5月18~22日
さぁ、今週はEuropa(エウロパ)への挑戦です。
エウロパはバルセロナ市内にある、100年以上もの歴史を有する伝統あるクラブです。
1928/29に発足したリーガ・エスパニョーラ1部リーグの全10チームに、FCバルセロナ、レアル・マドリー、エスパニョール、アトレチコ・マドリー、アスレチック・ビルバオ等、蒼々たるメンバーと共に名を連ねたチームでもあります。
【5月18日(月)】
市内の真ん中に忽然と姿を現すのがエウロパ市民スタジアムです。
この日は、同クラブのAlevinA(U11)のチームに混ざって、18時半から19時半まで、一時間の練習です。練習はロンド(ボール回し)によるウォーミングアップを終えた後は、40分間程、みっちり3チームに分かれ、5vs5のミニゲームを行いました。ゲームをしていないチームも、ピッチの周囲を取り囲んでパスをして来たチームの見方をするというルール。慣れないパターンと、初めてのチームと言う事もあってか、やや積極性に欠けるSHOUKEI。動きに今ひとつ冴えが感じられませんでした。
それでも本人は「エスパニョールよりはやれそう」と、本人なりに手応えは感じたようです。
【5月19日(火)】
この日は、エウロパの練習が無い為、そしてエスパニョールのカンテラの練習も無い為、エスパニョール・スクールの練習に参加しました。
1歳上の96年生まれの中に混じって、頭一つ小さいSHOUKEIですが、パフォーマンスでは負けていません。この日の2時間の練習中、1時間半は3チームに分かれての紅白戦、9vs9のゲームが行われました。狭いピッチの中で、スペースが無い中、SHOUKEIは果敢にドリブルを仕掛けていました。1人、2人とかわすSHOUKEI、しかし、シュートやラストパスを出す前に3人目に潰されるという、歯がゆいプレーが目立ちます。結局、テクニックはあるけれど、チームのゴールに直結する仕事が出来なかったというパフォーマンスに終始しました。
今の彼の課題、それは、ゴール、もしくはそれに直結する味方へのラストパス。そうした最後の仕上げに繋がる仕事をすることです。
【5月20日(水)】
「今日は、エスパニョールBの練習を見に行ったよ!」と本日のSHOUKEIの第一声。午前中、寮に顔を出したエスパニョールB選手に連れられ、練習の見学に連れて行ってもらいました。フィールドに入ることまで認められたSHOUKEIは、選手のボール拾いのお手伝い。
リーガ4部リーグでプレーする彼等セミプロ選手達の練習を真近で見ることができ、とてもよい刺激になった様子です。さらには、選手の前でリフティングの披露。最後には練習ユニフォームに全選手のサイ
ンをもらうというおまけつきで本人も大満足でしは。この中から、将来はトップチームに上がる選手が出るかもしれません。
さて、午後はEUROPAのAlevinAの練習。バルセロナサッカー留学も3週間が経過し、生活にもだいぶ慣れてきた様子。街の中でも仲間を見かけると、「HOLA」としっかりと握手を交わすようになっている。サッカー以外の面でも、スペインの文化を体で吸収しているようだ。
【5月21日(木)】
この日はエスパニョールのカンテラの練習日。今回の遠征の中でも最も高いレベルの環境でプレー出来る日だ。が、しかし、ここで痛いパンチが待っていた。
Albert「先週のプレーぶりを見る限り、AlevinAではキツイ。特にフィジカルがね」
という訳で、エスパニョール側の意向により、この日は1998年生まれ、すなわちSHOUKEIにとっては1つ年下のカンテラに混ざってプレーする事になりました。
SHOUKEIにとっては悔しい限りです。しかし、こればかりはエスパニョールの判断なので、致しかたありません。
さて、エスパニョールのAlevinBに加わったSHOUKEI。しかし、この中に混じってもSHOUKEIは一番小さい。相手の激しい寄せに対し、ボールを思うように操れないSHOUKEIの姿がありました。1つ年下だろうが、やはりエスパニョールはエスパニョールです。
さて、間も無く3週間になろうというSHOUKEIのスペイン挑戦。彼が小さな体で体感した最大の日本とのギャップが、“激しさ”です。
SHOUKEI「日本では通じていた自分の得意なドリブルが通じない。こっちのやつらはディフェンスがめちゃ激しいし、寄せも早いし、日本では抜けたところで止められたり、潰されててしまう」
どうやらSHOUKEI、やや自信を消失気味です。
それはそうでしょう。自信を持っていたドリブルが、あまり通用していないのですから。
通用していたのはエスパニョールのスクールぐらいでしょうか。しかし、エスパニョールのカンテラはもちろん、コルネヤやエウロパのカンテラなど、レベルが高くなると、それだけ比例してディフェンスも上手く、激しくなってくるので、なかなか自由にボールを操らせてはくれません。
“SHOUKEI、気にするな。SHOUKEIだけじゃなく、日本から来た少年達は皆、同じ思いをしている。日本では通じたドリブルが通じない。それはSHOUKEIが下手になったんじゃなくて、こいつらのディフェンスが日本の少年達よりも激しく、強いからだ。でも、本当に世界に通用する選手になりたいのなら、こいつらのディフェンスでも通用するドリブルにパワーアップしなければいけない。そして、こういう強い相手を崩す為には、個人のドリブルだけではなかなか難しい。だからこそ、パスワークも学ばなければいけない。素早いパスワークに参加出来て、そして鋭いドリブルも持っている選手の前では、相手のディフェンダーも迷う。
とにかく、君は世界を知った。世界を体感した。それは、誰でも出来る事じゃない。それを君は11歳で経験する事が出来た。ラッキーな事だ。ここまで連れて来てくれた親や周りの人に感謝して、これから、それを活かせるかどうかだ。”
「うん」
普段から言葉数の少ないSHOUKEIだが、この時の2文字には強い気持ちが込められていたような気がした。
【5月22日(金)】
今日も午前中は、エスパニョールBの練習見学に行った。
午後、
by Yuya Takaji & Keita Uematsu
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