4月中旬から2ヶ月以上に渡って入団テストを受けて来たJIEI。遂に、EUROPA(エウロパ)から合格をもらい、来シーズンはJuvenil(フベニール/U18)のPreferente(3部リーグ)で戦う事になりました。外国人は1部と2部でプレーする事が出来ない為、考え得る最良の舞台を掴み取った事になります。
3部とは言え、狭き門の1部や2部でプレーする事が出来ないスペイン人や外国人の猛者達が集うリーグ。日本で言えば、J下部組織レベルがひしめくレベルと言っても、過言では無いでしょう。
決して甘くは無いこの環境で、スペインでの1年目、適応と進化をテーマに掲げ、JIEIの新たな1年が始まります。
この日は、合格をもらってから初めての対外試合。そして、6チームが参加しての大会に出場しました。
グループAには大会会場となったSabadell市のCan Rull、Castellbisbal、Jabac y Terrassaが入り、
グループBには現在3部リーグのSevilla Bに所属する指宿選手がかつて所属し、先シーズンは元シブがき隊のやっくんこと、薬丸裕英さんの次男、隼人選手がプレーしたSabadell、Bufala、そして我らがJIEI擁するEuropaが入りました。
大会は、それぞれ30分ハーフの総当たり戦を行い、各グループ1位同士が、決勝を戦うと言うフォーマット。これを土・日の2日に掛けて行います。
土曜日の初戦、Europaはいきなり強豪Sabadellと対決です。
1-4-3-3の左ウイングで出場したJIEI。圧倒的小柄ながら、巧みな技術と俊敏さを武器に、対抗します。細かなステップワークで相手右サイドバックを相手に、主導権を握ります。JIEIの左サイドを起点に、次々とチャンスを構築するEUROPA。JIEIも2度の決定機を掴みますが、フィニッシュの精度に難あり!なかなかゴールを奪う事が出来ません。
試合は緊迫した展開の中、2-1でEUROPAが勝利、決勝進出へ大きく前進します。
続く試合は日曜日の午前に行われ、そこでは対戦相手のBufalaを圧倒するEUROPAの姿が。ここでは、1-4-3-3の中盤をやったり、センターフォワードの位置に入ったり、監督がJIEIの起用方法を探るような采配ぶりが見られました。
実は、今大会から、JIEIが所属するEUROPAのJuvenil Bの新しい監督が赴任。実際に采配を振るう監督の前で、自分の持ち味を発揮する事が、この大会の位置づけです。
しかし、しっかりとした技術と戦術眼を持ち合わせるJIEIは、フィジカルのハンディを苦にしないプレーぶりで、好プレーを次々と繰り出します。
チームメイトの名前をしっかりと把握し、ボールを呼ぶ時も名前で呼び込み、すっかりチームの一員です。
結局、この試合もEUROPAが勝利し、夜の決勝に駒を進める事に成功しました。
あとは、ゴールが欲しい!
夜の決勝の対戦相手は、地元チームのCan Rull。
JIEIは最初は左ウイング、そして、一旦下がってから再び登場した後半の最後の15分は、センターフォワードの位置に入ります。
試合はEUROPAが主導権を握って攻勢に出る展開も、なかなかゴールを奪う事が出来ず、逆に、しばしばCan Rullのカウンターに脅かされる場面も。
そうした中、EUROPAはCan Rullに先制点を奪われてしまいます。
より一層の攻勢を仕掛けるEUROPA。JIEIも左サイドを果敢に突破しようと努めますが、なかなか良い形でフィニッシュまで持って行く事が出来ません。
じりじりと時間だけが過ぎて行き、選手達の中にも焦りが生じ始めます。
すると、EUROPAの巧みなパスワークがさく裂し、ゴール前まで持ち込んでの混戦の中、EUROPAの怒涛のシュート攻撃に、最後はゴールマウスにカバーに入ったDFが手を使ってシュートを防いでしまい、PKの判定。この選手は一発レッドで退場処分となります。
EUROPAはこのPKをきっちりとものにし、1対1の同点。
1人多い展開となったEUROPAは、その後、勝ち越しのゴールを奪いに行くものの、完全に引いて守り、同点でのPK合戦に持ち込もうと割り切ったCan Rullの守備陣をなかなか崩す事が出来ません。
JIEIは途中から1トップに移行し、前線で動き回ります。
お互いに決定機が無い中、誰もがPK合戦を予想し始めたその時、EUROPAの猛攻が実り、遂に!決勝ゴールが生まれます!
そして、試合終了のホイッスル。
2-1で、見事、EUROPAが優勝の座を掴み取る事に成功しました!
喜ぶEUROPAイレブン!
一番活躍した!?(一番軽い!?)JIEIは、試合後のセレモニーで、胴上げのような形で持ち上げられていました。
「スペインに来て、こんなにフットボールが楽しかったんだと感じています。こんな気持ち、しばらく忘れていた。ロッカールームでのラテンの乗りも楽しいし、本当に今、ここでの生活を楽しめています!」
と充実した様子で語ってくれたJIEI。
また一人、楽しみな男が、スペインの地に降り立ったようです。