さぁ、今日は、我等がKOSHIROとYUKI擁するBenjaminCは、FC LEVANTE LAS PLANAS というクラブが主催する8チームが参加する1day大会に出場です。
【グループA】
FC LEVANTE LAS PLANAS A (09/10シーズン 3部リーグ/グループ23 4位)
FC LAVANTE LAS PLANAS B (レバンテ・ラス・プラナス スクールAチーム)
ESCUELA FC BARCELONA (バルサスクール選抜)
CORNELLA (09/10シーズン 2部リーグ/グループ2 8位)
【グループB】
FC LEVANTE LAS PLANAS B (レバンテ・ラス・プラナス スクールBチーム)
ESPLUGUENC (09/10シーズン 3部リーグ/グループ23 優勝)
ARGENTONA (09/10シーズン 3部リーグ/グループ19 3位)
DAMM (09/10シーズン 3部リーグ/グループ 7 優勝)
こうしてみると、他のチームは優勝や上位に就けているとは言え、全て3部のチーム。その他は、公式戦に出場しないスクールのチーム。もっとも、その一つであり、大会自体に箔を付ける存在であるバルサスクール選抜チームは、大会自体を見事に盛り上げる存在となりました。
【グループリーグ1回戦 バルサスクール選抜 vs コルネヤ】
いきなり、バルサと当たる事になったコルネヤ。スクールとは言え、選抜チームがどこまでやるのか、未知数です。そして、やはりバルサのユニフォームをばちっと身に付けているチームを前にすると、圧倒されそうになります。
コルネヤは3-2-1の布陣で臨み、YUKIは2の右サイドで先発です。ところが、バルサのユニフォームにやや気おくれしたか、緊張気味のYUKIは、地に足が付いていない様子です。ボールが来ても、ダイレクトで直ぐにボールを叩いてしまう。これが、判断の伴った狙い通りのダイレクトプレーならO.K.なのですが、ボールを持ちたがらない故のプレーに映ります。その為、殆どがパスミス。どうした!YUKI!
そんな浮き足立つコルネヤを尻目に、バルサスクールは見事なパスワークを見せます。ボールを持っていない周りの選手が細やかなポジショニングでパスコースを作り出し、そうした連動の連続で、たちまち、コルネヤゴールに迫ります。そして、サイドのスペースを突いてから、クロスを素早く放り込むと、全体で押し上がっている為、ゴール前には常に2人が飛び込んで来ます。そうして、あっと言う間に2点を先制されてしまいます。しかし、この失点はGKやディフェンスの処理ミスを突かれたもので、悔いが残ります。しかし、2点のゴールを決めた1トップの黒人君9番は、スピードとパワーを兼ね備えた強者です。
まずいと思ったセルヒオ監督は、KOSHIROを投入。ポリバレンテプレーヤーの彼は、3-2-1の右サイドバックで起用されます。すると、そのKOSHIRO、いきなり9番とのマッチアップのシーンを迎えますが、球際でも懸命にこらえ、黒人君をストップします。すると、これに勢いを得たか、右サイドで起点となって存在感を示すKOSHIRO。先週のドリブルで持ち過ぎて上手く行かなかった教訓を糧に、そして、ディフェンスと言うポジションと言う事もあり、チームにとってより効果的なプレーを披露します。シンプルにフリーの味方へ繋ぐ。と思ったら、今度はサイドに開いた前線の選手に叩き、オーバーラップして再びもらう。かと思ったら、時にはやりたくてしょうがないドリブルで中へ中へ入り込んで行く。そんなバラエティーに飛んだプレーを繰り出して行きます。およそ5週間の練習で、すっかりそのキープ力に市民権を得ているKOSHIRO。チームの味方もそれが分っているだけに、右サイドにボールが集まります。
コルネヤ応援団の父兄からも、「Muy bien (いいぞぉ!)Koshiro !!!」の声が飛び交います。
さて、一方、もっと勇気を出して闘ってもらいたいYUKIも魅せます。
右サイドの後方から内側へドリブルで駆け上がったKOSHIROが相手をかわし、右サイドを前線に走るYUKIへ。しかし、懸命にディフェンスに寄せて来た相手DFがこのパスに飛付き、足に当てます。そして、そのボールが飛び出して来るGKと走りこむYUKIの中間地点へ跳ねて行きます。しかし、スピードならYUKI。一瞬早くボールに達したYUKIが飛び込んで来るGKの頭越しに浮き球を蹴り込むと、ボールはゴールの中に吸い込まれて行きます。
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール!!!
