう】という雑誌の取材が来ていますよ。Cornella Alevin Dの事が取り上げられるかもしれませんね。”
セノン父「何て悪いタイミングで来るんだ。俺達の負けを晒しちまうじゃないかぁ!」
UEMATSU “何故です!?”
GKアドリー父「今日の相手は強いんだよ。このリーグで3位のチームだし、おまけに相手のホームだからなぁ」
UEMATSU “そんなぁ、分かりませんぜ!”
(意外にこの人達、弱気です、、、)
そんなこんなで、リーガ第5節、Ribes vs Cornella Alevin D の対戦です。
Ribesはここまでの4試合を3勝1敗の3位に就けている好調チーム。一方のCornella Alevin Dは現在16チーム中12位です。
さて、試合キックオフ。
RYUYAは4-2-3-1の左ウイングで先発です!
試合は予想に反し、Cornella Alevin Dが押し気味にゲームを進めます。
そして前半7分。ゴール正面やや右30mの位置で掴んだフリーキックのチャンス。我等がキャプテン、巨漢の6番エリックが右足を一振り!強烈なボールは相手GKの手前でワンバウンド、そして頭を超えて、ゴーーーーール!!!
早くもCornelláが先制です!
Cornella Alevin Dの貴重な“武器”が、いきなり火を噴きました。
その後もCornelláが立て続けにゴール前でフリーキックのチャンスを掴むと、次々とエリックが多少遠くても直接ゴールを狙いに行きます。そしてなんと、その内の更に2本がRibesのゴールネットを揺らします。
エリックの前半だけで、フリーキックだけでのハットトリック達成です。まさに“大砲”、まさに“バズーカー”!!! 相手の小さいGKは成す術無しです。
その後、お互い1度ずつPKのチャンスを得、きっちり決め合います。Cornelláのキッカーはトップ下のパウでした。
さて、気になるRYUYAは、パウからのスルーパスに抜け出し、GKと一対一になるシーンがありましたが、前に出て来たGKの頭越しに狙った左足のシュートは、ゴール左に外してしまいます。実はこれが先制点のチャンスだっただけに、決めたかったところです。
その後は何度かボールに絡むものの、決定機を演出するまでには行きません。まだまだ、味方が前を向いてボールを持った時に、開いて足元でボールを要求するのか、裏に走りこんでもらうのか、その意思の疎通が上手く出来ておらず、ポジショニングも中途半端な点が目に付きます。また、味方のスローインの際、効果的な貰い方を事前に特訓したにもかかわらず、味方が投げるのを見ずに、勝手に自分一人が動いてしまい、合わないシーンが目に付きます。RYUYAの課題は、そうしたコンビネーション、味方の動きや体制、タイミング見る“配慮”の点が一つ挙げられそうです。
それでも、前半を1-4で折り返したCornelláイレブン。後半も気を抜かずに戦ってもらいたいところです。
後半もRYUYAはそのまま左ウイングの位置へ。監督から指示があったのか、キック力のあるエリックのゴールキックやロングボールが、次々とRYUYAの裏へ飛んで来ます。すると、左サイドでボールを受けたRYUYAが、代わって入っていたワントップのエンリケがRYUYAの前のスペースへ流れて来たところ、RYUYAはそこへ縦パスを出してパス&ゴー。右サイドバックと右センターバックを引きつけながらも、エンリケが内側へ走りこんだRYUYAへダイレクトで横パスを叩くと、ペナルティーエリア内に進入したRYUYAは相手ディフェンス2人の間をワンツードリブルで掻い潜り、角度の無い位置から左足でシュート!!!
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!!
見事なコンビネーションと、個人技が光った見事なゴラッソ(スーパーゴール)です!!!
喜ぶRYUYA!!!待望の、待ちに待った初ゴールだと知っているチームメイトから手荒い祝福を受けます。
これまで、なかなか上手く行かず、結果の出ていなかったRYUYAは、多少フラストレーションが溜まっていたようですが、それが一気に解き放たれた瞬間でした!
【ジュニアサッカーを応援しよう】の取材の為に駆けつけてくれたOZAWA氏も決定的瞬間を前にいち応援者としてガッツポーズ!
