さぁ、2週間ぶりのスクールリーグの再会です。
この日、YUKIとKOSHIROの2人は、唯一スクールで練習参加している火曜日のチームで2試合を行います。
まずはレベル7リーグ、MAGIC DIAZの一員として、VICTOR RUIZと対戦です。この試合、何と相手チームが5人しか集まっていません。こちらは2セットが組める程の13人。それでも、試合は5人vs7人でキックオフとなります。ピッチ上で走り回るVICTOR RUIZの4選手。しかし、数的人数で圧倒的不利の為、押し込まれる時間帯が続きます。それでも7~8分は粘っていたでしょうか。しかし、最後はMAGIC DIAZのビクトルに押し込まれ、先制点を許してしまいます。すると、そこからは完全にMAGIC DIAZペース。VICTOR RUIZ陣内だけでゲームが進行する時間帯が続きます。
溜まらずVICTOR RUIZの監督がMAGIC DIAZのフアンマ監督(仮称)に交渉します。「2人貸してくれ」と。MAGIC DIAZのベンチには6人が座っています。がしかし、フアンマ監督はこれを拒否します!成績が、サラリーに反映されるのでしょうか!?VICTOR RUIZの監督は、苦笑しながら渋々戻って来ます。
試合は再開され、フアンマ監督は、KOSHIROとYUKIを同時にピッチに送り出します。すると、このチームの本来のエース、ビクトルを1トップに、中盤のサムライ少年コンビ、KOSHIROとYUKIが相手チームを圧倒します。2点目の追加点を決めると、3点目はゴール前のこぼれ球を拾ったKOSHIROが巧みに相手をかわし、最後は左足で捻じ込みます。ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール!!!
3-0。この試合、果たして何点入るのでしょうか!?
とここで、厳つい表情が特徴のフアンマ監督が、VICTOR RUIZ監督の所に歩み寄り、何やら話を始めます。すると、フアンマ監督の指示の元、ベンチに座っていたMAGIC DIAZの選手の2人が、緑色のビブスを付け、相手チームのフィールドに入って行きます。流石にフアンマ監督も、情けを掛けたようです。
さて、7人vs7人。ここからが、本当の勝負です。
しかし、この試合、サムライ少年が大爆発します。YUKIが左サイドをドリブルで突破して逆サイドに綺麗にシュートをぶち込むと、KOSHIROも負けじと右サイドで相手をかわしてシュート。MAGIC DIAZが着実に加点して行きます。
結局、KOSHIROはハットトリック、YUKIも、右サイドのKOSHIROからのファーサイドへの絶妙なクロスに飛び込んでボレーシュート!この"ゴラッソ(スーパーゴール)”が決まり、YUKIも2得点。チームは10-0で圧勝しました。
さて、喜びも束の間、ここからが2人にとって、本当の勝負が待っていました。
2試合目、レベル4リーグ。FLORESの一員として、ELOYと対戦します。ELOYはかつてTSUBASAもプレーしていたチーム。2000年生まれの集団ながら、かなり良いフットボールを展開して来ます。中でも、エースのパブロは、あのTSUBASAが認める好敵手です。
試合は、全くの互角。3-2-1のMFの位置に左右で先発出場したYUKIとKOSHIROも、緊迫した試合の中、懸命に戦います。
すると、左サイドを巧みなドリブルで突破したYUKI。角度の無い位置から放ったシュートは、僅かに逆サイド、ゴール右に外れて行きます。
一方、相手のレベルに、素早いプレーを心掛けないと通用しないと察知したのか、KOSHIROはリズム良くボールを叩き、再びボールを受けるといったシンプルなプレーの連続で、攻撃を組み立てます。
お互いに何度かゴールチャンスを掴むものの、息を呑む攻防戦は、なかなか均衡が崩れません。
すると、前半途中でサムライコンビが一度引き込む事になります。この試合も12人のメンバーを抱えるフアンマ監督。スクールだけに、機会均等法を適用する必要があります。
すると、FLORESゴール正面やや右の位置でフリーキックを奪われ、これをエースのパブロが叩き込み、ELOYが先制点を上げます。
後半、再び登場したサムライ少年コンビ。やはり、この2人が入ると、ゴールの可能性を感じます。そんな中、攻勢に出るFLORESは、センターバックのサムが豪快なミドルシュートを叩き込み、遂にFLORESが同点に追いつきます。
すると、ここでYUKIが相手陣内中央でボールを受けると、前線に走るFWのルイスと右サイドのKOSHIROをちらりと見ます。しかし、2人にはきっちりマークが付いている。すると、ドリブルで左サイドに、外に持ち出すようにしてドリブルを開始すると、スピードで相手のマークを外し、左サイドバックのアタックも巧みなフェイントでかわしたYUKIがGKと1対1に。しかし、シュートは相手GKの足に当たって防がれ、勝ち越し点を奪う事が出来ませんでした。シュートまで持ち込んだスピードと巧みなドリブルは、今スクールリーグ随一のプレーでした。あれで決まっていればスーパーゴール。本人も試合後に、「ループでGKの上を狙っておけば良かった」と悔やんだように、あそこで、きっちり決められる選手になりたいところです。
