週末が終わり、この日は午前中、ビジャレアルのプロコーチによるクリニックを受けました。ここ数日は生憎の雨模様。この日は、当初予定していたビジャレアルの総合練習場が水浸しになった影響で、隣町カステジョンのグラウンドを急遽レンタルし、バスを駆り出して移動する事になりました。
クリニックは、ビジャレアルの3軍、ビジャレアルCのコーチを務めるギジェルモが担当してくれました。ギジェルモはグアルディオラ時代、バルサでカンテラ(下部組織)の指導を4年経験した人物で、フットボール大国スペインのここ10年の躍進の現場を知る人物です。
この日のテーマは、“前から相手がプレスを掛けて来た際、如何にしてそれをかいくぐるか”でした。降りしきる雨の中、クリニックは当初の1時間半をゆうに超える白熱ぶりで、選手達は、如何にして相手のプレッシャー網をかいくぐるかのヒントを学びました。
午後はバスで1時間走り、バレンシア近郊のトマト祭りで有名な村ブニョルへ移動。そこにある今回の対戦相手、名門レバンテの総合練習場へ向かいました。
肌寒い雨がパラパラと落ちる中、作陽のAチームが17:20キックオフで、レバンテのユースB(ユースリーグ2部所属)と対戦しました。
試合は多くの時間帯でレバンテがボールを支配するも、局面局面を粘り強く対応する作陽も奮闘。守る時間帯が多かったものの、テーマである戦い、球際の攻防もまずまずの及第点。何度か危ないシーンがあったものの、相手の拙攻にも助けられ、前半は0−0で折り返します。
後半も同じように戦いたかったものの、普段から、もっと言えば、小さい頃から、日本では味わえないような相手の激しく、速いプレスの中で揉まれて来ているスペイン人チームは、作陽のプレスを全くと言っていい程圧力と感じていない様子。一方、レバンテの激しくスピーディーなプレスに対し、慌て、イージーなミスを繰り返し、的確なプレー選択に難を露呈する作陽。その差が、ゴールの差となって表れます。作陽のちょっとしたミスを、着実にものにしてくるレバンテ。相手の前線からのプレスに耐え切れず、作陽は、下げたボールを相手に奪われ、もしくは自らのミスによって相手にボールを献上し、失点。彼らの強さ、上手さ、スピード感に徐々に押し込まれて行った作陽は、立て続けに連続失点。終わってみれば、0−5で完敗という結果に終わりました。攻撃面では、作陽がまともに枠内に飛ばしたシュートは僅かに1本。それも、相手GKを脅かすものではありませんでした。打てるところでバックパス、勝負すべきところで、“逃げの”パスを繰り出す選手達。相手ディフェンス陣を全く怖がらせる事が出来ませんでした。“ゴールが見えたら半身でも、強引にでも、ボールをゴールにぶち込む”。そんな、世界では当たり前のセオリーを、日本人はもう一度、幼少期から取り組まなければいけないのかもしれません。
しかし、失点から崩れて行った後半はさて置き、粘り強く、集中力高く戦い、0−0で折り返した前半の戦いぶりは、作陽イレブンに、かすかな手応えと自信も、もたらしてくれたと言う事も、付け加えておきましょう。
コメント