サムライホットラインの力で掴み取った意地のゴールです!!!
しかし、試合全体としては、チームとしての組織的なパスワークで上回るバルサスクールが、コルネヤの守備力の甘さを突いてその後も加点し、結局、5-1で敗れてしまいました。
【グループリーグ2回戦 レバンテ・ラス・プラナスA vs コルネヤ】
対戦相手のレバンテ・ラス・プラナスは、最初の試合で弟分のCチームにまさかの1-1のドロー。最後が、圧倒的な強さを見せたバルサスクールなだけに、この試合に2位以内に与えられる決勝トーナメント進出のチャンスを懸けます。一方のコルネヤも同じ。ここで負ければ決勝トーナメント進出の夢は絶たれるだけに、絶対に負けるわけには行きません。かくして、この試合は非常に重要な戦いとなりました。
当然、それを良く理解しているセルヒオ監督は、3-2-1の右サイドバックに先程抜群の存在感を見せたKOSHIRO、その前、右ハーフにYUKIを配置します。その他、1トップには8番、キャプテンのディエゴ、左ハーフには21番、サムライ少年加入前はチームの大黒柱の一人だった頑張り屋の左利き、ビクトルが入ります。センターバックには17番のガイスカ、左サイドバックには19番のダニ、そして、GKはアンヘルの布陣です。
試合は、拮抗した好ゲームとなりますが、先制したのはレバンテ。またもや、守備の穴を突かれてしまいます。このチームには、後ろでどっしりと構える頼れるディフェンダーの存在が欠けているようです。そして、GKも相当修行が必要のようです。
さて、負けられないコルネヤは、猛反撃に出ます。第一試合で、緊張からかやや精細を欠いていたYUKIは、この試合も、ワンタッチプレーが多く、それが、効果的なプレーにはなっていません。やれば出来る彼なのに、何故、敢えて自分で行こうとしないのか、落ち着いてワントラップし、そこからスピードとテクニックを活かした得意のドリブルを繰り出せば良いのに、「俺がやってやる」という強い気持ちが欠けている為、直ぐにボールを離してしまいます。彼がずっと自分の中でテーマにしている「闘う気持ち」。これは、性格から来る問題なだけに、そう簡単に変われるものでは無いのかもしれませんが、それが無ければ、上ではやれません。彼なら出来るはずです。もっと、自信を持ってやって欲しい。少なくとも、ピッチに立ったら、獣にならなければいけない。猛獣に変貌しなければならない。スーパーサイヤ人にならなければ行けないのです。普段は心根の優しいジヌディーヌ・ジダンだって、W杯の決勝では頭突きをします。大人しい性格のアンドレス・イニエスタだって、ピッチではえぐい程のファイターに変貌します。だから、YUKI、君にも、変貌して欲しい!
試合はいつの間にか後半のロスタイム。得点は1-0。決勝トーナメント進出が厳しい状況。
ここで仕事をしたのはビクトル!相手のクリアーボールを拾い、渾身込めて振り抜いた左足から飛び出したシュートは、ゴール右上に突き刺さり、起死回生の同点シュート!コルネヤ、試合終了間際に貴重な勝ち点1を手にしました!
【グループリーグ3回戦 レバンテ・ラス・プラナスC vs コルネヤ 】
決勝トーナメント進出に向け、望みを繋いだコルネヤ。この試合に勝てば、決勝トーナメント進出が決まります。
相手はレバンテC。先程のAチームの弟分です。しかし、Aチームとは1-1で引分けているだけに、侮れません。
この試合、2人はベンチスタートです。試合は戦前の予想を覆し、攻守共に安定感を見せ始めたコルネヤがレバンテ陣内でゲームを進めます。すると、14番の左サイドバック、ジョエルが見事なロングシュートを決め、先制点を上げる事に成功します。続いても、ビクトル、ディエゴがゴールを決め、圧巻はKOSHIRO。右サイドをタイミング良く駆け上がったKOSHIROは、相手を一人かわし、二人かわし、遂にはGKと一対一に。これを難無く決めて、4-0!勝利を決定付けるゴールを叩き込みます!その前に何度もシュートに持ち込めるタイミングがあっただけに、持ち過ぎと言えば持ち過ぎなのですが、まぁ、決まれば、万事O.K.です!!!
