さぁ、いよいよ、ワールドカップ・サッカースクール・トーナメントの開催です。
早朝、7:15に「サムライ少年の家」を出発した一同は、METRO(地下鉄)を使っておよそ45分、ワールドカップ・サッカースクール・トーナメント会場のプラン・マルセ・グラウンドに到着致しました。
そこでは、早速チーム分けが行われ、トレーニングが行われました。
今日から、以下のようなスケジュールが、10日間、続く事になります。
7:30 起床
7:45 朝食
9:00 トレーニング
10:30 休憩・おやつ
11:00 トレーニング
13:00 プール
14:00 昼食
午後 試合
唯一、1996~97年のCadeteというカテゴリーの11人制大会に参加するShunは、エスパニョールキャンプで多くの年下を相手にプレーしていた時とはがらりと様相が変わり、同じ年か、1歳年上ばかり。周囲の体つきは一気に大人びて、体格の良いShunも小さく見えます。この大会では、技術の他に、フィジカルでの勝負が、大きなポイントになりそうです。
1998~99年のInfantilのカテゴリーでは、サムライ少年達は、ShinとDaichi、ShokiとKengoとTakahiro、そして、KazukiとKaiseiの3つに分かれ、それぞれのグループでトレーニングを行いました。
また、2000~01年のAlevinのカテゴリーでは、KoshiroとItsuki、TakukiとRyo、そして、RyugenとRyuyaがそれぞれ同じグループに入りました。
そして、2002~03のBenjaminのカテゴリーでは、KoseiとRyuseiが一緒のグループでトレーニングする事になりました。
この日の午前の2部練習では、ドリブル、1対1、シュートなどの基本的なトレーニングが行われました。
そして、午後には明日からの本番に備え、練習試合が組まれました。そこでのパフォーマンスによって、力量が試され、明日以降のメンバー構成、監督の構想に大きな影響を及ぼす事になります。
Benjaminカテゴリーでは、Kosei、Ryuseiが同じチームでプレーしました。7人制フットボールにおいて、1-2-3-1のフォーメーションを組み、Koseiは中盤の真ん中、そしてRyuseiがワントップに配置されています。Benjaminカテゴリーは、2002~03年生まれの大会の為、2002年生まれの2人にとって、年上はいません。その為、体格的には、ほぼ同じか背が低い相手ばかり。フィジカルが同レベルな中では、スピードやテクニックが勝負の鍵となります。
日本人のこの年代の少年が皆そうであるように、ボールが来たら、とにかく自分でドリブルを始める2人。彼らの頭の中には、まるで“パス”の選択肢が無いかのようです。
がしかし、その2人の試みは、なかなか通用しません。スペインのちびっこ達は、足先では無く、腰からディフェンスして来る為、ぐっと体を入れられ、ボールを奪われてしまうのです。いつもなら行ける間合い、感覚で、取られてしまう。2人は、彼らなりに、それを体感している事でしょう。
また、守備の際には、逆に足先だけで行く“緩い”ディフェンスに慣れてしまっている彼らは、なかなか相手からボールを奪う事が出来ません。それでも、Koseiは中盤と言う事もあり、懸命にボールを奪おうと汗をかく姿が見られます。一方のRyusei、味方の右ウイングの6番がスピードを活かして再三再四、縦への突破からセンターリング。これを受けたRyuseiは、見事に流し込み、ゴールを決めます。また、ゴール前でのこぼれ球を、飛び込んでくるDFを一人かわし、左足でシュート。これも見事に決まり、連続ゴール。その後も、突破から惜しいシュートを放つシーンもみられました。Koseiも右サイドからミドルシュートを放つも、相手DFの懸命のディフェンスに、ブロックされるシーンがありました。
さて、試合は5-5のドロー。明日から、いよいよ大会本番となります。
尚、Benjaminカテゴリーのフォーマットが決まり。今年は、4チームによる4回戦総当たり戦で行われる事になりました。1試合22分1本勝負の戦いを、1日2試合ずつ行い、最初の6日間で12試合(各3チームと4試合ずつ)のリーグ戦をする事になります。
参加する4チームは、
Tecnofútbol España
Tecnofútbol Barcelona
World Team
Selección Plan Marcet
となり、我らがKoseiとRyuseiは、World Teamの一員として、参戦する事が決定致しました。
さて、一方、最上級カテゴリーのCadeteに参加するSHUN。11人制の大きなグラウンドで、1-4-2-3-1のオフェンシブハーフの右サイドでプレーします。Cadeteの大会は、1996~97年生まれが対象、その為、97年のSHUNにとっては、1歳年上か同じ年。身長的には、本当にSHUNが小さく見えるほど、皆でかい!デカイ!
