さぁ、いよいよ、この日、ワールドカップ・サッカースクール・トーナメントが正式に開幕します!
昼の12時、今大会に参加するおよそ200名の選手達が、一同に会し、開幕セレモニーを行いました。
我らがサムライ少年達は、日本の看板を掲げ、堂々のトップ入場を果たしました。日本人16名の参加は、スペイン人、そして18人が参加しているメキシコ人に次ぐ、3番目に多い国別の参加人数です。その他、ブラジル人、カメルーン人、ロシア人、カナダ人、米国人、エクアドル人、ベネズエラ人などなど、多彩な顔ぶれです。また、スペイン人達も、マドリード、バレンシア、バスク地方等、スペイン全土から、少年達が集まりました。今年も暑い日差しに負けない熱い戦い、そして、熱い友情が生まれる事でしょう。
2011年、ワールドカップ・サッカースクールトーナメント、開幕です!!!
開幕式では、日本を代表し、KAZUKIが選手宣誓を行いました。
【Benjaminカテゴリー】
KOSEI&RYUSEIコンビが所属するWorld Teamは、初戦で強豪Tecnofútbol Españaと対戦しました。1-2-3-1の布陣で臨んだWorld Team、ワントップにはRYUSEI、そして、中盤の真ん中にKOSEIが入ります。試合の主導権を握ったのはTecnofútbol España。8~9歳とは思えない巧みなパスワークで、たちまちWorld Teamを追い詰めます。GKのファインセーブや、相手のシュートミスに助けられてはいるものの、なかなか自陣から先にボールを運べないWorld Team。遂には、1点、2点と失点を喫してしまいます。一方、World Teamは、ワントップのRYUSEIにボールを送り込むも、相手の2枚のディフェンダーを前に、なかなか仕事をさせてもらえません。KOSEIも、守備に追われ、なかなか前線まで上がってこれません。Tecnofútbol Españaには、スピードとテクニックを兼ね備えた選手が複数おり、なかなか彼らを止める事が出来ません。結局、試合は2-6で敗れてしまいました。
続く試合は対Tecnofútbol Barcelona戦。先程の試合よりも、相手の力が劣り、World Teamは主導権争いで、優位に立ちます。しかし、RYUSEIにしろ、KOSEIにしろ、そして、味方のスピード溢れる突破が魅力の7番も、パスを考えずに、自分でひたすら突破を図ります。それだけに、惜しいところで、なかなかゴールにならないシーンの連発です。それでも、ゴール前でボールを受けたRYUSEIが、右足のシュートフェイントで切り返すと、左足を一振り!これが見事に決まり、RYUSEI、今大会第一号を決める事に成功します!その後も、何度かドリブルから惜しいシュートを放ったRYUSEI。チームのエースの座を勝ち取る為に、懸命にプレーします。一方、中盤の密集地帯でなかなか良い形でボールを持てないKOSEI。しかし、懸命に走り、攻守に奮闘します。試合は、そんな2人の活躍もあり、World Teamが3-1で勝利、大会初勝利を上げました。
【Alevinカテゴリー】
RYUGENとRYUYA擁するU.S.Aは、初戦でTecnofútbol España 2001と対戦しました。共にベンチスタートとなったこの試合、相手は2001年の年下で組織されたチームとは言え、試合の主導権を握られてしまいます。0-1でリードされた展開で、RYUYAは右サイドバック、RYUGENは左サイドバックの位置に入り、1-3-1-2のフォーメーションの3バックの両サイドを担当します。
ところが、普段、ディフェンダーをやっていない2人は、相手の攻撃をもろに許してしまいます。1対1の攻防、ルーズボールの攻防で、2人はなかなか相手に勝つことが出来ません。そんな両サイドを突かれ、チームは失点を重ね、試合は0-3で敗れてしまいます。2人に共通して言える事は、試合に入り切れていない事。戦いの中に、入り切れていない点です。“相手から何が何でもボールを奪ってやる”と言う執念が感じられません。そうしたハートの部分、強い気持ちは、テクニックやフィジカル云々よりも、最も重要な必要不可欠な要素です。それが無ければ、戦う事は出来ません。
