依然、雨雲は立ちこめているものの、昨夜の大雨が嘘のような静けさの中、午前中はビジャレアルの総合練習場にて、2度目のクリニック。昨日に引き続き、GuillermoコーチとAlex、Carlosの両アシスタントコーチの3人下、この日は“引いた相手を如何に攻略するか”というテーマでトレーニングを行いました。
6人組を3グループとフリーマンが2人の20人のフィールドプレーヤーと、半分のフィールドの両側にゴールとGKを置いて、20m四方のやや狭いスペースの中で、6人がディフェンス、別のチームは中に入ってボールポゼッション、フリーマンや四方の外側を囲む他のチームも味方として使えます。実質14人対6人でのポゼッションで、ボール保持側は四方のスペースの中で、10回パスを通したら、左右どちらのゴールを狙っても良いというルール。ディフェンス側は奪ったら、直に左右どちらでもゴールを狙える。一方、攻撃側は奪われたボールを奪い返したら、また10回パスを通すまで攻撃出来ない。この間、6人のディフェンスは2分間、100%でボールを追い回す。
この練習では、昨日のテーマであった、相手のギャップのスペースを見つけ、背後を取って受ける。密集して来たら逆サイドに展開し、相手のプレスをかわすと行った意図、また、狙いたいサイドの伏線として、逆サイドや中央に一旦ボールを入れて、相手を密集させ、素早く狙いたいサイドにボールを展開するといった狙いで、トレーニングは行われました。
その後は、引き続きハーフコートで、1(GK)−4(DF)−2(MF)の陣形で自陣に引く相手に対し、サイドや中央から、如何に相手を攻略するかの崩しを数パターン確認し、実際にゲーム形式でトレーニングしました。
そして最後は、4分の3のコートでゲーム。ここでも、昨日と今日のテーマを意識しながら、ゲームは実行されました。攻守の切り替えの速さではGuillermoコーチに褒められていたものの、逆になかなかシュートまで持って行けない、もしくは打てる所で打たない点を課題として上げていました。
最後は全員でクリニックのスタッフ達と記念写真、また、クリニックの修了証書も渡されました。
昼食後、午後は今回のハイライトとも言える、ビジャレアルとの親善試合です。
まずは作陽のAチームが、ユースの1部リーグを戦うVillarrealの2年生チーム(登録名はRoda)との対戦です。
スピード、技術、パワー、どれを取っても明らかに相手が上。序盤から、完全にビジャレアルがボールを支配し、作陽陣内に攻め込みます。ビジャレアルはスピーディーなパス回しで作陽のブロックを揺さぶり、楽々サイドチェンジで作陽の選手達を走らせます。パスだけで無く、前にスペースがあると見るや、センターバックでも前にドリブルで突っ掛け、作陽の選手を十分に引きつけては、空いている選手に展開し、作陽の陣形を崩そうとします。
そんな中、右サイドからカットインしたビジャレアルの右ウイングの選手が逆サイド斜めにスルーパスを通そうとしたボールを作陽ディフェンダーがクリアー、と思いきや、キックミスしたボールは逆に作陽ゴールの方に転がってしまいます。それを逆サイドから詰めて来た選手に押し込まれ、前半22分に先制点を献上してしまいます。
更には、右からのコーナーキックが作陽ゴール前に転げ落ち、これをビジャレアルの選手にいち早く反応されてしまい、瞬く間に0−2にされてしまいます。
しかし、ここから作陽も反撃。徐々にビジャレアルのスピードに慣れて来た作陽は、ワンタッチの小気味良いパスワークを繰り出し始め、ボールを保持するようになって来ます。
すると、右ウイングの14番 八田壮一郎がドリブルで中に侵入し、シュート。これは中3でスペイン代表にも選ばれているというビジャレアルのGKに弾かれるも、これを17番 正崎幸希がきっちりと詰めてゴーーーーーーール!!! 強敵相手に、見事なゴールを叩き込みます。
1−2で折り返した後半は、お互いにやや膠着した状態がずっと続きます。互いにリズムが落ち、両者共になかなか決定機を掴む事が出来ません。それでも、基本的にはビジャレアルが試合を優勢に進め、作陽に攻撃の糸口を与えません。
終盤、ビハインドの作陽は、最後の力を振り絞り、前からプレスを掛けようとするも、逆にガラリと空いた作陽陣地のスペースを突かれ、3失点目。相手の出方を見て、しっかりとその弱点を突く強かさを示したビジャレアルが、3−1で作陽を破る結果となりました。
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