一方、右サイドのKOSHIROは、中へ中へ入って来てしまい、センターフォワードと重なり、攻めるスペースを消してしまいます。それでも、狭い密集地帯でボールをなんとか捌こうとするも、なかなか効果的なプレーを繰り出す事が出来ません。それでも、ドリブルで強引に突破を図り、絶好のチャンスでフリーキックを得たシーンがありましたが、蹴りたそうなKOSHIROの願いも空しく、味方のエクトールがシュートを放ちますが、クロスバーを越えてしまいます。
一進一退の攻防。白熱するせめぎ合い。「この試合に勝ちたい!」2人は、そう感じながら戦っていた事でしょう。しかしながら、残念ながら、機会均等法の時間がやって来てしまいます。残念そうにベンチに退く2人。
すると、再びフリーキックのチャンスを奪われたFLORESが、ここでもパブロに苦渋を舐めさせられる形となります。
結局、試合はパブロの2発で1-2とELOYが勝利。手に汗握る攻防戦は、悔しい、悔しい敗戦となりました。
いつものように、スーパー負けず嫌いのKOSHIROが泣き崩れます。
すると、そこに、ダニ監督がやってきます。ダニ監督。そう、KOSHIROがコルネヤの練習に行くようになるその前、金曜日のエスパニョールスクールの監督だったダニエルです。彼は短期間の内にKOSHIROをチームの大黒柱に据え、起用してくれた監督です。ダニ「KOSHIRO、どうした!?何故泣いているんだ!?負けたのか!?もう今日は終わりだったら、これから俺達の試合があるんだが、お前も出るか!?」
なんと、ここ数週間は練習に出ていないのに、出場依頼のオファーです。
泣き顔を微妙にニヤリとさせ、「出る」と小声で呟いたKOSHIRO。
と言うわけで、急遽KOSHIROの第3試合の始まりです。
レベルは2、先々週、KOSHIROの活躍もあり、レベル3で優勝したSABATERの一員として、VICENTEと対戦です。
そしてなんと、KOSHIROは3-2-1の右ハーフとして、先発出場です!!!
相手チームには、KOSHIROの顔が相手の胸の位置に来るほどの巨漢が2~3人います。1997~98年生まれ、KOSHIROにとっては2~3歳上のチームという訳です。
フィジカルでは圧倒的に適わないKOSHIRO。しかし、臆する事無く、相手に立ち向かって行きます。しかし、相手のリーチが長いだけに、いつものようなプレーでは相手の守備網に引っ掛かってしまいます。それでも、巧みなボールコントロールとパスを繰り出し、徐々に中盤で存在感を示して行きます。これこそ、ダニ監督が求めていた部分でしょう。
しかし、試合は体格に勝るVICENTEが、立て続けに2ゴールを決め、早くも苦しい展開になってしまいます。
中盤でボールを受けるKOSHIROは、巨漢の体当たりをかわし切れず、痛むシーンも。しかしこれはフリーキックのチャンス。がしかし、痛んだ様子のKOSHIROには、ダニ監督はキックをさせず、味方が蹴る事に。しかしこの味方が何を思ったから、直接狙わずにゴール前へパス。これが全く味方同士感じ合っておらず、あっさりとチャンスをふいにしてしまいました。う~ん、もったいない!
後半が始まっても、KOSHIROは依然、ピッチの中央に君臨し続けます。
すると、SABATERは徐々に勢いを盛り返し、VICENTE陣内に攻め込んで行きます。
そして、コーナーキックからのこぼれ球をSABATERのアリエテがシュート。これが見事に決まり、1-2と1点差に詰め寄ります。KOSHIROも、ゴールの中からボールを急いで持って帰ろうと必死です。
更に押せ押せのSABATER。今度は、ブライアンがミドルシュートを決め、何と!遂にSABATERが同点に追いつきます。
この日は20度を超える日差しの中、3連戦となったKOSHIROは流石に疲れの色を出し始めます。肉弾戦。普段は使ってない部分の筋力を要求されているかもしれません。それでも、コーナーキックでのポジション獲りの競り合いでは、遥かに背のでかい相手を睨み付けて手を払い退けるなど、闘っています!
すると、ゴール前の混戦でボールを持ったKOSHIROが、シュートを打つと見せかけて相手をかわし、飛び込んで来たもう一人もかわして、飛び出してくるGKを尻目に左足でシュート!!!
がしかし、これは惜しくもゴール右のポストに当たり、外れてしまいます。
芝生を手で叩いて悔しがるKOSHIRO。
そして、無情にも試合終了の笛。試合は2-2のドローで終わりました。
まるで負けたように泣き崩れるKOSHIRO。そう、「自分があの時決めていれば」 そんな悔しさから込み上げて来た涙なのです。
拮抗した、白熱のバトルで勝ち切れなかったサムライ少年達。こういう、鬼気迫る闘いを制してこそ、君達は強くなる。
by Keita Uematsu
CRY BOY2世がんばれ。
悲しいときに泣けるくらい自然体で自分の感情を表現しながらフットボルができる君は大物だよ。
どの試合も勝たせることのできなかった自分のプレーに悔しさをぶつけろ。
勝たせることがおまえの仕事であり、それがおまえの喜びだということは間違いない。
その悔しさを持って前に進め。
投稿情報: koshiro papa | 2010/05/09 16:05
tt
エスパニョールのコーチや仲間たちへ
ごめんね。嵐を呼ぶ男をフォローしてくれてありがとう。
今度は試合での勝利に向けて旋風をおこせるよう。がんばると思うから期待してちょうだい。
投稿情報: koshiro papa | 2010/05/09 16:07