続いての試合、U.S.Aは、Tecnofútbol España 2000と対戦しました。今大会、Alevinカテゴリーの優勝候補です。このチームの中心選手は、何と女の子。端正な顔立ちのソバージュヘアーの彼女は、巧みな技術をベースに、チームを攻守に渡って牽引します。そして、周囲の選手も、巧みなパスワークを繰り出し、そして、前線には、スピードのある2トップが控えます。その一角、もう一人の女の子かと思われた挑発の子は、少年である事が判明しました。
そんな強豪相手に、U.S.Aは殆どシュートを打たせてもらえませんでした。途中出場した2人は、先程の印象と変わらず、Tecnofútbol España 2000の攻撃力をもろに浴び、1-5で敗れる結果となりました。
RYUGENは相手のキックフェイントに簡単に引っ掛かり、背負向けて飛び跳ねる横を何度もすり抜けられてしまいました。明日の彼の課題は、「相手のキックから顔を逸らすな。ボールは友達、当たっても痛くない。」に決定です。
一方、プレーに激しさの無いRYUYAは、ルーズボールに対する球際の攻防で全く勝てません。細くて、華奢ではあっても、もっと気持ちをぶつけ、ファイターになれなければいけません。
さて、もう一つのAlevinカテゴリーのチーム、ITSUKI、TAKUKI、RYO、KOSHIRO擁するPlan Marcet 2000は、Madridと対戦します。1-2-3-1の布陣で臨んだPlan Marcet 2000。中盤の3人には、右からRYO、KOSHIRO、TAKUKIが横に並び、先発出場しました。序盤、硬さが見られたRYOとTAKUKIに対し、KOSHIROは中盤で動き回り、声を出し、チームをけん引します。オフの動きで常に味方のパスコースを提供するKOSHIROを軸に、Plan Marcet 2000が試合の主導権を握ります。チームがリズムを手にして行くと、次第に両サイドのTAKUKI、RYOも落ち着きを取り戻し、自分のプレーを繰り出そうとします。スピードのあるRYOは、サイドで縦勝負。TAKUKIも、そんなRYOやワントップのアンヘルはスルーパスを送り込み、チャンスメイクします。アンヘルは何と、エスパニョールのカンテラ(下部組織)所属の選手、Plan Marcet 2000は何とも心強い味方を得たものです。そんなアンヘルの決定率は高い、高い!KOSHIROやTAKUKI、RYOからのパスを受けると、次々とゴールに叩きこみます。また、途中から、TAKUKIに代わり、ITSUKIが投入されます。ITSUKIも試合の流れに乗って行こうと、頑張ります。昨年度よりも、明らかに守備の意識、そして守備力が向上しているITSUKI。小さいながらも、しっかりと体をぶつけ、粘り強いディフェンスが出来るようになって来ました。一方、攻撃面では、自分で行けるシーンでも簡単なパスを選んでしまうきらいがあり、貪欲な、積極的な攻撃参加も挑戦したいところです。こうして、完全にゲームを支配するPlan Marcet 2000。KOSHIRO、そしてTAKUKIも見事にシュートを決め、終わってみれば7-2で快勝を収めました。
続いての試合は、Plan Marcet 2001戦。この試合、先程の中盤3人組に加え、2バックの左にITSUKIが入り、先発します。1歳年下のチームに対し、Plan Marcet 2000の実力は数段上。KOSHIRO、RYOがそれぞれ2点ずつを決め、何と、14vs 0の一方的な試合となりました。勝利の笑顔を繰り出す4人。4人は、少しずつ、チームの自信を掴んで行っているようです。
【Infantilカテゴリー】
SHOKI、TAKAHIRO、KENGO擁するVenezuelaは、この日3試合を戦い、Tecno 99戦は0-1で敗戦、Madrid戦は2-0で勝利、Plan Marcet 1戦は0-5で敗れました。
このチームの中で、レギュラーの座を掴んだのはKENGO。1-2-3-1のMFの右サイドで、攻守に健闘します。周囲の中で、やや体格、フィジカルで見劣りするものの、堅実なプレーぶりで、卒無くチームにフィットしています。そして、Madrid戦では右サイドへのスルーパスに抜け出し、45度の位置からシュート。これが、GKの手を弾いてゴールイン!KENGO、嬉しい大会初ゴールを上げました!!!
