7月16日(木)
Buenos Dias!
朝起きると、幾分顔色のよくなったKOSHIRO。
TAKAJI「KOSHIRO今日はできるか?」
KOSHIRO「うん。できる。」
少し回復した様子。できるところまで、トレーニングに参加してみようということでグランドまで連れていきました。
今日は、午前中2つのサーキットトレーニングを行いました。いずれもパス、ドリブル、シュートを交えてのサーキットでした。鋭いシュートを放っていたのはTATSUKI。コーチのガビから「まるで機械のように、ゴール隅に正確なシュートはなっていたよ!」と驚いていました。負けじとKYOSUKE・TSUBASAもゴールに強いシュートを放っていました。KOSHIROはここで、やはり風邪の不調を訴え、ダウン。グランド脇で練習できないことに対する悔し涙を流していました。その気持ちが大切なのだと思います。体が回復したら、KOSHIROにはこれまでの分を取り返すべく、がんばってもらいたいと思います。
サーキットトレーニングを終えると、いつものごとくゲームを行いました。ここでTAIGAが発言。
TAIGA「高司さん。僕、大きいお兄ちゃんたちとゲームしたい。」
TAKAJI「体の大きさもスピードも全然違うけれど、大丈夫?」
TAIGA「うん。わかってる。だけど、やってみたい。」
TAKAJI「じゃ、ジョルディに聞いてみよう。」
すると、ジョルディもOKのサイン。
TAIGAは年長組に混ざって、ゲームを行いました。体格面でかなりの差がありましたが、ボールに食らいつくTAIGA。しかし、いつもは「俺がフォワードやる!」というTAIGAも今日は最終ラインでディフェンスをしていました。何度かピンチの芽を摘むという活躍も見せていたこと、そして何よりもより高いレベルで挑戦したいというTAIGAの気持ちに拍手を送りたいと思います。
もう片方のゲームは5対5で行われました。だいぶプレーも慣れてきたのか、積極的に各自プレーしています。TATSUKIはいつもの通り、左サイドからチャンスメイク。KYOSUKEは声を出しつつ、ゲームを後ろ目のポジションからコントロール。SORAは左サイド・ゴール中央にポジションをとり、アルナウと攻撃に参加。左サイドで少しずつ、ボールを呼ぶ声も出せるようになってきました。TSUBASAはグランドを縦横無尽にかけまわり、今日も得点をマーク。各自、自分がどこでプレーしたいかというポジションがチーム内においても見えてきたようです。
午後は、いつもよりも少し時間を後ろにずらし、夕方5時半からビーチでのアクティビティを行いました。メンバー全員入り混じってのポートボールに似たハンドリングゲームをしました。大きな体の選手を前に、下敷きになりそうになるSORAやTSUBASA。しかしながら小さな体を指先いっぱいまで伸ばし、戦う姿勢を見せます。しかしながら、ここでも、遊び感覚のチームプレーは見られません。小さい子供、お構いなしの負けず嫌いのスペイン人っぷりが発揮されます。和んだ雰囲気なんて微塵も見られません。まさに勝つか負けるかの戦い。鬼気迫る戦いに少し怯えた顔も伺えました。びっしょりと汗をかいたあとは、海へダッシュ。今日は風もなく、海水浴日和。先日遊べなかった分、みんな海を十分に楽しんでいました。TAIGAはお兄ちゃん組と一緒に少し沖まで泳げば、他の4人のメンバーも少し足の届かないところ、(といっても5mも行けば大人でも足の届かないような深みにいってしまうのですが・・・。)を泳いでいました。TATSUKIはゴーグルをつけ、海に潜ると透き通ったきれいな海中に魚を発見。そこにTSUBASAもやってきて。TSUBASA「高司さん、捕って!」ごめんねTSUBASA。さすがに泳ぐ魚を素手で捕えることは、僕には無理でした。その代わりとばかりに、泳ぎに不安を抱えるTSUBASAを高司のおんぶで少し砂浜から離れた所まで連れていってあげました。街に海があるバルセロナ。こちらの人にとっては、生活の中に海があり、泳ぎもみんな得意。海がとても似合うスペイン人たちなのでした。そんな雰囲気も子どもたちは感じられたのではないでしょうか?残念ながら、KOSHIROは病み上がりということで、今日は海水浴禁止。砂浜でのアクティビティのみの活動となりました。その後、海から上がり、再びビーチサッカーへ。今日あたりから、いわゆる悪い言葉の教え合いというのが、子どもたちの間で始まったようで、「○×△□●▲◆」ってどういう意味?という質問が高司のもとに。無邪気な笑顔で、スペイン人のお兄ちゃんに教えられたままに放送禁止用語を発言するSORAに少年たちは大爆笑!!意味は知らない方がいいということで、教えておりませんが。これも子どもたちのコミュニケーションということで多めにみたいと思います。どうやらTAIGAだけは、お兄ちゃんたちにその言葉の意味を教えてもらっているようで、何人かには説明していたようです。面白がってそれをいう子どもたち。悪い言葉は本当に覚えるのが早いですね(苦笑)さて、今日の午後から少し元気のないTSUBASAはビーチサッカーに混ざろうとしません。いつもなら進んで、サッカーをやるのですが、子どもたちの間で何か問題があったのか?少し元気がないようです。目の届かないところで、子どもたちだけの問題も起こり始めているのか?それもキャンプの醍醐味の一つ。子どもたちの世界で解決できることは、子どもたちでというスタンスで見守っていきたいと思います。
では、昨日も予告したように、これまでのスペインでの生活、スペインでのサッカーについて子どもたちにインタビューをした結果をお伝えしたいと思います。
