グループリーグ全敗の4位となり、下位トーナメントへ進む事になったSHUTAとRYUTOが参加しているRacing Sarriá。
下位トーナメント1回戦の相手は、同じく別のグループで最下位となったイスラエルのHapoel Sshkelon。
2人は、共にベンチスタートとなりました。
試合は共に決定機を掴む事無く、0−0のまま進んで行きます。
監督のウリ、アシスタントコーチのパブロは、昨日まではカメラ片手に観光客気分だったのに、この日からは真剣そのもの。声を張り上げ、ピッチに指示を送ります。どうやら、格上ばかりが揃っていたグループリーグとは違い、彼らにとって本当の勝負はここからと思っていたようです。
決め手に欠く中、頼りの10番マルク一人だけが得点の可能性があるというチーム事情では、厳しいものがあります。この緊迫した展開の中、言葉の通じない、過去の3試合でチームにプラスになる戦力だと言う事を証明出来なかった日本人2人の事は、この試合、監督の視界には入らなかったようです。
試合は0−0のまま試合終了のホイッスル。大会規定により、PK戦に突入です。
後攻のRacingは、1人目が外してしまう厳しい展開。しかし、Hapoel Shkelonも3人目が外し、同点へ。サドンデスの争いとなったPK合戦は、Hapoelが再び失敗。その直後にRacingが決め、劇的な勝利でRacingが下位トーナメント2回戦へ進む事が決まりました!
この日の午後、一旦宿舎に戻って昼食と取り、休憩してから、再びSilsへ戻って来た2人。
下位トーナメント2回戦の相手は、アルゼンチンのClub Atletico Almafuerteです。
このCA Almafuerteのストロングポイントは、何と言ってもキャプテンの俊足右ウイングの選手。とにかく、速い!そして、自分の長所を知り尽くしているかのように、これでもか、これでもかとスピードを活かしたプレーを繰り返し繰り返し出して来る。チームも、彼を活かす戦術を心得ている様子。一方のRacingは、エースの10番マルクに頼るという意味では、このアルゼンチンのチームと似通ってはいるものの、チームとして、自分達の武器を活かそうとしているかそうでないかの点で、差が出た試合となりました。
試合は前半に警戒していたはずのCA Almafuerteのエースにゴールを割られてしまいます。その後は、何とか追いつこうと懸命に戦うRacingは、0−1のまま、後半もほぼ同じメンバーで戦います。勝負の世界で、勝利にこだわった時、自分達の価値をアピールし切れなかった選手に下る非情な采配を、我らがSHUTAとRYUTAは痛感させられる事となります。
試合は結局、自力に勝るCA Almafuerteが0−2でRacingを破り、2人のMICは呆気なく終焉を迎えました。
2人の勇姿を一目見ようと駆けつけた青山SCの大越監督は、プレーする姿が見れずに残念がるも、勝負師としてRacing監督ウリの采配に理解を示し、試合終了後は、「あなた方が2人を受け入れてくれたお陰で、うちの他の選手達は、同学年の大会に出場する事が出来ました。RYUTOとSHUTAも貴重な体験をする事が出来ました。」と御礼の言葉を述べ、握手を交わしていました。
フットボール大国で体感した、世界のフットボール。それは、それまで日本で知っていたサッカーとは、色んな面で、沢山の違いがありました。厳しく、激しく、スピーディーなフットボールに触れ、2人は、今後、また新たな決意を持って、日本で取り組んで行く事でしょう。
この経験が、2人にとって、今後実りあるものへと繋がって行く事を願って、、、
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