一方、途中出場でワントップの位置に入ったTAKAHIROは、前線を動き回り、攻撃の際はボールの受け所を探し、守備の際はボールを保持するDFを追回し、味方の守備を助けます。しかし、なかなか自分の欲しい形でボールを受ける事が出来ず、持ち味を発揮する事が出来ません。ワントップで相手の2人の守備を相手にする中では、楔のボールに対するファーストコントロールが命。しかし、TAKAHIROはなかなか相手の圧力の中、ボールを自分のものとする事が出来ません。
そしてSHOKI。レギュラーの座を奪取する為には、もっと一つ一つのプレーで存在感を見せなければなりません。来たボールをシンプルにダイレクトで処理して、“そこで終わり感”を漂わせます。もっと、頻繁にプレーに絡み、呼び込み、ディフェンスのリーダーぶりを発揮したいところ。やや、プレーが淡白に映ります。また、ディフェンスの際、相手の攻撃を止めようとする奮闘ぶりに、やや物足りなさを感じます。球際の攻防にも激しさを欠き、ボールを奪われたり、突破を許すシーンが見受けられます。
一方、SHINとDAICHI擁するPlan Marcet 2は、初戦のPlan Marcet 1戦で1-1の引分け、Tecno 99戦は2-5の敗戦、そして、日本人対決となったWorld Team戦では5-0と初勝利をものにしました。
SHINは1-2-3-1のワントップ、DAICHIは中盤の右か真ん中で、途中交代で起用される形が殆どでした。SHUNはオフの動きが上手く 出来ず、仲間からの楔をなかなか受ける事が出来ません。スペースを使う動き、スペースを作り出す動きを学ぶ必要がありそうです。また、フォワードの選手 は、パスカットを狙うDF、激しく1対1で止めに来るDF、スペースを消そうとしつこく圧力を掛けて来るDFに対し、これに対処しなければなりません。殆 どボールを受ける事が出来ず、殆ど何も出来なかったSHINには、如何にしてボールを受けるか。如何にして、自分の望む形でボールをもらえるようにする か。そこがポイントになりそうです。また、相手が厳しくプレスを掛けて来る中で、ファーストタッチの質とボールの置き所のクオリティーを上げて行く必要が あります。
一方、スピードと俊敏性を活かして行きたいDAICHI。しかし、SHINと同様、なかなかボールを受ける事が出来ず、試合に 入って行く事が出来ません。ボールを持ってかわそうとしても、思いの他、相手の足が届いて来るのか、ボールを引っかけられ、奪われるシーンが多々ありま す。早く、相手の間合いを掴みたいところです。また、ちょっとでもボールを晒すと、途端に体をボールとの間にこじ入れられ、ボールを奪われてしまいます。 いずれにせよ、相手との距離感、間合い、ボールの置き所を一刻も早く、この大会で通用するレベルに修正して行く必要がありそうです。
最後は、KAZUKIとKAISEI擁するWorld Team。彼らも、この日3試合を戦い、初戦のMexico 2 戦を1-2で惜敗、続くMexico 1 戦は0-5の完敗、そして、日本人対決となったPlan Marcet 2戦は、0-5で敗北を喫してしまいました。昨日の練習試合で相手からボールを奪う際に、激しく転倒し、腕の筋を痛めたKAZUKIでしたが、大事には至 らなかったようです。そのKAZUKI、1-2-3-1の中盤の真ん中で、攻守に渡り、大役を担います。Plan Marcet 2戦では、ドリブルで切れ込み、一度はシュートがポストに当たる惜しいシーンも。その他、チームの殆どのシーンが、KAZUKI絡みで展開されるも、ゴー ルの女神がなかなか微笑んでくれない。
一方、右サイドハーフで途中出場する事が多かったKAISEI。なかなか、チームの流れに沿った効 果的なプレーを繰り出す事が出来ず、また、慌てているのか、簡単なプレーをミスしてしまう事多し。Plan Marcet 2戦では、抜け出してゴールキーパーと一対一となるも、左足のシュートはGKに弾かれてしまう。
また、World Teamは、日本人コンビ、KAZUKIとKAISEIが相当に頑張らなければ、厳しい戦いが予想される事が判明した日となった。
【Cadeteカテゴリー】
