さぁ、今日はコルネヤのトレーニングです。日曜日の夜から、バルセロナでは珍しく、梅雨のような、四六時中降り続ける雨に祟られ、少々気分も滅入りがち。眩しい太陽の光が似合うバルセロニスタ達にとっては、ちょっと辛い数日となりました。
KOSHIROとYUKIは、月曜日のエスパニョールカンテラが休みだった為、KAITOとRYUYAが雨の中で参加したAlevinBを見学しましたが、あまりにも寒さに、途中で車の中に避難していました。
そして昨日はスクールの練習。
そして、ようやく水曜日の午後から、久々の陽光が地上に差し込んで来ました。
2人は緑のコルネヤのトレーニングウェアーに身を包み、僅か1時間の練習に集中して臨みます。
動きながらのパスでウォーミングアップを行った後、障害物をドリブルしながらこなし、最後はシュートで終わるフィジカル・サーキットトレーニングを実行します。
その後は、同じ障害物をこなした後、1対1からのシュート練習。
更には、パスワークからのシュート練習。
最後は、フリーキックの練習。
この日は、シュート練習がメインテーマだった様です。
いずれの練習にも、集中して、きびきびとした様子で臨む2人。
練習前に、”外国人である君達が戦力として仲間に加えてもらう為には、このBenjaminCの中で3番以内の選手にならなくちゃいけない。” という発破も、彼等の意識の中にようやく芽生えて来たようです。
YUKIは、得意の左足からビシバシとシュートを決め、BenjaminCの中では1、2を争う球筋の良いシュートを放っていました。
一方、キック力、パンチ力に難のあるKOSHIROはなかなかビシッというシュートを放つ事が出来ません。それでも、パワーが無いなりに、ふわりとした弾道ながらも、コースを巧みに突く工夫を見せていました。
さて、表題にも書いた【それぞれの個性】というテーマに関して、少々ここで触れたいと思います。
この週末、実は土日いずれも、少年達の希望により、ビーチに行きました。ここ数日の雨模様が信じられないくらい、土日はすっかんぴーの夏模様だったからです。
そこでは、ビーチでの遊びの他、ビーチの奥にある天然芝の森の中で、生い茂る木をゴールにして森サッカーをやりました。また、公園では、ボールを蹴るのと同時に、罰ゲームでダッシュを沢山しました。ところが、このダッシュが盛り上がりに盛り上がり、最後は皆が皆この罰ゲームをやりたがる始末。そこで発覚したのは、1999年生まれのRYUYA、KAITOを押しのけて、短距離では2000年生まれのYUKIが勝利を収めたという事実です。RYUYAもKAITOもそれなりにスピードには自信がある。しかし、何度走っても、好タイムを出したのは、そして一緒に競った時に、走り勝ったのはYUKIだったのです。
この1999年生まれの2人に勝ったということは、なかなかの誇れるスピードということになります。問題は、今日のこの日まで、そこまで速いという印象がなかったという事です。エスパニョールのカンテラでは、セルヒオが抜群のスピードを発揮していますが、それに比べ、YUKIはプレーの中で、その自分の持ち味を発揮し切れていないという事が言えます。
ここまで良い”武器”があるのなら、それを活かさない手はありません。今後は、如何にこの武器を活かすプレースタイルを身に付けるか。そこにも焦点が置かれる事になりそうです。
ちなみに、勝負に負けたRYUYAは、靴の紐を十分に結んでいなかったようで、「靴が脱げそうだった。俺、短距離で負けたの初めて。また、勝負したい。」とリベンジを誓っていた事は、言うまでもありません。
さて、一方、「俺、スピード無いし」と常日頃口にしているKOSHIRO。しかし、彼がその”持ち味”を発揮したのは、公園でのミニゲームであり、ビーチの森でのナチュラルサッカーでした。「KOSHIROと組むと勝つ」。そんなジンクスが生まれつつあります。とにかく、ミニゲームでの”勝ちたい度オーラ”はナンバー1。そして、やる気ばりばりに挑む姿勢は、他を圧倒します。足元の技術に自信のあるKOSHIROは、キープ力があり、相手の逆、逆を突いてボールを運ぶのが得意。局地戦になると、最も力を発揮する男。それがKOSHIROです。結局、公園でのミニゲームにしろ、森のナチュラルサッカーにしろ、勝利チームの中には、常にKOSHIROの姿がありました。
確かに、走力としてのスピードはそれ程でも無いかもしれませんが、判断のスピード、瞬間的な選択力、そして、しっかりとした足元の技術は、彼がこの先、成長していく上での武器であり、生命線だと思います。バルサのチャビだって、恐らくダッシュしても、それ程速い選手では無いでしょう。しかし、彼は、あの絶大なるキープ力、状況判断力、局面をパスやボールコントロールで打開する力。そういう突出した武器を最大源に活かし、チームに還元しているからこそ、あれ程の一流プレーヤーになっているのでしょう。
誰にもそれぞれ、個性があります。それを最大源に活かし、その分野では絶対に負けないと言う、自信ある武器とすることが、良い選手、試合で活躍する選手になる為の、重要な要素だと思います。
by Keita Uematsu
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