それでも、球際の攻防では、怯むことなく激しくチャージするSHUN。そんな“ファイター”ぶりから、周囲からは、「いいぞ!SHUN!」と言う声が飛び交います。また、組み立ての部分では、相手のプレスを受けながらも、しっかりと捌いて、パスを供給していきます。どうやら、フィールド上で、すんなりと試合に入って行けたようです。あとはシュート。ここまで、試合の中で、SHUNのシュートを全くと言っていい程、見ていません。守備の際に見せる“ファイター”ぶりを、攻撃面での執念、ゴールの意識にも繋げて行って欲しいところです。
Cadete大会も、Benjamin同様、4チームによる2回戦総当たりと言う形式に決定しました。
Tecnofútbol España
Tecnofútbol Barcelona
Plan Marcet 1
Plan Marcet 2
と言う参加チームの中で、SHUNはTecnofútbol Españaの一員として、優勝を目指す事になります。試合は25分ハーフで、13時台に前半、18時台に後半を行うと言う、変則パターンで行われます。
今度は、Infantilカテゴリーに目を移しましょう。1998~1999年生まれを対象とした大会は、実に9チームが参加。1チーム、6日間で16試合をこなさなければならない為、1試合17分一本勝負で、1日2~3試合を行う事になりました。
Tecnofútbol España 98
Tecnofútbol España 99
Selección Plan Marcet 1
Selección Plan Marcet 2
World Team
Selección Madrid
Selección Venezuela
Club México 1
Club México 2
そんな中、Infantilカテゴリーに出場するサムライ少年7戦士は、SHOKI、KENGO、TAKAHIROがVenezuela、SHIN、DAICHIの2人がSeleccion Plan Marcet 2、そして、KAZUKIとKAISEIがWorld Teamに分かれて、それぞれ雌雄を決する事になりました。
この日行われた練習試合では、初めてのチーム、分からない言葉、初物尽くしの環境の中で、多くのサムライ少年の戸惑う姿が見られました。1-2-3-1のワントップに入ったSHINは、体格に勝る相手ディフェンダーに囲まれ、なかなか効果的にボールを受ける事が出来ません。それでも、スピードを活かそうと、右サイドに流れ、再三再四、「へい!」と大きな声でボールを呼び、要求します。しかし、なかなか味方と意図が合いません。それでも、少しずつ、ボールタッチの機会を増やすと、果敢にドリブル突破を図りますが、屈強なディフェンスを前に、あっさりと奪われてしまいます。一方のDAICHIは、とにかく小さい。同カテゴリーには、1歳年上も混ざっているだけに、身長の差は顕著です。それだけに、彼の武器である俊敏性、すばしっこさで勝負するしかありません。が、なかなかチームの流れにフィットする事が出来ません。ボールを呼び込む事が出来ず、また、数少ないボールを受けた際には、仕掛けたドリブルが、予想以上に伸びて来る相手DFの足に引っかけられてしまい、ボールを奪われてしまいます。生い茂った密林の中に、ぽつりと迷い込んでしまった子ウサギは、この環境を潜り抜け、逞しいオオカミに変身する事が出来るでしょうか!?