KYOSUKE・・・日本ではいつも親と一緒にいるけど、スペインに来てからは自分も含めて、子どもたちだけで生活することも多く、自立できると思う。スペイン人との関係も最初は難しかったけど、時間がたつにつれて友達も増えてきた。
KOSHIRO・・・スペインでサッカーをすること、休み時間に友達と話すことができてとても楽しいです。スペインは日本よりもパスサッカーをしているように感じる。風邪を早く治して、早くみんなとプレーがしたい。
TAIGA・・・スペインに来て、最初はとても緊張していたけど、友達もたくさんできて今はとても楽しい。これまでの中では、中村俊輔と一緒にエスパニョールのグランドでリフティングできたことがうれしかった。シュートやテクニック面において、スペインと日本との違いを感じる。年上のお兄ちゃんたちの技術を学びたい。
SORA・・・スペイン人は、体が強くて、とてもよく周りが見えている。日本のサッカーとスペインのサッカーの教え方の両方を経験して、スペインのサッカーの方が良いと思った。スペインの友達は、みんな優しくて明るい。スペイン人とはすぐに仲良くなれそうだ。
TATSUKI・・・日本人よりもスペイン人の方が負けず嫌い。負けたくないからファールで止めてくる時もある。体の強さが全然違う。気持ちや体の強さの違いにびっくりした。スペイン人の友達ができたので、早く言葉を勉強し、もっとコミュニケーションがとれるようになりたい。
TSUBASA・・・スペイン人と一緒にサッカーができて、うれしいです。スペイン人と友達になれてうれしいです。スペインのサッカーの方がすごいです。
それぞれ、スペインに来てのさまざまな経験が、心・体に浸透し始めているようです。エスパニョールキャンプも残すところあとわずか。吸収できるものをすべて吸収してもらいたいと思います。
P.S.:TSUBASAにニックネームがつきました「Chincheta」です。日本語に訳すと画鋲という意味です。どういういきさつなのか、画鋲のようにちくりちくりと人にちょっかいを出すというニュアンスのようです。とにかくコーチのラモンのお気に入りに登録されたようです。
ラモン「俺の家に来て、スペインに住み、エスパニョールの選手になるか?」
TSUBASA「・・・・・。わかんなーい。」
Siiiiiiiiiiiiiiiii!!と声を大にしたいようなお誘いもTSUBASAには関係なし。
今日もお茶目なTSUBASAでした。
そうそう、もう1点。今日、一人の少年にとって、ビッグニュースが舞い込んで来ました。
UEMATSU「SORA、君のスペインの目標はなんだ!?
SORA「え~と、スペインのサッカーを吸収して、日本で活かす事」
UEMATSU「そうか。よし、どんどん吸収しよう。それと、君はもっと積極的にプレーしよう。ゴール前でボールを受けたらパスでなく、まずはシュートを目指そう。積極的に声を出して、もっとプレーに絡んで行こう。それを約束出来るかい!?もしそれを約束するなら。この後の大会にも出ていいってさ」
SORA「え!?うそ!?」
UEMATSU「本当だよ」
SORA「でもお金掛かるんでしょ!?」
UEMATSU「お父さんがSORAが頑張るんなら、頑張って働いてその分を稼ぐってさ」
SORA「え”~、まじ!?ウソでしょ!?」
UEMATSU「本当だよ。どう!?頑張るって約束するかい!?」
SORA「うん!」
UEMATSU「よし!じゃぁ、SORAも皆と一緒に大会に出よう!」
SORA「やったぁ!!!」
こうして、もう1人、ワールドカップ・アカデミーに参加する勇者が増えました。
それでは、また明日。
Hasta luego
Buenas Noches!!!
By Yuya Takaji
みんな、それぞれいろいろなことを感じとっていることはすばらしいですね。
どんな些細なこと、今肌では感じているがまだ頭では気づいていないこと等日本にいるだけでは気づかないことをスペインで過ごしている日々の中で自分の財産にしていることと思われます。そういった形では表せないプレゼントをわが子にこれからも与えすぎるくらい与えて行きたいです。
スペインで過ごすことは、誰しもが経験できることではありません。また、まだこの子どもたちが経験したことのないことをこの夏経験している子達もいます。また、そういう違う経験をした子供たちがどこかで交流をもち、さらに成長していくのでしょう。
投稿情報: koshiropapa | 2009/07/17 02:01
子ども達の発言から、スペインサッカーのコンセプトが、皆の心の中に染みこんできている様子がうかがえます。
日本に帰って来てからはきっとみんなリーダー格としてチームを引っ張って行くのでしょうね。このキャンプで得た事を日本でも発揮し、また自分たちのチームにも広めてほしいと思います。そして、いつか一緒に試合ができたらいいですね。
SORAも、きっと"オトナ"になって帰ってくるのでしょうね・・・いろんな言葉覚えて・・・
投稿情報: Sora papa | 2009/07/17 14:11
みんな日本と違う環境で、様々なことを感じながら過ごしているようですね。子供達の人生に於いて最高の財産になると思います。失敗を恐れず、前向きにどんどんチャレンジしてほしいですね。
TSUBASAには日本語に訳してもらっても、ラモンの言っている意味が理解できなかったのではないかと思います。たぶんエスパニョールって何??
投稿情報: Tsubasa papa | 2009/07/17 14:28