スペインでの居場所を探しに来たYUKI。今日はその初日、コルネヤに挑戦です。コルネヤは、トップチームこそ、4部に所属していますが(実力では3部に上がってもおかしくは無いが、財政的な問題で、4部止まりになっている。)、カンテラ(下部組織)の実力は、カタルーニャ州ではバルサ、エスパニョールの2巨頭に次ぐ、3番手的な存在です。
現在は新スタジアムを、エスパニョールの新スタジアム、コルネヤ・プラットの隣に建設中、財政面でも、エスパニョールと提携し、彼等のサポートを受け、3部リーグ進出をもくろんでいます。一方、エスパニョールは、財政的なフォローをする代わりに、育成に定評のあるコルネヤのカンテラの選手を、優先的に獲得する権利を有する事になります。
先日は、チェルシーやブラックバーンなど、イングランドのプロクラブがコルネヤのカンテラの選手を引き抜いて行きましたが、これからは、エスパニョールが、目を付けたコルネヤの選手を優先的に手にする事が出来る訳です。
さて、そんなコルネヤに挑戦する初日、直前のYUKIは、
「ドキドキ度は90%、ワクワク度は10%。かなり緊張している」との事。
ちょっと心配なパーセンテージのバランスです。
2000年のYUKIは、同じ歳のコルネヤのBenjaminA(1軍)、C(2軍)、E(3軍)の内、BenjaminCからスタートする事になりました。ちなみに、Aは1部リーグ、Cは2部リーグ、Eは3部リーグにそれぞれ属し、16チームで構成されるリーグ戦で、年間30試合の公式戦を戦っています。
さて、コルネヤのBenjaminの練習時間は僅かに1時間。そこで、フル回転でのアピールが求められます。ウォーミングアップを兼ねたロンド(鳥かご)や、3種類のサーキットメニューをこなした後、最後はシュートで終わるトレーニング、そして、最後は7vs7のミニゲームが行われました。
そこで明らかになったのは、エスパニョールのカンテラに比べれば、コルネヤのBenjaminCの実力はかなり低いという事。ここでは、圧倒的に目立って、BenjaminAの練習に漕ぎ着けたいところです。
がしかし、肝心のYUKIがパッとしません。上述のドキドキ度90%が示す通り、表情が硬く、動きに躍動感が感じられません。
今回のテーマを、「闘う気持ちを前面に出してプレーする」と掲げたYUKI。しかし、その思いは何処へやら、まるで、借りて来た猫のように消極的なプレーに終始する姿が、そこにはありました。
そして、あっという間に1時間が終了してしまいました。
“どうだった!?初のコルネヤは!?”
YUKI「まぁ、80%くらいは力を出せたかな」
“ ・・・・・。そうかぁ、自分的にはあれで80出ているのかぁ。闘う気持ちや、積極性は!?”
YUKI「う~ん、その部分はまだまだかも」
“はっきり言おう。俺が見ていて、全然今日はいけてなかったと思うよ。初日だから緊張するのは分かるけど、自分の力を全力で出そうという気持ちが伝わってこなかったし、積極性が全然感じられない。見てて分かったと思うけど、BenjaminCはエスパニョールの2000年のチームに比べたら、力は全然落ちる。だったら、ここでは圧倒的に目立たなければいけない。君はここでは外国人。言葉が通じない外国人をコルネヤが獲るとしたら、それは、言葉が通じなくても、いれば十分にチームの戦力になると思ってくれた時だけだ。つまり、助っ人にならなきゃいけない。同じ実力なら、言葉の通じる、近くに住んでいるスペイン人を獲った方が、彼等にとっては便利だからな。今日のように、いるんだかいないんだか分からない、あのレベルに同化しているようじゃ、君を獲ってくれないぞ。”
YUKI「・・・・・」
退路を断って、決死の覚悟でスペインにやって来たはずのYUKI。しかし、現実と本人の認識の差は、予想以上に大きいようです。
果たして、この“差”を埋めて行く事が出来るのでしょうか!?
by Keita Uematsu
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