RYUYAはそれまでの試合で、パス&ゴー、つまり、パスを出してから再び自分がパスを受ける為の動きがあまり出来ていませんでした。聞けば、日本では小学生の時期はドリブルを重視した教えを徹底されるあまり、ボールを持った選手は基本、“自分で行く”事を求められる為、その裏返しとして、パスがなかなか回って来ないとの事。その為、パスを貰う為の動きというのが身に付いていないようです。そうした習慣が、パスを出した後の彼のレスポンスに繋がっていたのかもしれません。
その為、これまではトップにボールを当てても、それをフォローに行く動きが少なかった為、孤立したワントップの選手も選択肢が狭まり、チャンスを逸していた事が多々ありました。
そこで、この日のテーマに、“パスを出した後、再び自分が貰える位置に素早くポジションを取り、もう一度受ける動きを心掛ける”というのを挙げていました。
そして、このゴールはまさにそれが実り、エンリケからの見事な折り返しをバイタルエリアで受ける事が出来たのです。
これを機に、こうしたチャンスを試合中、何度も作れるように、パス&ゴー、ボールの呼び込み、味方との意思疎通の技術も身につけて言って欲しいと思います。
さて、試合はというと、その後、パウが2点を追加し、試合はCornelláの1-7の圧勝劇に終わりました。今シーズン、ここまでで最高の試合をしたCornelláは、これで2勝3敗。チームもRYUYAも、徐々にしっくりと来るようになって来ました。
これからが楽しみです。
最後に、試合後のRYUYAの言葉を持って、ここRibesスタジアムからお別れです。
RYUYA
「ゴールはめちゃ嬉しかった。昨日までは結構辛かったけど、これで自信になるし、もっともっとやれると思う。今日の初ゴールは、22日に7歳になった弟に捧げたい。」
by Keita Uematsu
ありがとなリュウヤ!
オレもしあいで点とってるよ。帰ってきたらなんかあげる!
投稿情報: コウヤ | 2009/10/25 15:36
りゅうや 初ゴールおめでとう! よっぽど嬉しかったのか 真夜中に電話をしたみたいだけど お母さんは寝ていました……。お父さんも非常に喜んでいて 興奮しっぱなしでした…! 最後の言葉には 感動して涙が出てしまいました。 こうやは『俺の誕生日は21日だし…』 って細かい事を 言ってましたが… 一番喜んでいたのはやはり こうやでしたよ! りゅうやがまた一段とたくましくなって、一時帰国してくる日を 楽しみにしています。そして 髪のボサつきも 直しがいがあり非常に楽しみにしています。
では アニモりゅうや!
投稿情報: お母さん | 2009/10/25 15:48
りゅうや これからコンビネーションでゴールを量産してくれ。
たまにはこうしろうにもアドバイスメールくれよ~。
お母さんは永遠の恋人りゅやの一時帰国がたのしみですね。
手放したくなるかもね。
植松さん
ブログにあることはそうなんですよ。電話でお話したとおりなんですが、小学生の低学年中学年くらいまでは、コーチも家族も自チームがボールを持ったら、「そのまま、行けー」なんですよ。パスゴーなんて頭の片隅にだれももちあわせていませんよ。まさにカルガモ親子の散歩状態でボールを持った子のうしろになかまが全員ならんでついて走るだけの状態です。
特に親は、なかまに渡してしまうと、残念がる傾向が強いですね。パスなんてコーチが教えて初めて気がつくみたいです。(イケイケで周りがよろこぶから子どももパスの必要性になかなか気づかないのかな。サッカーに気づくことが遅いです。自分対相手全員という図式が長い期間あります。)
高学年になってくると特に営利目的のチームに顕著にあらわれますが、勝って入会を増やす必要があるので縦に速くボールを蹴り込む前線にクリアサッカーです。すごく型にはめたがります。子どもたちの自由は奪われます。
大げさですが、ちょっとでも監督の「自由のない負けないサッカースタイル」からそれるプレーをすると大変みたいですよ。結構プレーのイメージの偏った子どもができてしまいそうです。
投稿情報: koshiropapa | 2009/10/26 05:40