【準決勝 エスプルゲンス vs コルネヤ 】
さぁ、セミファイナルです!相手は、もう一つのグループを首位で勝ち上がったエスプルゲンス。勢いがあります。一方、コルネヤもこの試合に勝って、決勝に進出したバルサスクールに借りを返したいところです。
しかし、序盤、いきなりエスプルゲンスに先制点を奪われてしまいます。試合展開は互角、いや、攻撃力ではコルネヤの方がやや上。しかし、しっかりとしたハードワークで粘り強く戦い、縦に速い攻撃を仕掛けて来るエスプルゲンスに対し、コルネヤディフェンス陣は、再び守備の脆さを露呈してしまいます。ディエゴが同点ゴールを決めたところまでは良かったのですが、カウンターから立て続けにゴールを奪われ、瞬く間に3-1とされてしまいます。セルヒオ監督は、ここで、この暑さの中での連戦で、やや疲労の色が見え始めるサムライ少年2人をベンチに引き下げます。明らかに、3位決定戦を睨んだ采配です。試合は結局、1点を追加したエスプルゲンスに4-1で敗れてしまいます。
【3位決定戦 ダム vs コルネヤ 】
大会も大詰め、残りは、3位決定戦と決勝戦です。15分ハーフの試合が5試合。計150分間。この日は20度後半の夏日。ピッチ上の温度は、30度を超えていたでしょう。そんな中、緑のユニフォームをまとったコルネヤの12名の選手達は、ここまで良く頑張って来ました。残り1試合、悔いの無いよう、戦って欲しいものです。
そして、試合はとんでもないシーソーゲームとなりました。なかなか大会を通じて先制点を奪えなかったコルネヤは、この試合でも先制点を許してしまいます。しかし、スロースターターのコルネヤもここから反撃、ディエゴがゴールを決めると、今度は左からのクロスにディエゴが体を張ってボールを落としたところで、駆け込んだYUKIがゴールに蹴り込み、ゴール!!!
コルネヤ、逆転に成功です。しかし、その後、再び守備の脆さを突かれ、2失点、再びリードを奪われてしまいます。
サムライ少年達も奮闘します。大会を通じて、尻上がりに調子を出してきたYUKIは、ようやく切れ味のあるドリブルを繰り出し始め、チャンスメイクして行きます。そんな中、右サイドのKOSHIROがドリブルで相手のバイタルエリアに侵入し、右サイドの裏のスペースに抜け出したディエゴへスルーパス。センターリングに走り込んだYUKIが強烈な左足のシュートを放つと、これが惜しくもポストに当たって跳ね返ります。しかし、これを詰めていたビクトルが押し込み、ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール!!!
コルネヤ、またしても試合終了間際に劇的な同点ゴール、3-3の同点です!
結局、試合は3人制のPK戦へ。キャプテンのディエゴ、2人目のビクトル、そして、3人目のガイスカが確実に決めたコルネヤに対し、ダムの3人目、4番の選手のシュートは、クロスバーの上を超えて行きます。
この瞬間、コルネヤの3位が決定です!
喜び、団子になって、GKの上にもみくちゃになるコルネヤの選手達!
ちょっぴり悔しさも残りながら、最後はハッピーエンドで幕を閉じました!
ちなみに、この大会を制したのは、バルサスクール選抜でした。
スクールだからと言って、流石に何百人もの中から選抜された選手は、一人一人のプレーの質が高く、そして、全員が連動し、チームとして、非常に良く仕上げられていました。全ての試合で4~6ゴールを決め、決勝でも先制されながらも、後半の猛攻でエスプルゲンスを1-6で破った戦いぶりは、圧巻でした。バルサはやっぱりバルサでした。
by Keita Uematsu