最後は最年長のSHUN。彼の所属するTecnofútbol Españaは、Plan Marcet 2と対戦。1-4-2-3-1の右ハーフに入ったSHUN。相変わらず、精力的な動きぶりで、奮闘するSHUN。体を張ったプレーが出来き、ガッツ溢れる、粘り強いプレーぶりを見せて行きます。サイドに位置しながらも、縦の突破よりも、中へ中へ入ってプレーする事を好むSHUN。声や身振りで主張し、ビルドアップに加わります。が、なかなか、相手ディフェンダーを脅かすようなプレーまでは、繰り出す事が出来ません。体格的には、相手が上で、そんな彼らの執拗なプレッシングの中で、パスを繋ぐのがやっとな様子です。それでも、確実にボールを味方へ通し、チームの潤滑油としての貢献は出来ています。また、コーナーキックやフリーキックのキッカーに任命され、セットプレーを任されます。
試合は、拮抗した展開の中、1-2でPlan Marcet 2リードで前半を終了します。
午後に行われた後半、SHUNは右サイドバックのポジションにいます。
そんな中、チームが値千金のゴールを決め、Plan Marcet 2が初戦で見事に勝利をものにしました。試合後、やや浮かない表情を浮かべているSHUN。思ったようなプレーが出来ず、不満な要素もあったようです。
まだ、大会は始まったばかり。今いる環境で、自分をどう発揮して行くのか。。。
ついに開幕ですね。サムライ少年の活躍が楽しみです。
Ryuyaは普段、チームでは絶対的な自信を持っているのですが、
外へ出ると気弱になってしまうところがあります。
植松さんの言うとおり、もっともっと気持ちを持ってプレーして欲しいです。
まだ始まったばかりなので、今後の変化を楽しみにしています。
投稿情報: Ryuya 母 | 2011/07/25 02:33
現状の打開力、状況判断、全てにおいて勉強の場、がんばれSHUN
投稿情報: SHUN 父 | 2011/07/25 10:14
植松さんのご指導がSYOKIの中でどこまで伝わっているのか…頭では分かっていても、身体が動かないのでは全く意味がないです。恐れる事無く、立ち向かって欲しいものです。残り試合、SHOKIが悔いを残さず帰国してくれる事を祈ります。
投稿情報: Shoki mama | 2011/07/25 14:02
今年で二度目なのに、先発出場ができないなんて何をやっているITSUKI。
悔しくないのですか?ITSUKIの変わりはいくらでもいるっていうことですね。
本当に、本当に、残念に思います。
バルセロナに来ているんだから、どんどん攻撃的にチャレンジしなきゃ!
私はITSUKIに100点を求めていません。だからとにかく自分で...。
ITSUKIは人任せしすぎです。ボールが自分に来たら試合を作るチャンスなんだよ。
サッカーというスポーツを理解しているメンバーの中でチャレンジしなくてどうする。インドではITSUKIが満足いくサッカーはできないんだよ。何をそんなに恐れることがある?大好きなサッカーなのに。
本人がよく分っているとは思いますが、全ては行動で示すべし!
今日から開幕ですがITSUKIの変化がないのであれば、ブログを見るのもいら立つばかりなので、インドへ緊急帰国させ日本の勉強をさせたほうがいいのかも、など考えてしまいます。私の思いがITSUKIに届くといいですが....。
投稿情報: itsukity | 2011/07/25 14:46
スペインで過ごす期間も、早いもので1週間をきりました。
残りの時間を、心残りなくすごせるよう頑張ってほしいですね。
植松さん他スタッフの皆さんよろしくお願いします。
投稿情報: SHUN父 | 2011/07/26 06:05
Benjaminカテゴリーでは、KOSEI君が来てからRYUSEIの表情がいきいきとしてきたように感じます。良い仲間になれるといいですね。
地元では、RYUSEIの所属するチームをチンチンにするようなチームがいないため、Tecnofútbol Españaの様な同世代で強いチームとの戦いが大変楽しみです。どのように勝ちに持っていくのかは監督の采配次第かも知れませんが、自分たちでも考え、行動することができたら素晴らしいことだと思います。これからの残り3戦、どのようにプレイし、結果として差が広がるのか、縮まるのか、はたまた逆転するのか、楽しみにしながら応援したいと思います。
投稿情報: りゅうせい ちち | 2011/07/26 10:30