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バルセロナ発
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目指せ!バルサの10番!
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【第14章】日本人はシュートが下手
皆さん、こんにちは。バルセロナの植松です。
すっかりご無沙汰してしまっていたこのコーナー。
今まで感じていた事の中で、改めて認識した事を、久しぶりに書いてみようと思いました。
今回のテーマはずばり!“日本人はシュートが下手” です。
「決定力不足解消が日本の課題」と言う表現は、久しく前から言われ続け、そして、今も尚、
言われ続けています。
何も、決定力不足は日本だけの問題では無いと思いますが、とりわけ、日本もその部類に
しっかりと入ってしまっています。
その一因となっているのが”FWの質”となる訳ですが、ずばり言ってしまえば、日本人の
シュートの技術がまだまだ下手くそなんだと思います。
かつてのワールドカップで日本のエースを務めた某選手が、ゴール前での決定的なシーン
を外し、試合後、「急にボールが来た。。。」とコメントした事は記憶に新しいかと思います。
ゴール前で、いつ何時、どんなボールが飛び込んでこようと、ゴールへねじ込むのが仕事の
FWが、このような発言をしてしまう。
このような発言をするFWを日本代表のエースとしなければならない日本の台所事情。
それが、謙虚に日本のFWのレベルを象徴しているのだと思います。
実際、日本から、多くの少年達が海を渡り、バルセロナへサッカー留学に来ていますが、
彼らのシュート力が、スペイン人を驚かす事は殆どありません。
何故、スペイン人の少年や若者のシュート力があるのか!?
何故、日本人のシュートが下手なのか!?
そこには、いくつかの理由があると思います。
【シュート練習の質】
こちらのシュート練習で、特にゴールデンエイジやその前の段階の世代で良く見られる
メニューが、ゴールの4隅にボール一個分大のリングを設定し、シュート練習でそこを通す
事が最もポイントの高いシュートだとして、ゴール隅を狙わせる練習です。
当然、こうした練習は日本でもやっているとは思いますが、こっちは、とにかく”ゴール隅”
を強く意識させ、普段からの練習に反映させています。
そこでは、枠を外すのは論外として、ゴール正面のゴールキーパーの守備範囲に蹴って
しまう事も、シュートミスと言わんばかりの扱いを受けてしまうのです。
また、実際、試合中に打つシュートと言うのは、敵が懸命に守ろうとするプレッシャーの中で
繰り出されるものです。であれば当然、練習でも、試合を想定したシチュエーションの中で、
シュート練習が行われなければなりません。
ノープレッシャーやGK無しのシュート練習は、少なくとも試合ではあり得ない状況での
シュート練習は、もはや意味はありません。
必ずしも味方から絶妙なパスが来る訳では無い、そして、ボールの置き所を誤れば
一瞬にして襲ってくる敵に奪われてしまう。GKも構えている。
そうしたプレッシャー、スピード感、状況の中で、如何にゴールネットを揺らすか。
そうした練習の質を追求し、試合で活きるシュート力を養おうとしているかの厳しさに
その差が表れてしまっているのかもしれません。
【GKのレベル】
スペインでは、ジュニアの低学年から、GKはみっちりと専用のトレーニングを受け始めます。
日本でも、Jリーグの下部組織では当然やっているとは思いますが、日本サッカー界全体
で見たら、GKトレーニングはまだまだ十分とは言えないのでは無いでしょうか!?
スペインでは、2年前から”土のグラウンドが禁止”となり、全てのクラブチームが人工芝の
グラウンドを持つようになりました。
必然的に、プレー中スライディングが増え、そして、キーパーの横っ飛びのセービングが増えます。
そして、幼少からそうした環境で揉まれているGKは、当然ながら上手い。
上手いゴールキーパーは、簡単にゴールを割らせてくれません。当然、シューター側は、
対峙するゴールキーパーの牙城を破らなければならない。
どこに打ち込めば入るのか。どうやってタイミングをずらそうか。上か、下か。
強襲か、ループか。隅か、股か。
ボールを蹴る最後の瞬間の瞬間までゴールキーパーの動きを見極め、打ち込む。
こうして、スペインの少年達は、しっかりと鍛えられたGKを相手に、そこを何とか掻い潜ろうと、
懸命にシュート力を磨いているのです。そして、GKもそれに応じて磨かれる。
何処に行っても存在する人工芝の恵まれた環境の中で、
今日もシューターとGKが凌ぎを削り合っています。
【メンタリティー】
上述の2点以外にもう一つ、これも大きな要素だと思うのですが、メンタリティーと言う
問題もあると思います。
ようは、「俺が決めてやる」と言う、強いメンタリティーを持った選手、FWが、
日本ではなかなか生まれていないような気がします。
印象として、ゴール前の自分が打てるシーンで、パスを選ぶ選手が多い。
明らかにフリーの味方への、よりゴールの確立が高くなるパスなら賞賛しますが、
自分が打っても、味方に預けてもフィフティー・フィフティーか、それ以下なのにもかかわらず、
パスを選択してしまう。
そういうがっかりするようなシーンを多く見せてくれるのが、日本人プレーヤーだと思います。
闇雲にゴール前で突っ込んで取られる事を奨励するつもりは毛頭無いですが、
もっとチャレンジしないと、ゴールなんて掴み取れないし、頼れるFWなんて生まれて来ない。
時折、日本人のプレーを見ていても、”ゴールキーパーをパスワークでかわすまでシュートを
打たないんじゃないか”と思わせるようなシーンを多々見受けるのですが、サッカーとは、
ゴールを奪い合うスポーツ。そのゴールは、センターサークルからのシュートだって、
自陣からのシュートだっていいんです。
”ゴールが少しでも見えたら、イメージ出来たら、自分が打つ!自分で行く!”
そういうメンタリティーを持った攻撃の選手がもっともっと増えなければ、
そういう選手が育つ風土を育成環境が醸成しなければ、
今後、日本からは永遠に世界的なストライカーは生まれないでしょう。
日本人の少年も狭いこーとで「カンポカンポ」して興奮しましょう。ただゴールをねらうだけの遊び。でもそれがフットボールの最終目的であり一番歓喜をあじあう瞬間。これして育てば自然とサングレにゴールへの執念と技術がみにつきますよ。まずはゴールだけ目的にアドレナリンだしてたのしむこと。日本人のちょこまかテクニシャンの息子をみて「すごい選手」とほめる感覚をかえていこう。カンポカンポユーロ選手権をヨーロッパは毎年開催しています(うそ)
投稿情報: koshiropapa | 2012/01/25 15:27