いよいよKAITOの4週間に渡るスペイン挑戦も、残りあと僅か。そして、この日は最後のカンテラでの練習となりました。
KAITO「フィジカルの強さが全然違うし、他の全ての部分でも、レベルが違い過ぎる」とカンテラの感想を率直に述べてくれたKAITO。それは、以前、彼本人が言っていたように、「カンテラが10だとしたら、普段の日本は2」という表現に、今回体感した日本とスペインとの差が実にくっきりと表れているように思います。
それ程、カンテラでのKAITOは、殆ど何もさせてもらえませんでした。同じ歳相手に、これ程までに自分の無力さを感じさせられたのは、恐らく今回が初めてだったかもしれません。エスパニョールのカンテラにスーパースターが揃っている訳ではありません。しかし、皆、非常に高いレベルでのベースをしっかりと備えています。高い技術だけでなく、質の高い個人戦術や、チーム戦術も植えつけられており、すなわち、フットボールを良く理解しているのです。
そんな中で、KAITOは見ていて辛くなるほど、もがいていました。パニくっていました。「なんだこりゃ!?これが同じ歳か!?」そんな戸惑いの中で、彼は常にプレーしていたと思います。ここまで自分のプレーが通用しないと、落ち込み、泣きたくなります。本人も多少そういう辛い気持ちもあったことでしょう。
しかし、一方で、常にひたむきに頑張る彼の姿がありました。”どうよ、カンテラ、楽しめてる!?”と聞くと、「うん!レベルが高くて、楽しい」といつも元気に応えてくれました。彼の中で、「こんなフットボールがあるのか。これが本当のフットボールか。俺がやらなきゃいけないのは、こういう事か。」と、本能が感じ取り、彼の本能が苦境を喜びとして捉えていたのかもしれません。ここに、子供の無限の力を感じずにはいられません。
KAITOには、やらなきゃいけない事、学ばなければいけない事が山ほどある事は事実。だけど、まだ10歳の少年が、自分の世界の中での立ち位置、まだまだ目指す”頂き”は更に、更に空高くにある事を体感しただけでも、とても大きい事ではなかったでしょうか。この経験を生かすも殺すも彼次第。このかけがえない機会を与えてくれた両親、家族に感謝し、日々精進する為、新たなスタートを切ってもらいたいと思います。
Animo!KAITO!!!
by Keita Uematsu
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