6泊のベガルタ仙台のスペイン遠征も、あっという間に最終日を迎えました。この日はホテルでチェックアウトを済ませ、バスに乗り込み街の中心へ。まずは、コロンブスの塔を見物し、ランブラス通りにあるお土産さんへ。そこで買い物を行い、バルセロナ最大のボケリア市場へ。市場を散策した後は、グエル別邸を通り、みんなが楽しみにしていたサッカーショップ、フットボールマニアへ。そこでそれぞれ買い物をし、公共のバスを利用し、海沿いにあるレストランへ。海鮮中心のスペイン料理を満喫し、バスはいよいよ空港へ向かう帰路の旅へ。
これで、1週間のスペイン遠征が終了となった。今回は大会で4試合、強化親善試合2試合の計6試合を戦い、2分4敗。試合結果は当然ながら、悔しいものに終わった。ベガルタの選手達は、世界のレベルを肌で大いに体感した事だろう。多くの選手が口を揃えて言っていた。「日本で通用するプレーが、世界では通用しませんでした。」良く耳にするこのフレーズ。もうそろそろ、変わって行かなければいけ無いのではと思う。違いは明確。散々言われている球際の戦い。インテンシティー。プレスの速さと、隙あらばボールを奪い取る圧力。ボディーコンタクトの屈強さ。世界では、小学校低学年から、この部分でのレベルが、日本と全く違う。ディフェンスの総合的なスキル、能力、意欲、アグレッシブさの違い。スペインのオフェンス陣は、こうした屈強な守備をかいくぐる、技術、スキル、パスワーク、ボールさばき、体の使い方、ドリブル突破、パススピードを磨いて行くことを余儀なくされる環境に身を置いている。日本の育成環境も、もっとこのディフェンスの部分の屈強でハードな文化を身に付け、当然のものとしていかないと、いつまで経っても海外の洗礼にぶち当たってしまう。世界の屈強なディフェンス陣相手にどこまでやれるのかを試す為には、普段の日本からそれを鍛える土壌が無くては厳しい。Jの下部組織をもってしても、この課題が大きく立ちはだかっている事を、再確認せざるを得無い、今回の遠征だった。そして、そうした成長、進化への過程を妨げている要因として、日本の審判ジャッジの基準が壁になっているとも言う。フットボールは、格闘技的な、野蛮な要素から逃れる事が出来無いスポーツ。原っぱでののほんと暮らしてきたウサギちゃん達が、荒野に放り出され、ハイエナどもに襲われる姿は見たく無い。日本が次の段階へ進む為に、日本の育成年代の環境から、もっともっと世界に近づく環境づくりが肝要だ。
ベガルタのみんなには、この遠征で得た悔しい経験を糧に、将来的に世界で通用するプレーヤーを目指すべく、これから切磋琢磨して頑張って欲しい!
最後に、ベガルタ仙台の何人かの選手に応じてもらったインタビューを掲載し、ベガルタ仙台 スペイン遠征2016夏【Copa Mundial MGF 2016参戦】の章に幕を閉じる事としよう。
SUERTE VEGALTA SENDAI !!! HASTA LA PROXIMA !!!
山下 諒時 #30 DF
「海外初めてだったんですけど、自分の武器はロングボールだったり、身長があるので、高さだったりしたんですけど、海外はレベルが高くて、そういう武器が通用しない事がありました。こっちの選手達は体も大きくて、フィジカルも強い。キックも正確。多分、足元の技術とかは日本人の方があるんですけど、ガムシャラさとか、そういう部分はこっちの選手の方が遥かにある。
今後は、大人になってプロになって、海外で出来る選手になりたい!」
粟野 健翔 #23 MF
「普段経験出来無い、球際の激しさだったり、寄せの速さを感じた。次のプレーをもっと早く予測して準備して置かないと、直ぐに削られてしまう。もっと色んな対戦相手とやって、色んな経験をして、引き出し増やしていく必要がある。普段から、もっと意識高くやっていかないといけない。日本では、なかなかこういう相手とはやれないけど、普段から、ちょっとのトラップミスをしたら奪われるとか、そういう細かいところ一つ一つをもって拘って、意識してやって行くしかない。それと、ベガルタは東北地方を引っ張っていかなければいけない存在なので、僕らがこうして感じた事を持って帰って、球際の厳しさの必要性を体現して行く事によって、東北全体が球際の攻防がもっと激しくなって、全国でより通用するようになって、そうやってどんどん日本が変わって行けばいいと思う。」
小田垣 皓己 #22 GK
「失点が多くて、色んな欠点が明確になった。日本に帰ってから、一つ一つ課題を取り組んで行きたい。技術面もそうだけど、精神面も自分から変えていかないと思った。世界は、あらゆる面でスピードが速い。パススピードも速いし、シュートも上手い。そして、何よりも、戦う気持ちが凄かった。」
小齋 崚太 #28 FW
「相手が強くて、ちょっとでもボールの受け方を間違えれば、ボールを直ぐに奪われてしまう。本当に強かった。球際の厳しさや、スピード感が日本と全然違う。自分のスピードやドリブルはちょっとは通用したと思うけど、もっと予測や判断を早くして、よりよい準備をボールを受けないと、こっちでは厳しい。自分がもっとレベルアップする為にも、普段の練習から、ディフェンダーにもっと厳しく来るよう要求して、環境のレベルを自分たちで変えて行く必要がある。」
坂本 琉維 #31 MF
「日本でやっていたスピード感よりもスペインは全然速くて、それに付いて行くのがやっとだった。やれた部分としては、普段でも、守備でハードワークして、奪ったらスピードを活かして前に出て行く部分はある程度通用したと思う。課題としては、もっと足元の技術をしっかり持たないと、こっちでは激しく来る相手に通用しないと痛感した。日本に帰って、そういう部分ももっと取り組みたいし、持ち味であるハードワークも、もっと努力して体力付けて、ボールをもっと奪えるようにしたい。ボールを奪えないと、ゴールは獲れない。」



