この日は、通常はエスパニョールカンテラの練習が行われるところですが、今回はオフ。その代り、来シーズンのプレベンハミン(U8)入りを目指す2006年生まれの子達の入団テストが行われ、TOMOとYUTAはそこで行われる試合に混ぜてもらえることになりました。
プレベンハミン(U8)は、エスパニョールがカンテラ(育成下部組織)として選抜チームを作る最年少の学年で、試合は、エスパニョールスクールの選抜チーム vs 外のクラブからスカウティングで呼ばれた寄せ集めチームと言う形で行われ、TOMOとYUTAは後者のチームに混ざってプレーしました。
寄せ集めチームは、2006年生まれの為、まだ6歳の子もおり、まだまだ荒削り。一方、エスパニョールスクール選抜メンバーも、カンテラ入りを目指す2006年生まれの選ばれしメンバーで、普段から時折一緒にやっている分、一日の長があり、試合を優勢に進めます。
寄せ集めメンバーの中では、全員とは言えませんが、何人か、スピードがあるとか、強いとか、技術にいいものを持っているとか、何かしらの武器を持った子が、際立ちを見せていました。
そして、それ以上にほぼ全員に言える事は、皆“勇敢”であると言う事。球際だったり、空中戦だったり、ボディーコンタクトプレーに対し、恐れずにぶつかって行く。この国で良い選手として認められる上で、ベースのベース、基本中の基本的な要素として、“闘える”戦士である事が、重要なのだと言う事を、この6~7歳の攻防を見て、改めて感じさせられました。
そんな中で、この試合で最も目立っていた一人が、YUTAです!
2005年生まれの彼は、1歳年上。しかも、エスパニョールの正式メンバーでも無い連中の中で、負ける訳には行きません。YUTAとTOMOは7人制フットボールの1-2-3-1の2バックを2人で担当したのですが、本来のポジションでは無いとは言え、相手の攻撃を止め、するするとドリブルで駆け上がり、味方にラストパスを供給するベッケンバウアーのような働きを終始見せ、目立っていました。
一方のTOMONARIは、相手のスピードにやられ、突破を許すシーンが何度かあったものの、同じく意地を見せ、徐々に試合の中で、良い仕事をするようになって行きます。圧巻は、自陣での球際の攻防に競り勝ち、前線の味方へ絶妙なスルーパス。これを受けた味方が中央に折り返し、1トップの子がゴールを決めます。TOMOの踏ん張りから、見事なゴールが生まれたシーンでした。
今回の入団テストで分かった事は、このプレベンハミン(U8)と言うカンテラの初年度(入口)は、日本人少年でも十分にチャンスがあると言う事。学年が上がれば上がる程、敷居は高くなる中で、まだまだ荒削りのこの段階では、何か際立った武器を持つ少年であり、尚且つ勇敢な少年であれば、エスパニョールカンテラ入りの実現は、十分に可能だと言う事です。
この試合で最も目立っていた一人、YUTAは、もし2006年生まれであれば、間違いなく、クラブからオファーが来たでしょう。
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