3月末に大阪からやって来た2005年生まれの少年、YUTAが再び帰って来ました!
今回は何と、“本気の挑戦”すなわち、移住して長期でチャレンジすると言う事で、トライアウトにやって来ました!前回、Espanyolのカンテラに練習参加し、好評価を得ていたYUTAは、引き続き、Espanyolにチャレンジする事に!しかしながら、YUTAの世代は7人制フットボールで、1チームの所属選手は通常12名。Espanyolの2005年チームは既に13名の選手が所属しており、言葉の通用しない外国人と言うハンディも含め、よっぽどのクラック(スーパーな逸材)で無ければ、獲ってもらえる事は無いでしょう。
その為、今回はSant Andreuと言う強豪クラブと並行して、トライアウトにチャレンジする事になりました。
最初の2回はそのSant Andreuでの練習参加。ところが2日間共、春にやって来たあの生きの良いYUTAのプレーぶりが見られません。YUTAの双子の弟でも来ているのかと思える程、別人です。
“どうした!?調子でも悪いのか!?”
YUTA「だって、ここで活躍し過ぎると、Sant Andreuの選手になってまうやん。」
何と言う事でしょう!8歳にして、大人顔負けの計算をしているではありませんか!?
いやいや、そうじゃないない。。。
“馬鹿者!!!君程度の実力のヤツが、何、力抜いとんじゃ!Sant Andreuでそのパフォーマンスなら、Espanyolには恥ずかしくて持って行けないから、話を無しにするぞ!”
そうして3日目、Espanyolの初日の練習が行われました。そこでは、これまでのSant Andreuでの2回の練習よりも、春に来た時のYUTAに近い、良いプレーを繰り出してくれました。
特に、パスのセンス。的確に確実にボールをさばく技術。そして、左右両足でキックが出来る技術に素晴らしい者を持つYUTA。この日、Espanyolの選手13人+8名のトライアウト組の計21名の中でも、その部分では際立っていました。
しかしながら、積極性が足りない!特に、トライアウト組は、如何に自分のストロングポイントをアピールするかがポイント。が、YUTAは声を出さない、そして、自分で行くべきところでも、パスを選んでしまう。そうしたやや消極的なプレーが気になります。やっている事は悪くない。でも、無難なプレーが多い。果敢さ、勇敢さ、チャレンジャースピリットが欲しいところです。
そしてEspanyolのトライアウト2日目、徐々にパフォーマンスを上げて来ているYUTA。この日の更なる進化ぶりが期待されました。しかしながら、この日は昨日の課題に上げていた積極性の無さが、依然として浮き彫りになってしまいます。この日の練習には何と、昨日いた他の7人のトライアウト選手の姿が一人も見当たりませんでした。その前からテストを受けていたのでしょうが、全て、見切りを付けられてしまったと言うことでしょうか!?現在の13名をはっきりと上回る逸材でなければ、チームに入り込む事は出来ない。ましてや、スペインでは言葉の通じない外国人であるYUTAは、なおさらです。
改めて、ちびっこだろうが何だろうが、厳しい競争世界であることを突き付けられた訳です。
そんな中、YUTAの持っている120%の力を発揮しなければ、発揮しようとがむしゃらにやらなければ、スペインでも有数の実力を持つEspanyolのカンテラに入り込める訳がありません。YUTAのベストを10とすれば、10のYUTAを示し続けて、初めてチャンスが少しだけ見いだせるかもしれないぐらいの厳しい状況。にもかかわらず、自分のベストの半分も出せていないYUTA。
正直、細かい技術だけ見れば、Espanyolの2005年チームの中でも、YUTAは上位に来るかもしれません。しかし、パワー、積極性、声、攻守の切り替えのスピード、球際の激しさ、そして何と言っても、サングレ(闘う血)の部分で、YUTAは全く彼らの中に入って行けていません。
それが実力と言えばそれまでですが、もっと闘う姿勢を見せて欲しい。もっと必死に頑張って欲しい。でも、本人が自らの意思で、そういうモードにならなければ、意味がありません。
YUTAの挑戦は、早くも厳しい局面を迎えています。。。
もっと頑張りや!YUTA!!!
P.S. 4年前にこんなコラムを書きましたが、この“痛い”現実が、相変わらず、日本にはあるのだなと痛感しました。
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