いよいよバルサキャンプ2014も最終日を迎える形となりました。そして、この日は2度目の練習解放日となり、息子と共に世界各国からバルセロナに休暇に来ている親達が大勢、熱視線を浴びせる中、トレーニングは行われました。
広大なJOAN GAMPERスポーツタウンで行われた練習は、10時にスタートしました。最初の25分間は定番のロンド(鳥かご)や集団リフティング、また、ボールを使ったウォーミングアップが行われました。この日も暑い日差しが照りつける30度を超える真夏日の中行われた為、15〜20分毎の練習メニュー毎に、給水タイムが設けられます。そして、一息入れたら、しっかりと集中して、時には試合さながらの強度を追求しながら、トレーニングは進んで行きます。
続いて行われたのは、ボールポゼッション。青ビブス、緑ビブス、ビブス無しの3チームに分かれ、いずれか1チームがディフェンスとなり、他の2チームがボールを保持し合います。そして、ボールを失うプレーをした選手とそのチームメイトが攻から守へ瞬時に切り替え、ディフェンスとなってボールを激しく、厳しく追い、ボールを奪う事が要求されていました。バルサのトレーニングの殆どの時間を費やすと言われるボールポゼッション。この日も、最初は静止した状況で攻撃側は如何に動いて相手のマークを外してボールを受けるか、如何に味方の空けたスペースを使うか、一方、ディフェンス側は如何にして数的に少ない中、プレスをはめ込んで行くかの動きを確認し、徐々に動きながらそれを実践し、最後はフリーな状況で行う形で、およそ40分間トレーニングは続きました。
そして、締めくくりはゲーム。11:10から11:55までの45分間を使い、20分ハーフのミニゲームが行われました。前回と同様、大人のピッチの約3分の1のコートで9対9のゲームを行いました。対戦相手はこれまた、1歳年上の97年生チームです。
TAIGAはアンカーの位置に入りプレーしますが、序盤はあまり精力的な動きが見られません。特筆すべきプレーが無いまま、前半は0−1でリードされる展開でハーフタイムを迎えます。続く後半、直ぐさま0−2とリードを広げられると、この辺りからようやく、TAIGAは存在感を示し始めます。特に、距離の長いロングパスを相手ディフェンスの裏へ送り込み、走り込む味方にピタリと供給して行きます。が、なかなか味方がそのチャンスをものに出来ません。
ボールポゼッションのトレーニングでは、しっかりとした技術とアイデアで際立ったプレーぶりを見せていたTAIGA。ミスの数も少なく、パスワークでは非常に安定したプレーぶりを披露します。そして、繰り出すパスも、シチュエーションに応じて的確な、そしてベストな選択肢を発見し、実行する事が出来ます。一方、物足りなく映るのが、強さ、激しさ、アグレッチブさ。体がより大きく、強い相手と対峙した時に、小柄なTAIGAは当然ながら、強さ、パワー、高さでは対等に勝負は出来ません。それだけに、持ち前の技術、テクニック、俊敏性、更には、インテリジェンス、足の長い外国人を想定した細かなボールの置き所等、太刀打ち出来る武器をフルに稼働させ、自分らしいプレーを研ぎ澄ませて行く事が、今後の生命線となるでしょう。
試合中でも、そうした良さと、そして懸念材料がそれぞれ見え隠れした形となりました。
試合は、0−2でそのまま98年生チームは敗れる結果となりました。
今回の練習で印象に残ったのは、TAIGAが終止、仲間と楽しそうに取り組んでいた事でした。1週間前よりも更に時間を経た事によって、言葉の壁はありながらも、共にフットボールが大好きな仲間として、共に暑い中、汗を流し、トレーニングをやり遂げて来た同士として、友情が芽生えているようでした。
この日の午後には今キャンプの最後のトレーニングを残しながらも、この午前の練習後には、父兄達の前で、キャンプ終了表彰式が行われました。そこでは、一緒にトレーニングした仲間を記念撮影をしたり、キャンプ修了証書が送られたりなど、和やかな雰囲気でセレモニーは行われていました。
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