大会を終え、青山SCの半分のメンバーは、4月6日の始業式に間に合わせる為、午前中に宿舎をチェックアウトして、一路バルセロナ空港へ。
「あっという間だった。」
「楽しかった。」
「勝てなかったのが悔しい!」
「まだいたい。」
「早く日本のご飯食べたい!」
と皆、それぞれの思いを語っていました。
そして、大越監督に率いられ、先発組は旅立って行きました。
一方、居残り組は午前中、ビーチで遊ぶなど、自由時間を満喫した後、夕方には小一時間掛けてジローナ市へ移動し、リーガ・エスパニョーラ2部リーグ、ジローナ vs バジャドリードの試合を観戦しました。2部とは言え、4位対5位の好対決は、ホームのジローナが2−1で競り勝ち、一気に2位に浮上、1部自動昇格圏に入り込む形となりました。
翌日の日曜日は、MIC大会最終日。この日は、CADETE(U16)、INFANTIL(U14)、JUVENIL(U19)の順番で、Palamósスタジアムにて決勝戦が行われ、居残り組は試合観戦を楽しみました。
前日に行われたALEVIN(U12)の決勝の結果も含め、今大会のファイナルの結果は以下の通りです。
【ALEVIN(U12)7人制大会決勝】
エスパニョール(スペイン) 3−2 バレンシア(スペイン)
【ALEVIN(U12)11人制大会決勝】
レアル・マドリー(スペイン) 1−0 FCバルセロナ(スペイン)
【INFANTIL(U14)大会決勝】
FCバルセロナ(スペイン) 4−2 レアル・マドリー(スペイン)
【CADETE(U16)大会決勝】
アスパイアー・フットボール・ドリームス(セネガル) 2−1 アルボラーヤ(スペイン)
【JUVENIL(U19)大会決勝】
マラガ(スペイン) 2−1 アトレチコ・マドリー(スペイン)
因に、今回青山SCを含め、4クラブ、計8つの日本のチームがMICに参加していましたが、予選グループリーグ計24試合の成績は、1勝1分22敗でした。日本は、もっともっともーーーーっと、頑張って行かなければならないようです。
そして、4月6日(月)、いよいよ居残り組にとっても最終日。
この日のフライトが15:45と午前中は余裕があった為、カンプノウ近くの練習場まで移動し、トレーニングを行いました。そこでは、ペルー人ホルヘコーチの指導の下、クリニックが行われました。ボールを使ったウォーミングアップの後、パススピード、パスの正確性、素早いポジション移動、コントロール・オリエンタード(行きたい方向へ一発で向くボールコントロール)等を、リズム良く、素早く、正確に行う事が求められました。続いては、認知・決断・実行を意識したトレーニング。センターサークルの上に8人がバランス良く広がり、中の2人が外でボールを持っている人からパスを受け、ボールを持っていない人へパスをする。そしてまた別のボールを探しに行く。ピッチ上には4つのボールがあり、素早く誰がボールを持っているのか、いないのかを認識しながら、もう一人のセンターサークルの人間が何処でもらい、何処へパスを出そうとしているのかを意識し、被らないように気をつけながら、素早く的確に実行する事が求められました。
続いては、1対1のトレーニング。ホルヘコーチが熱の入った声で叱咤激励する中、少年達は必死にボールに食らいついていました。
最後には、4対4+1フリーマンでのハーフコートを使ってのミニゲーム。充実の時間は予定の1時間半を軽くオーバーし、2時間近く行われました。
「普段よりも激しかった。」
「疲れた。」
「楽しかった。」
「難しかった。」
など、様々な声が聞こえて来ました。
ホルヘコーチと別れた一行は、近くで昼食を取り、バルセロナ空港へ、機上の人となりました。
結果こそ、厳しいものとなった青山SCイレブン。しかし、今回の滞在で、一人一人が何かを感じ、次に繋げる事が、何よりも大事。今回悔しかった事、辛かった事、苦しかった事、嬉しかった事、楽しかった事。全てが良い思い出になるよう、これからの皆を応援して行きたいと思います。
MUCHAS GRACIAS A TODOS !!!
(遠征を終えて)
上述したように、今回のMICにおいて、日本チームの成績は散々なものだったと言わざるを得ない。日本では強豪クラブと言われているチームもその中には含まれているのだから、より危機感は強まる。日本の少年と世界の少年の大きな違いは、戦うという意識。勝負に対する執念。ファイティング・スピリッツ。相手を蹴落としてでも、勝ち取ろうとする貪欲さ。そうした“闘う”気持ち、そして球際やボディーコンタクト、空中戦などの実際のバトル、そうした部分で、日本人少年のひ弱さを感じた。もちろん、体格的に日本人が小柄だというのもあり、フィジカル勝負では厳しいのは分かる。しかし、だからと言って、ボディーコンタクトの少ないパスサッカーを志すのは無理がある。何故なら、フットボールと言うのは、少なからず、ボディーコンタクト、体のぶつかり合いは避けられないスポーツだからだ。だからこそ、小柄だからと言ってボディーコンタクトを避けるのでは無く、柔よく剛を制すの精神で、パワーや高さで不利ながらも、それでも世界と真っ向勝負する術を身に付けて行く必要があると思う。
日本の、特にジュニアの育成現場と、スペインのジュニアの育成現場を見ていて、決定的に違うのは、“激しさ”だ。“闘い”だ。フットボール(サッカー)は、奇麗事の通じるスポーツでは無い。エレガントなスポーツでは無い。むしろ、野蛮極まりないスポーツだ。それぐらいのスタンスからスタートするぐらいで丁度いい。スペインの少年達は、そうした激しい攻防の中から、ボールを奪われない体の使い方や、ドリブル、パスカットされないスピードあるパス、相手に簡単に奪われないボールコントロールを身に付けて行く。隙を見せたら、一瞬にしてがっさり奪われる環境の中でやっているからだ。スペイン人の少年は、日本人少年よりも遥かに激しくボールを奪いに来るし、相手の邪魔をするのが巧い。時には、ファールを使ってでも止めに来る。日本でも、ジュニア世代から、もっと守備の意識、守備の個人戦術を叩き込み、ディフェンスのレベルを上げ、それらと切磋琢磨する形で、相乗効果的にオフェンスのレベルも上げて行く必要がある。
そして、当然ながら、日本の特にジュニア世代の試合をジャッジする審判にも、そうした“野蛮極まりない”スポーツという前提で判定がなされるよう、求めたい。
今大会での日本チームの戦いぶりを見て、危機感と共に、そんな思いを新たにした。
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