一方、作陽Aは、別会場にてBadalona ユースB(1997年生まれ中心のチーム)と対戦。ここ2戦はLevante戦、Villarreal戦でベストメンバー中心で戦って来た為、この日の先発はそれまで出場時間が少なかったメンバーを中心に臨みます。1歳年上のチームと言う事もあり、体格に勝るBadalonaは、トップ下で攻撃の起点となる6番や、サイドにスピードのある選手を中心に攻め込んで来ます。
フットボール人口の割合が多く、選手層の厚いスペインのチームは、3部でも4部でも、手強い相手である事に変わりありません。一番下の5部であっても、“戦う”という事に関しては、常識中の常識で、簡単な相手は存在しません。それに対し、日本のチームは、この“戦う”レベルが低い、低過ぎる!スペイン人が当たり前のように持っている“ファイティングスピリッツ”を、日本人選手は、足りないか、もしくは持っていない、持っていなさ過ぎる選手が多い。これが、日本のチームの最大の弱点です。いくら技術、戦術があっても、戦えない選手がピッチに立っていては、全く意味をなしません。戦える集団である事がベースのベースで、その上に、技術、戦術、あるいはスピードやパワーと言ったフィジカルが特色となり、チームの武器となります。何故か、日本では、この基本中の基本、“ファイティングスピリッツ”がなおざりにされています。フットボール(サッカー)と言うスポーツは、華やかで華麗である前に、野蛮なバトルであると言う事を、日本の育成年代から浸透させていかなければ、永遠に世界のトップレベルに追いつく事は無いでしょう。スペインでは、7歳前から、“ファイティングスピリッツ”溢れる空間でフットボールを始め、なによりも勇敢である事が求められ、荒々しい相手ディフェンス相手に技術を磨き、チーム戦術を切れ味鋭いものに磨き上げます。
今回の作陽のチームは、日本では平均以上にハードワークし、戦っている方かもしれません。それでも、スペイン(世界)レベルでは、緩い。それが現実です。もっともっとアグレッシブな守備の文化を構築し、そしてそれに対峙するオフェンスは切磋琢磨して攻撃力を磨く。その相乗効果の積み重ねでしか、レベルアップは臨めません。日本の弱点。それが、“ファイティングスピリッツ”。それに基づくアグレッシブな守備。球際。激しいボディーコンタクト。粘り強いハードワーク。そうしたものをもっと強く追及していかなければ、世界をギャフンと言わせる日本の姿を見るのは、永遠に無い気がします。
さて、前置きが長くなりましたが、前半はスピードを生かしたサイドからの鋭いカウンターで、Badalonaが2点を先制します。一方、意地を見せたい作陽は、後半、ゴール前の混戦から八谷心が押し込んで、1点を返す事に成功します。残り20分になったところで、三好監督はそれまで温存していたメンバー達を次々に投入、逆転を目指します。が、逆にBadalonaに1点を献上し、1−3と厳しい展開に。しかし、そこから、作陽も反撃!ボランチの13番 丸山智弘が相手陣内でボールを奪うと、1トップの10番 工藤竜平へ楔を入れ、落としたボールに抜け出した14番 八田壮一郎がGKとの1対1を流し込み、1点差に詰め寄ります。
更にその直後、Badalonaの右サイドバックの黒人がGKにバックパス。それを察知した八田がボールをかっさらって、そのまま先ほどと同じような形でボールをゴールに流し込み、あっという間に作陽は同点に追いつきます!
更には、ゴール前の混戦から、三度、八田が至近距離からシュートを放つシーンも、これはゴール上にふかしてしまいます。詰めが甘い!!!
逆転ゴール、そして本人にとってハットトリックとなるゴールを逃した作陽。チャンスの後にピンチあり。センターバック陣の不用意な処理の間隙を突いて、先ほどの右サイドバックから前線にポジションチェンジしていた黒人がやや遠目から左足を振り抜くと、これが作陽ゴール右隅に決まってしまい、再びリードを奪われます。
そしてここで試合終了、点の取り合いは、4−3で作陽が惜しくも敗れる結果となりました。
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