┏━━━━━━┓
バルセロナ発
┗━━━━━━┛
〓━〓━〓━〓━〓━〓━〓━〓━〓
目指せ!バルサの10番!
〓━〓━〓━〓━〓━〓━〓━〓━〓
【第11章】“パス禁止”の功罪(その1)
皆さん、こんにちは。バルセロナの植松です。
今日はこれまでの10章とは少し話題を変えてお話したいと思います。
今回のテーマ、それは“パス禁止”です。
私はつい最近までこの言葉を知りませんでした。
聞けば、日本の小学生年代の指導の中で、このルールが結構流行っているのだそうです。
このルールのポイントは、「小学生年代では、何よりも個人技術を高める必要がある。
その為に、パスを“禁止”することによって、自分で局面を打開させるよう仕向けて行く」という訳だ。
意図は良く理解出来る。
個人技術を高める必要があると言うのも大賛成だ。
がしかし、と同時に思う事がある。
再三再四、申し上げて来たように、良い選手であることは、試合で活躍出来る、
試合で良い仕事が出来る選手である事だ。
そして、試合で良い仕事をする為には、局面局面での判断力が絶対に必要になる。
瞬時(もしくは事前)にその置かれてる局面を判断し、適切な選択と行動を起こす必要がある。
相手3人に囲まれ、斜め後ろに味方がいるのに強引に突破を図る事が果たして賢い選択なのだろうか!?
5回に4回はボールを奪われ、逆襲を喰らっていないだろうか!?
自陣のゴール前での混戦。ペナルティーエリアには敵も味方も大勢いる。流石にここはクリアーだろう、
という場面でもドリブルのアクションを起こす事が賢明なのだろうか!?
確かに、この“パス禁止”というルールの恩恵を受け、ドリブル力が身に付いた少年はいるだろう。
しかし、“ボールを持ったらとりあえずドリブルを仕掛けろ”という教えは、その反面、
少年達から的確な状況判断をする機会を奪ってしまう事にも繋がってしまうだろう。
試合では、味方も相手も常に動く混沌とした世界。そこでは、常に局面局面に応じたより的確な行動が求められる。
サッカーとは、試合とは、そうした判断の連続でしかない。
“パスワークや戦術は、中学に上がってからで良い”という言葉を良く耳にするが、
果たしてそうなのだろうか!?
少年時代に鍛錬しなかった判断力、状況把握力が急に中学生になって発揮出来るものなのだろうか!?
小学時代に身につけた、ドリブル力がその後、中学や高校で、試合の中で発揮出来ているのだろうか!?
要は、バランスの上で、両方同時に必要であり、鍛錬すべきだと思う訳です。
身につけた技術をどの局面で活用すべきなのか、そうしたサッカー(=試合)で活きる総合力を、
少年時代に同時に身につけるべきだと思うのです。
やはり、自陣ゴール前の混戦の中でドリブルをスタートしようとする判断は、この先、高いレベルでは通用しません。
やはりここは、カウンターアタックを狙う為に前線に構える俊足のFWに正確なフィードを送る
キック力を磨くべきでしょう。
攻撃時、相手3人に囲まれて、横にフリーの味方がいるのに強引にドリブル突破を図る選択は、
やはり勇敢さを通り越して無謀と言うべきでしょう。
そこでは、5回に4回は相手の逆襲に繋がってしまっているはずです。
やはりここは、シンプルに味方にパスを出し、味方にシュートを打たせるなり、自分がワンツーで再びもらう方が、
遥かに効率の高い攻撃に繋がるでしょう。
ここに挙げた例は、答えが1つしかないわけじゃありません。
あくまでもセオリーの話です。
要は、判断です。
その局面を判断し、チームにとって最良の方法、最も効率の良い方法を選択し、
行動に移す事が出来ているかだと思います。
“ボールを持ったらとりあえずドリブル”という少年の思考回路が、
サッカーに必要な判断力向上の機会を奪っているとしたら、問題です。
次回は、今回のテーマの続きです。そこには、愕然とする事実が、、、
コメント