一方、Venezuelaチームの一員となったSHOKI、TAKAHIRO、KENGOの3人。155cmと、日本人の小6としてはまずまずの身長を有するSHOKIでも、Infantilのカテゴリーでは、それ程大きくはありません。ましてや、146cmのKENGOは華奢に映り、135cmのTAKAHIROは上述のDAICHIと同様、森に迷い込んだ小動物のようです。フィジカルで不利な分、他に活路を見出す事が、大会で活躍する為のポイントとなります。
1-2-3-1のフォーメーションで、SHOKIは2バックの左、KENGOは右MF、TAKAHIROはワントップに入ります。前線から、懸命のプレスで相手DFに圧力を掛けるTAKAHIRO。相手の巨漢DFとの身長さは、まるで大人と子供です。それでも、ボールを必死に追うTAKAHIROの姿は、非常に好感が持てます。一方、SHOKIは相変わらずの堅実ぶりで、ディフェンスラインを支えます。2バックの為、積極的な攻撃参加を繰り出す事は難しい中で、まずは、チームにフィットする為に、自分の出来るプレーをしっかりと表現し、監督にアピールしてもらいたいところです。それに対し、最初からチームに一番フィット感を出していたのがKENGO。もともとDFを務める事が日本では多い彼は、MFのポジションながら、守備の際のカバーリングや、サイドでの攻防で、堅実な守備力を披露します。また、右サイドで攻撃に絡み、味方とワンツーで抜け出してシュートを放つなど、攻守に存在感を示していました。
もう一つのInfantilのチーム、World Teamに所属するKAZUKIとKAISEI。1-2-3-1のKAZUKIはMF中央、KAISEIはMFの左でプレーします。KAZUKIは早くもチームの中心的な存在になりつつあるようで、確かな技術をベースに、ピッチの中央で巧みなプレーを繰り出して行きます。一方、KAISEIは足元のテクニックに自信のあるタイプ。相手2人と対峙しても、フットサルばりの足技で、相手をヒョイヒョイとかわします。が、このタイプには良くある傾向ですが、やや持ち過ぎのきらいもあり、チームの流れを損なうシーンも。試合全体の局面、流れを把握し、パスを簡単に叩く場面、自分で勝負する場面の的確な状況判断を身に着ける必要がありそうです。
そして、最後は2000年と2001年生まれを対象とするAlevinカテゴリー。この大会は、全7チームが参加、27分1本の試合を12試合行い、リーグ優勝の座を掛けて戦います。
Tecnofútbol España 2000
Tecnofútbol España 2001
Selección Plan Marcet 2000
Selección Plan Marcet 2001
Selección Madrid
Selección U.S.A
Selección Valencia
以上の7チームとなり、我らがサムライ少年達は、ITSUKI、TAKUKI、RYO、KOSHIROの4人が、Selección Plan Marcet 2000にて、RYUGENとRYUYAの2人が、Selección U.S.Aにて参戦する事が決定しました。
この日行われたテストマッチでは、Selección U.S.AのRYUGENが1-2-3-1の左MF、RYUYAが中央のMFに入ってプレーしました。しかし、2人とも、試合のリズムになかなか入って行く事が出来ません。特に、ルーズボールの競り合い、球際の攻防で激しさに欠けるようです。フットボールの基本の基本。球際の攻防、一対一での負けない気持ち、これを、体得する必要が、2人にはありそうです。また、声も出ておらず、味方からボールを呼び込む事も出来ません。それに伴うオフの動きも無く、やや“蚊帳の外”と言った印象です。如何にして新たな環境、雰囲気の中に入り込み、自分の良さを表現出来るか、2人の戦いが、これから始まります。
一方、Selección Plan Marcet 2000に入った4人は、バルセロナに1年間住んでいる、一日の長である物怖じしないKOSHIROに引っ張られるかのように、また、既に2週間、スペインで過ごしているTAKUKIやITSUKIも、やや緊張の様子も見せながらも、他の少年達よりは落ち着いているようにも思えます。そんな中で、一番緊張した面持ちなのが、まだバルセロナに到着して間もないRYO。まだ、周囲の様子をうかがっている段階の彼の姿を見る事が出来ます。
また、この日練習試合で対戦した相手がAlevin大会の優勝候補の一つ、Tecnofútbol España 2000。このチームの中心選手は、なんと女の子。がしかし、的確な技術と状況判断を持つこの子は、ピッチの中央で異彩を放っています。また、FWにも、長い髪の女の子!?がいますが、彼(彼女)の野性味溢れるプレーは、かなりやってくれそうです。また、このチームは、素晴らしいパスワークを持ち合わせ、大人のようなプレーをします。試合では、TAKUKIとRYOが1点ずつを決めたものの、試合は2-5で敗れてしまいました。
さぁ、いよいよ明日から、本番、大会本戦のスタートです。一体、16人のサムライ少年達は、どのような大会を、それぞれ向え、体験する事になるのでしょうか!!!
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