さぁ、MASATOUが来てから、早くも一週間が経過しようとしています。
彼は現在、
月: エスパニョールカンテラ(1998年生まれのAlevinA)
火: コルネヤカンテラ(AlevinC)
水: エスパニョールカンテラ(AlevinA)
木: コルネヤカンテラ(AlevinC)
金: エスパニョールスクール
週末: コルネヤの練習試合等、非公式戦に参加
というスケジュールで臨んでいます。
そして、この日は、最初の週末、入団テストにおいて、重要な要素を占める、実戦です。
この日の相手はEuropa というバルセロナ市内にある100年以上もの歴史を持つ古豪。そのEuropaの1998年生まれの2軍に当たる、AlevinCとの対戦です。同チームは09/10シーズン、3部リーグのグループ9を10位で終えています。一方のAlevinCは、同じく3部リーグながら、グループ8で優勝を飾ったチーム。来シーズン、後輩達の為に、2部リーグの舞台を用意してあげたチームです。MASATOUはまずは2軍からトライアウトを受け、ここで際立つ選手だと判断されれば、1軍へのチャンスも得られる形となります。
技術面で類稀なる才能を持つMASATOU。逆に、その器用さである程度の事が出来てしまうと言うのが災いしてか、覇気、闘う気持ち、激しさ、そうした、フットボールにおいて、最も根幹的な要素に物足りなさを感じます。
恐らく、彼はこの2軍の中では、随一の実力を持っているでしょう。しかし、彼は、その力を、最大源発揮する術を知りません。もったいぶっている訳では無いと思いますが、傍から見ていて、非常にもどかしさを覚えるのは事実です。
そこで、この日のテーマに、いつものように!?「声」を課題として挙げました。普段、日本で声を出す習慣があまりなかったのかもしれませんが、スペインに来たら、そうは言っていられません。ピッチ上で、仲間同士、討論する程、言い合うのがスペインの常識。自己主張、自分の意思表示をしっかりと打ち出して行かなければ、周囲から認められません。
この一週間の各練習振りでは、何処か、よそ者としての遠慮さが如実に出ていました。しかし、彼は、退路を断ち、ここに居場所を掴み取りに来ている訳です。そんな悠長な事をやっている場合ではありません。
そこで、”MASATOU、AlevinCのレベルは、やっていて感じると思うけど、君にはレベルが高いとは思わないはずだ。でも、傍から見ていて、じゃぁ君がこの中で際立って目立っているかというと、そうは映らない。何故なら、君がまだまだ全力を出し切っていないからだ。1軍でやりたかったら、ここではキャプテンになるぐらいのつもりでやれ!俺がこのチームを引っ張ってやるぐらいの気持ちで、全力でやれ!そうすれば、1軍へのチャンスも掴めるはずだ。」
こうして、エウロパ vs コルネヤの練習試合は始まりました。
30分ハーフの試合で、MASATOUはベンチスタート、前半の最後の10分、後半の最初の10分、そして、後半の最後の10分の計30分間、プレーしました。現在、AlevinCにはトライアウトの選手が結構来ており、総勢27名の大所帯。監督のアレックスも、とっかえひっかえ、選手を試します。通常、1チームは18人編成。ここから9名が落とされる計算になります。
この日のMASATOUは、とにかく声が良く出ていました。それは感心する程で、それまでが別人かと思える程、意識して声を出している姿が見られました。普段、日本で出していなかったとしたら、結構、声は出ないものですが、なかなかどうして、いいじゃないですかぁ!
そして、プレーは、まだチームメイトとの息が上手く合わないものの、4-4-2の左右のハーフで試されたMASATOUは、ドリブルを武器にし、縦に突破したり、味方にしっかり繋ぐなど、きっちりと仕事をこなしていたように映りました。
もっとも、「自分の力10の内、5ぐらいしか出せなかった。」と言うように、まだまだプレー面でのパフォーマンス、積極性は物足りなさが残ります。彼は、まだまだ出来るはずです。まだ最初の一週間。されど、残りはあと3週間。一日一日を大事に、全力で、スペイン全開モードに一刻も早く突入する必要があります。
by Keita Uematsu
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